北野誠のズバリ

ワールドカップ前に知りたかった!PKに必勝法?

CBCラジオ『北野誠のズバリ』の隔週水曜に放送されているのが、サンキュータツオのコラムコーナー。
自らも大学で教鞭をとる芸人のサンキュータツオが、毎回、面白い研究や論文などを紹介しています。

2月8日の放送で紹介した研究は、数学で編み出すPKの必勝法。
もっと早くにわかっていれば、日本もFIFAワールドカップでベスト8に進出できたかもしれません。

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中学生が数学で編み出した!

毎年、一般財団法人理数教育研究所が算数・数学の自由研究コンクールを開催していて、こどもが日ごろ疑問に思っていることを算数や数学を使って解決していこうというものです。

毎年8~9月に募集し、年明けに表彰されています。

今年、中学校の部で最優秀賞を獲得した研究が、「ゴールの公式 -PK編-」。

福井大学教育学部附属義務教育学校の高村樹輝さんが発表したのですが、小学校の時にサッカーの試合でPK戦に負けたのが悔しかったというのが、研究のきっかけだそうです。

PKは一見運のように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、特にプロの試合だと精神論や経験値、キックする選手やゴールキーパーが左右どちらに動くかという過去の実績データなどがものを言います。

高村さんはこれらの要素ではなく、キーパーがどれぐらいの範囲で動けるかということに着目。

計算してキーパーの動ける範囲がわかれば、動けない範囲の場所を狙えば良いということになります。

ボールが取れない場所は?

サッカーゴールの大きさは高さ2.44mで幅7.32m、PK戦では蹴る場所の距離が11mと決まっています。

そこで高村さんはボールを蹴る速さと角度、飛んだ高さからボールが到達するまでの時間を算出。

そこからキーパーがどれぐらい動けるのかというのを計算しました。
キーパーの体格や腕の長さによって範囲は変わりますが、こちらも変数として考慮済み。

さらにキーパー側が手を上に出すか下に出すかによっても変わりますので、胸の位置から上の場合と下の場合にも分けて考えています。
これによって、ボールの飛距離を三平方の定理を使って計算できるということを見つけたそうです。

ボールとキーパーの距離は11m、ボールを蹴る速さはaとすると、ボールの飛距離は11mの2乗とキーパーの移動距離の2乗で計算できるため、そこ以外の場所を正確に蹴ればボールは入ると思いついたそうです。

実際に蹴ってみて確認

この研究は計算だけでは終わりません。
実際に友人にボールを5回蹴ってもらい、計測して平均値を出したそうです。

その結果をもとに高村さんは公式を編み出したのですが、ここでは割愛します。

ただ、今話題の三苫薫選手も筑波大学在学中に自分の頭にカメラをつけて、どこにボールを蹴ればドリブルを抜くことができるのかというのを研究論文で書いていて、イギリスでも話題になっており、同じく高村さんも学問をスポーツに応用できないかと考えていたわけです。

タツオは「理論と実践の両輪が、研究のあるべき姿だ」と語りました。

このコンクールでは他にも少子化問題に切り込んだ研究や、1年に2日だけ夕方の太陽の位置で信号がまったく見えなくなるということを見つけたりと、目を見張る研究が続々。

理数教育研究所ではこれまでの研究内容が公開されていますので、タツオはあらためておすすめしました。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2023年02月08日14時42分~抜粋

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