1月20日放送のＣＢＣラジオ『北野誠のズバリ』では、57歳の男性からの相談を取り上げました。
「もともと膝が痛い方だったんですが、ついに膝がぷよぷよとしちゃいました。これが膝に水が溜まるということかと気付きましたが、どうしてこんなところに水が溜まるのでしょうか。この水の正体って何でしょうか」（Aさん）
「膝に水が溜まる」とはよく聞きますが、医学的にはどのような状態なのでしょう。
心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生に伺いました。聞き手は北野誠です。
水の正体
膝に溜まる水、この正体が気になるところです。
吉田「膝関節の軟骨のまわりは関節液という液体があります。これはヒアルロン酸というヌルっとした成分が含まれていて、これで軟骨が滑るから、我々は膝関節をスムーズに曲げ伸ばしすることができます。
ところが膝関節で炎症が生じると関節液が増えすぎて溜まってしまう。これが膝に水が溜まるという現象です」
吉田「膝関節の軟骨のまわりは関節液という液体があります。これはヒアルロン酸というヌルっとした成分が含まれていて、これで軟骨が滑るから、我々は膝関節をスムーズに曲げ伸ばしすることができます。
ところが膝関節で炎症が生じると関節液が増えすぎて溜まってしまう。これが膝に水が溜まるという現象です」
水の役割
なぜこの関節液が急に増えたり減ったりするのでしょうか？
吉田「関節液の役割は軟骨を滑らすことと、もうひとつあります。
細菌に感染したら炎症が起きる。その時、白血球を活性化して病原菌をやっつけることです。実際、関節液は普段から白血球が多いですけど、炎症が起きたら関節液の量を増やして治そうとするわけです。
つまり膝に水が溜まること自体が悪いことでないのです。膝関節に病気や故障という具体的な原因があって、膝に水が溜まることは、それによって起きる結果に過ぎないわけです」
吉田「関節液の役割は軟骨を滑らすことと、もうひとつあります。
細菌に感染したら炎症が起きる。その時、白血球を活性化して病原菌をやっつけることです。実際、関節液は普段から白血球が多いですけど、炎症が起きたら関節液の量を増やして治そうとするわけです。
つまり膝に水が溜まること自体が悪いことでないのです。膝関節に病気や故障という具体的な原因があって、膝に水が溜まることは、それによって起きる結果に過ぎないわけです」
水が溜まる理由
水が溜まる根本的な原因は何でしょうか？
吉田「やはり中高年に多いのは、軟骨がすり減って変形性膝関節症になることです。スポーツなどで膝関節を痛めるとか、関節リュウマチ、痛風、細菌が侵入して感染する場合もあります。
人間は二足歩行になったので膝関節に全体重が集中しますから、故障しやすい急所になっているわけです」
吉田「やはり中高年に多いのは、軟骨がすり減って変形性膝関節症になることです。スポーツなどで膝関節を痛めるとか、関節リュウマチ、痛風、細菌が侵入して感染する場合もあります。
人間は二足歩行になったので膝関節に全体重が集中しますから、故障しやすい急所になっているわけです」
溜まったら抜くのがベター
気になるのは、水は溜まったままでいいのかということですが、吉田先生は「「ある程度以上水が溜まっていた場合は水を抜いた方がいい」と話します。
吉田「なぜか。膝に水が溜まっている場合は、関節液にはサイトカインという炎症を悪化させる物質がいっぱい含まれています。
医療がなかった時代は、細菌は自力でやっつける必要がありましたから、サイトカインは役に立っていましたが、現在は感染していたら、抗生物質で治せばいい」
現在は変形性膝関節症や膝リウマチなど、細菌が原因ではない理由も多いそうです。
吉田「だから、膝に水が溜まりすぎた場合、サイトカインと一緒に抜いて除去した方が早く治るし、抜いた関節液を調べると、関節の中で何が起こっているのか、正確に診断できます」
吉田「なぜか。膝に水が溜まっている場合は、関節液にはサイトカインという炎症を悪化させる物質がいっぱい含まれています。
医療がなかった時代は、細菌は自力でやっつける必要がありましたから、サイトカインは役に立っていましたが、現在は感染していたら、抗生物質で治せばいい」
現在は変形性膝関節症や膝リウマチなど、細菌が原因ではない理由も多いそうです。
吉田「だから、膝に水が溜まりすぎた場合、サイトカインと一緒に抜いて除去した方が早く治るし、抜いた関節液を調べると、関節の中で何が起こっているのか、正確に診断できます」
「水を抜いたらクセになる」は間違い
年輩の方には「一度水を抜いたらクセになる」という理由で我慢してしまう人がいるそうです。
吉田「あれはウソです。関節液を抜いても膝関節が根本的に治るまでは、人体はサイトカインで膝関節を治そうと思って、関節液を作り続けるので、しばらくたったらまた関節液が溜まってきて、また抜かなければならないというのはよくあることです」
これが「水を抜いたらまた溜まる」という誤解を招いているようです。
吉田「でも関節液を抜かなければ、サイトカインで余計治りにくいし、溜まりすぎると膝の曲げ伸ばしが困難になるので、それが刺激になって膝関節の負担が大きくなり、より治りにくくなるわけです」
吉田「あれはウソです。関節液を抜いても膝関節が根本的に治るまでは、人体はサイトカインで膝関節を治そうと思って、関節液を作り続けるので、しばらくたったらまた関節液が溜まってきて、また抜かなければならないというのはよくあることです」
これが「水を抜いたらまた溜まる」という誤解を招いているようです。
吉田「でも関節液を抜かなければ、サイトカインで余計治りにくいし、溜まりすぎると膝の曲げ伸ばしが困難になるので、それが刺激になって膝関節の負担が大きくなり、より治りにくくなるわけです」
皿のマッサージ
膝関節のケアについて尋ねました。
吉田「適度に歩いて血液循環をよくする。冷えるのを防ぐとか、体重を減らして膝関節への負担を減らすことです。
それに加えて、膝のお皿のマッサージが効果的だと思います。お皿は関節全体の動きをスムーズにする役割もしてます。お皿が柔軟性を失うと膝関節の老化が進んでしまうので、マッサージをしていただきたいです」
その具体的な方法を教える吉田先生。
吉田「座っていると膝が90度になりますが、それを脚を前にして膝関節を120度以上にします。その状態で親指と人差し指でお皿をはさんで、右左、上下に動かします。
注意点としては皿の手前の皮膚だけ動かしても意味がないです。動かすペースも大事です。ゆっくり1秒間隔くらいがいいです。いろいろな方向に動かしてください。
しばらくしていると、くすぐったいような不思議な感覚になります。これはお皿の周囲がほぐれて今まで血液が流れにくかったところに流れていく感覚があると思います」
これを1回1分、1週間に2度程度行うのがおすすめだそうです。
歳をとると膝が痛くなったり、水が溜まったりと故障することが多いです。
日頃から膝関節のケアをお忘れなく。
（みず）
吉田「適度に歩いて血液循環をよくする。冷えるのを防ぐとか、体重を減らして膝関節への負担を減らすことです。
それに加えて、膝のお皿のマッサージが効果的だと思います。お皿は関節全体の動きをスムーズにする役割もしてます。お皿が柔軟性を失うと膝関節の老化が進んでしまうので、マッサージをしていただきたいです」
その具体的な方法を教える吉田先生。
吉田「座っていると膝が90度になりますが、それを脚を前にして膝関節を120度以上にします。その状態で親指と人差し指でお皿をはさんで、右左、上下に動かします。
注意点としては皿の手前の皮膚だけ動かしても意味がないです。動かすペースも大事です。ゆっくり1秒間隔くらいがいいです。いろいろな方向に動かしてください。
しばらくしていると、くすぐったいような不思議な感覚になります。これはお皿の周囲がほぐれて今まで血液が流れにくかったところに流れていく感覚があると思います」
これを1回1分、1週間に2度程度行うのがおすすめだそうです。
歳をとると膝が痛くなったり、水が溜まったりと故障することが多いです。
日頃から膝関節のケアをお忘れなく。
（みず）
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