北野誠のズバリ

選挙ウォッチャー大川豊が語る、統一地方選挙で感じた異変

4月23日、4年に1度行われる統一地方選挙の後半戦が終わり、地方自治体の知事や市区町村長と議会の議員が決まりました。

9日の前半戦では、道府県議会議員や政令指定都市の市長と市議会議員の選挙が行われました。

市議会議員選挙は私たちにとって身近な選挙ではあるものの、立候補者が多くてよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

4月29日放送『北野誠のズバリサタデー』では、長年あらゆる選挙を見続けてきた選挙マニア、大川興業の大川豊総裁が、今回の選挙で感じた異変について解説しました。

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投票所で感じた変化

国会議員を決める国政選挙と比べると、統一地方選挙は投票率が低めで関心が薄れがちですが、大川は「微妙な流れを見ると大変面白い」と語りました。

統一地方選は組織票が圧倒的に強いのが特徴です。
多くの人が「誰に投票していいのかわからない」という考えから票が分散するために、確実に票を入れてくれる組織があると有利になるためです。

特に議会議員選挙は当選者数が多いために立候補者が多く、看板に何十枚とポスターが貼ってあります。例えば東京都の杉並区は69名も出ていました。

ただ、今回の選挙について大川は投票所で様子を見ていたところ、今までとは異なる様子がうかがえたそうです。

投票の参考にするのが選挙公報ですが、今までは選挙公報を手にした人が投票所の中では見られないため外で見る人が多かったそう。
しかし、今回はスマホを片手に無所属のような人の政策を見ているケースがちらほらあったそうです。

つまり、統一地方選挙になると、政治や政策そのものに関心が高い人が投票に行く傾向が見られるそうで、大川は「グルメサイトを見て飲食店に行くような感覚」と語りました。

泡沫候補の票が伸びている

この傾向は以前から少しずつ見られたそうで、大川が「インディーズ候補」と呼ぶ泡沫候補に票が入るようになってきたのだとか。

以前は1,000票や2,000票程度しか入らなかった候補が何万票も入るようになってきたそうで、単に興味本位で入れているわけではないそうです。

例えばある候補が県知事選で訴えたのがベーシックインカムで、若い世代が「当選できないかもしれないけど、我々の気持ちを代弁してくれるんだったら投票しよう」と思ったのでは、と大川は分析。

選挙結果から見ると得票数がかなり少なく、SNSでは「なぜ結果がわかっているのに選挙に出たのか」などと批判されがちです。
これも細かく分析すると、投票行動の流れが変わってきているのかもしれません。

国政選挙にも変化が?

投票行動の変化について、大川はこの前に実施された国政の補欠選挙にも表れていると語ります。

大川「和歌山(1区)でも岸田首相の襲撃事件があったら、同情票が入りますよ。
ところが逆の現象が起こって、候補者を見るようになったんですよ。

自民党の候補者は、すぐ業界団体に行って『エイエイオー、がんばろう!』ってやってました。
これだと、(業界団体以外の選挙民は)僕たちの声を代弁してくれるとかまったく思わないじゃないですか。
また、企業の代表が参加しても、社員はもう投票しない時代になってるんですよ。

それよりもSNSを見て有権者と握手して『奥さんやお母さん、シングルマザーから保育園の問題があると聞き、私はこうしたいと思います』と発信してる内容をちゃんと読んでる傾向がある」

北野も介護をしている人が議員選挙に立候補しているというポスターを見たとか。
実際にどのようなことを訴えているのか、政治に本気で取り組もうとしているのかというのを見るようになった人が増えているようです。

また、同じく選挙の取材を多く行っているライターの畠山理仁さんとも今回の選挙について語ったところ、日本維新の会は演説会の際にボランティア活動がかなり活発だったそうで、新しい支持者の獲得に力を入れているように感じたそうです。

有権者の側も立候補者の側も今後、政治に関する意識がどんどん変わっていくのかもしれません。
(岡本)
 
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2023年04月29日10時50分~抜粋

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