『北野誠のズバリ』（ＣＢＣラジオ）「中高年よろず相談室」のコーナーでは、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が、リスナーからの身体や健康に関するお悩みを解決しています。
7月28日の放送では「単調だとどうして眠くなるの？」という質問を取り上げました。単調な仕事をしている時や、高速道路を淡々と走っている時など、睡眠時間が十分であっても眠くなってしまうのはよくあること。解消方法はあるのでしょうか。
つまらない映画は脳が判定している
脳の奥には、やる気を作り出す「側坐核（そくざかく）」があります。この部分が「自分が得すること、楽しいこと、興味があること」を認識するとやる気を生み出し、脳全体の活動を高めます。
逆に「楽しくない、興味がない」ということが続くと、側坐核がやる気を低下させて、脳全体の活動が沈静化するため、人は眠くなってしまうのです。
「確かにおもしろくない映画は寝てしまう」という北野誠に、「側坐核が判定してるんですね。『寝てる方がいいんだよ』っていうことなんですよ」と吉田先生。
逆に「楽しくない、興味がない」ということが続くと、側坐核がやる気を低下させて、脳全体の活動が沈静化するため、人は眠くなってしまうのです。
「確かにおもしろくない映画は寝てしまう」という北野誠に、「側坐核が判定してるんですね。『寝てる方がいいんだよ』っていうことなんですよ」と吉田先生。
高速道路で眠くなる理由
高速道路で眠くなってしまうことを、医学的には「ハイウェイヒプノーシス（高速道路催眠現象）」といいます。
単調であることももちろん原因のひとつですが、落とし穴になっているのは「追い越し車線との間に白線が等間隔で引かれている」こと。
「白線あり、白線なし、白線あり、白線なし」の繰り返しが、催眠状態を引き起こす作用を持っているというのです。これは「5円玉の振り子」を見ていて催眠効果が出ることと同じ仕組みです。
吉田「高速を運転してるときは、白線の部分ばかりじっと見てることは避けた方がいいですね」
北野「高速道路の途中で、バウンドしたりリズムが変わったりするのは、眠気覚ましなんですね」
リズムを変えることで、「ハイウェイヒプノーシス」を予防しているということです。
単調であることももちろん原因のひとつですが、落とし穴になっているのは「追い越し車線との間に白線が等間隔で引かれている」こと。
「白線あり、白線なし、白線あり、白線なし」の繰り返しが、催眠状態を引き起こす作用を持っているというのです。これは「5円玉の振り子」を見ていて催眠効果が出ることと同じ仕組みです。
吉田「高速を運転してるときは、白線の部分ばかりじっと見てることは避けた方がいいですね」
北野「高速道路の途中で、バウンドしたりリズムが変わったりするのは、眠気覚ましなんですね」
リズムを変えることで、「ハイウェイヒプノーシス」を予防しているということです。
居眠り運転が激増する時間帯
運転中に頭に入れておくべきことは、居眠り運転が激増する魔の時間帯があるということ。
それは「午後2時～午後4時」までの2時間。この時間帯に、居眠り運転の事故が集中しているそうです。
全体では朝8時と夕方5時～6時は車の通行量が増えるため、それに比例して交通事故も増えます。しかし居眠り運転は、交通量が少ないにも関わらず、午後2時～午後4時に集中しているのです。
これは「脳が特に眠りやすい性質をこの時間帯に持っている」から。
脳の「視交叉上核（しこうさじょうかく」には体内時計があり、そこで「サーカディアンリズム」と呼ばれる1日24時間のリズムを作っています。同時に12時間周期のリズムの「サブサーカディアンリズム」も作っています。
真夜中の2時～4時には、通常人は深い眠りについていますが、ちょうどその12時間後のリズムが午後2時～4時に眠気を作り出している、というわけです。
それは「午後2時～午後4時」までの2時間。この時間帯に、居眠り運転の事故が集中しているそうです。
全体では朝8時と夕方5時～6時は車の通行量が増えるため、それに比例して交通事故も増えます。しかし居眠り運転は、交通量が少ないにも関わらず、午後2時～午後4時に集中しているのです。
これは「脳が特に眠りやすい性質をこの時間帯に持っている」から。
脳の「視交叉上核（しこうさじょうかく」には体内時計があり、そこで「サーカディアンリズム」と呼ばれる1日24時間のリズムを作っています。同時に12時間周期のリズムの「サブサーカディアンリズム」も作っています。
真夜中の2時～4時には、通常人は深い眠りについていますが、ちょうどその12時間後のリズムが午後2時～4時に眠気を作り出している、というわけです。
眠気を覚ますリズミカルな運動
この時間帯は居眠り運転だけではなく、試験中や仕事中にもケアレスミスが起きやすいというデータもあります。大事な仕事は、この時間帯は避けた方が良いそうです。
例えば「ガムを噛む」という動作をすると、脳の中で「ヒスタミン」という脳内ホルモンが増え、脳全体の活動を活発にしてくれます。
しかし会議中や授業中はガムを噛むわけにはいきません。そんな時は「下半身のリズミカルな運動」がおすすめだそうです。
椅子に座った状態で両足を少し浮かせたまま、足首を曲げてつま先を上げる、足首を伸ばしてつま先を下げる、これをできるだけ速いリズムでくり返します。
このふくらはぎの運動で脳内のヒスタミンが増え、目が覚めるそうです。
例えば「ガムを噛む」という動作をすると、脳の中で「ヒスタミン」という脳内ホルモンが増え、脳全体の活動を活発にしてくれます。
しかし会議中や授業中はガムを噛むわけにはいきません。そんな時は「下半身のリズミカルな運動」がおすすめだそうです。
椅子に座った状態で両足を少し浮かせたまま、足首を曲げてつま先を上げる、足首を伸ばしてつま先を下げる、これをできるだけ速いリズムでくり返します。
このふくらはぎの運動で脳内のヒスタミンが増え、目が覚めるそうです。
「マイクロスリープ」を防ぐために
車を運転している時に「絶対やってはいけないこと」があります。それは「気合を入れて、精神力で目を覚まして、運転を続ける」こと。
アメリカのニューヨーク大学の研究で、居眠り運転の事故を起こしたドライバーを分析したところ、事故を起こした瞬間にね「マイクロスリープ」という特別な状態になっていることが多いというデータが出たそうです。
「マイクロスリープ」とは、一瞬ガクッとなる状態。誰もが経験がある現象です。
寝ているのは一瞬ですが、車を運転してる場合はその間に対向車線にはみ出して正面衝突する、歩道に乗り上げて歩行者をはねるという事故が起きています。
これを防ぐには「眠いと感じたら15分車止めて昼寝をすること」。こうすると、睡眠不足でなければ、その後マイクロスリープはほぼ起きないそうです。
15分だけでもかなり効果が高いため、眠気を感じたら無理に運転を続けずに必ず休むようにするべきというお話でした。
（minto）
アメリカのニューヨーク大学の研究で、居眠り運転の事故を起こしたドライバーを分析したところ、事故を起こした瞬間にね「マイクロスリープ」という特別な状態になっていることが多いというデータが出たそうです。
「マイクロスリープ」とは、一瞬ガクッとなる状態。誰もが経験がある現象です。
寝ているのは一瞬ですが、車を運転してる場合はその間に対向車線にはみ出して正面衝突する、歩道に乗り上げて歩行者をはねるという事故が起きています。
これを防ぐには「眠いと感じたら15分車止めて昼寝をすること」。こうすると、睡眠不足でなければ、その後マイクロスリープはほぼ起きないそうです。
15分だけでもかなり効果が高いため、眠気を感じたら無理に運転を続けずに必ず休むようにするべきというお話でした。
（minto）
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