北野誠のズバリ

バスが突然の交通規制で運行中止!運賃は払わなくてもいい?

通勤・通学で困るのが、電車やバスがやむなく止まってしまうこと。

多くは鉄道会社やバス会社が悪いわけではないケースであるものの、会社や学校に遅れる場合の責任はどこにあるのかと考えたことはないでしょうか。

『北野誠のズバリ』の「ズバリ法律相談室」コーナーでは、オリンピア法律事務所の原武之弁護士がリスナーから届いた法律に関する疑問や質問、お悩みなどに回答しています。

3月29日の放送では、バスでやむなく途中下車となった場合、法律上運賃は返ってくるものなのかという疑問を取り上げました。

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バスが時間通りに着かなかった

今回、紹介するおたよりは次のとおりです。

「先日バスに乗車中、交通事故のために路線規制があり、通行止めに巻き込まれてしまいました。

迂回をするにも目的地に到着するまでに時間がかかるため、途中下車した人もいれば、そのままバスに残った人もいました。

結局バスは20分遅れで運行を再開しましたが、当然ながら私は到着が遅れましたし、目的地まで行けなかった人もいます。
これは契約不履行になりませんか?」(Aさん)

厳密に考えれば、「〇〇駅まで何時に運ぶ」というサービスを実現できなかったということは、払い戻しにすべきと言えなくもないのですが、一方でバス料金が払い戻しされたという例はあまり耳にしません。
電車やバスの料金は払い戻さなくていいという、根拠があるのでしょうか?

払い戻しはすべき?

まずは、運行中止や到着の遅れに対して、乗車料金を払い戻すべきか、払い戻さなくてもいいのか、法律的な根拠について原弁護士に尋ねました。

原「法律的にはバスに乗って目的地まで届けるというのは契約ですから、届かなかった、行けなかったということは契約違反なんですけど。

ただ、バスは(道路事情など)いろいろとありますので、運送約款というものがあって、基本的な交通渋滞とかで行けなかった場合には、例えば返金するとかだけで、損害賠償までは考えていないということですね」

新幹線だと予定より2時間以上遅れた場合は、原則全額返金となりますが、バスは道路事情によって時間が読みづらいことと金額が少額のため、実際にあまり返金は行われていないようです。

バスは遅れても良い?

冒頭のAさんのケースでは、バス会社は悪くなく不可抗力でしたが、それでは乗っていたバスのタイヤがパンクして運行できないとなった場合は、どのような扱いとなるのでしょうか?

原「そうなると債務不履行責任というのが、バス会社にあると思うんですね。
整備不良というのはバス会社がちゃんとやれば良かったですし、運転手さんが急病だとちょっと難しいかもしれないですけど、免許証を忘れたとかだと、ある程度のお詫びというのはせざるを得ないんじゃないかなと」

バス会社に責任がある場合は賠償という話になるようですが、原弁護士によれば、その賠償には限度が設けられているとのことです。

逆にバス会社に責任がないような事象、道路事情や交通規制などとなると、特に払い戻しなどはないようです。

原「債務不履行の捉え方は世間がどう見るかで、バスが遅れるというのはままあることじゃないですか。
日本の電車は定時が基本ですが、海外はそうでもないので、みなさんがどこまで許容するのが世間一般の常識かというのが、メルクマール(判断基準)になると思うんですよね」

特にバスについては、時間どおりに運行することも大事ですが、それよりも安全に運行することが優先されているようです。
(岡本)
 
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2023年03月29日14時13分~抜粋

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