北野誠のズバリ

田舎暮らしはうまくいかない?都会からの移住で陥りがちな失敗

2023年02月28日(火)

ニュース

福井県池田町が移住者向けに作成した『池田暮らしの七か条』を巡って、賛否両論の意見が出ています。

今年の1月に池田町が広報に上げたもので、「これまでの都市暮らしと違うからといって都会風を吹かさないよう心掛けてください」や「多くの人々の注目と品定めがなされていることを自覚してください」などと記されています。

七か条の提示にはどのような背景があるのでしょうか?

2月25日放送『北野誠のズバリサタデー』では、3年前に三重県の山村に移住した経験を持つ、時事総合研究所客員研究員でジャーナリストの池滝和秀さんに、田舎へ移住することの良い点と気をつけるべき点について話を伺いました。

「都会風を吹かす」って何?

まず話題の『池田暮らしの七か条』について、池滝さんは率直にどのように感じられたのでしょうか?

池滝さん「都会に住んでいた時なら、たぶん『ずいぶんキツいことを書くな』と思うんですけど。実際こちら側に住んでいて直接聞くことはないですけど、移住者を受け入れる側としては率直な意見なんだろうなというのは、身に染みて感じています」

例えば、七か条にある「都会風」とはどのような風なのでしょうか。

池滝さん「おそらく、都会というのは個人を非常に重要視されますよね。
個人の主張とか仕事の効率、時間の使い方なんかが優先されると思うんですけど、こちらでは何事においても人間の信頼関係、非常に時間をかけて物事を決めていく。
時間の流れが違うというのは感じますね」

個人的なことに介入されるのを嫌がる態度が都会風なのかもしれませんが、田舎では介入が必要なことが多々起きています。

池滝さん「行政がすべてやってくれるわけではないので、草刈りや獣害対策とか自分たちで物事を進めていく、協力し合ってやらなきゃいけない事柄が多い」

移住者がチェックされるのはなぜ?

では、「移住者が品定めをされる」のは、なぜ起きるのでしょうか?

池滝さん「やはり都会から来る人たちの中にはドロップアウトというか、都会で居心地が悪くなったので山の方に行くという人もいるので、変わった人が時々いることもあるとは思うんですけど。

基本的に共同体ですので、極端な話、何世代も前からお互い知り合っている人が住んでいる世界ですので、そこにお邪魔させていただくということで、どういう人が来るのかなという形で常に見られてるというのは感じますね」

池滝さん自身が移住した時にも、少し目立った行動をすると、知り合いから知り合いへとどんどん伝わり、後から「こう言われているから気をつけなさいよ」と忠告されたそうです。

田舎暮らしの良さ

自治会の活動も強制ではないですが、実際には加入しないと集落に溶け込めず、数ヶ月に1回半日がかりの草刈りや寄合への参加、消防団への参加などもあり、自分たちの住むところは自分たちできちんと管理していかなければならないという取り決めがあるようです。

ここまでの話を聞くと、田舎へ移住するのは窮屈、つらそうと思われたかもしれませんが、それを上回る良さがあると池滝さんは語ります。

池滝さん「自分が管理できる土地の広さが圧倒的なので、例えば200~300坪ぐらいの菜園をやってるんですけど、そこに自給自足するための果物や野菜を植えたり、ニワトリを飼ったり。
DIYで小屋を建てたり、ピザ窯を作ったり、そういうことはなかなか都会では絶対できないですね」

池滝さんは時間をかけて集落の方とコミュニケーションを取りながら、徐々に信頼を得ていったそうです。

また、暮らしの中では明文化されていない集落のルールがあるため、それも信頼を得て聞いて知ることで、集落に溶け込む努力は必要です。

田舎暮らしをするなら、まさに「郷に入っては郷に従え」で、受け入れ側に配慮した上で移住しなければならないようです。
(岡本)
 
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2023年02月25日09時45分~抜粋
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