北野誠のズバリ

定期預金の利子が高い!金融セット商品に要注意

物価高や税金増などに対抗するため、なんとかお金を増やしたいとなると、株や投資をしてみようと考えるものの、よくわからないので手が出しにくいものです。

『北野誠のズバリ』の1コーナー「ズバリマネー相談室」では、毎週お金にまつわる疑問・質問に対し、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャルプランナーさんが回答しています。

7月24日の放送では投資信託商品について、伊藤勝啓さんが解説しました。

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定期預金の金利が年3%

今回、番組で取り上げたおたよりは次のとおりです。

「この前用事があって、久しぶりに銀行へ行ったのですが、少し気になるものを目にしました。
投資信託とセットで申し込むと、定期預金の金利が最初の3か月間、年率3%になるというものでした。

今の定期預金の金利はほとんどつかないイメージがあったのですが、思いのほか良い金利だったので、気になっています。
ただ、『投資信託とセットで』というところが少し引っかかるので、注意点などがあれば教えてください」(Aさん)

一般的な定期預金の利率は現在、税引き前で年率0.001%、キャンペーンなどの条件を満たすと0.1~0.3%ほどになるものがあります。

ただし0.1%ということは、100万円預けても千円にしかなりません。
それが、元金が減らない定期預金で年率3%となると、かなり魅力的です。

「最初の3か月」がポイント

伊藤さんがまず最初に注意してほしいと指摘したのが、「最初の3か月が3%」という点。

100万円預けて1年後に3万円増えるというわけではなく、3か月後に7,500円増えた後は普通の金利に戻り、あまり金利はつきませんので、実質年率は0.75%ほどということになります。

そして、Aさんが気になっている「投資信託」には注意が必要です。
定期預金については元本保証のため、お金が減ることはありませんが、投資信託には元本保証はなく、商品によって差はあるものの、いくつかの諸経費がかかる仕組みになっています。

諸経費の内訳ですが、主に購入時にかかる買付手数料、運用中にかかる信託報酬、売却時にかかる信託財産留保額、解約時にかかる解約手数料となっています。

伊藤さんによれば、最近では購入時や売却時に費用がかからない商品も増えてきているそうですが、商品によって、あるいは同じ商品でも銀行や証券会社など、どこを窓口にするかによっても費用の差はあるそうです。

投資信託にかかる費用は?

ここで北野が「3%の金利をもらったとて、諸経費が(上回る)ってことにはならないですか?」と質問。

伊藤さん「例えばある金融機関の信託商品の場合、投資信託側の買付手数料が税込で3.3%、信託報酬が税込1.65%。

先程の定期預金と同じく、100万円を1年間預けた前提で単純計算しますと、商品を購入した時点でまず33,000円が差し引かれまして、信託報酬が1年間で16,500円かかり、1年間で合計49,500円の費用がかかることになりますね。

なお、信託報酬は日々計算されて運用状況によって変動しますので、運用実績が良ければ増えますし、悪ければ減ることになりますが、今回は単純計算のためにあくまでも100万円を基準として計算しています。

投資信託単体で見ると、100万円に対して49,500円以上の利益、先程の定期預金分のおよそ7,500円を考慮しても、42,000円以上の利益が投資信託の運用で出ないと、全体としてはマイナスになってしまうんですね」

年3%に釣られて買ってしまうと、損をしてしまう可能性があるということです。
投資信託を買うなら、仕組みをよく知った上で、自己責任であることを肝によく銘じておく必要がありそうです。

また、北野は「銀行にお金を預けるなら、株価は変動するものの、銀行株を長期で持って配当利回りをもらった方がまだいい」と語りました。
(岡本)
 
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2023年07月24日14時12分~抜粋

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