CBCラジオ『北野誠のズバリ』火曜日に放送されているコーナーが、「聞きたい知りたいもらい隊」。
お取り寄せしたくなるような全国各地のグルメや絶品スイーツなどを毎週、紹介しています。
1月10日の放送では、「福島にはドーナツのようなおもち『シミテン』があるらしい」という情報を聞きつけ、番組が調査。
「おもちのような食感のドーナツは聞いたことがありますが、その逆?」「シミテンって何?」と、謎は広がるばかりです。
北国の知恵「凍み餅」を元にしたお菓子
シミテンは「凍天」と書き、福島のソウルフードだそうですが、いったいどのような食べ物なのでしょうか。
福島県福島市にある和菓子屋さん、凍天処木乃幡のリーダー、渡邊美紀さんに電話でお話を伺いました。
凍天の名前は福島の郷土食「凍み餅(しみもち)」から来ていますが、凍み餅は凍み豆腐のお餅バージョンのようなもの。
1度凍らせて乾燥させるという作り方で日持ちのするお餅、寒い地域で軒下に吊るして作ります。
その凍み餅はよもぎのお餅で、ほんのり甘いドーナツ生地に包んで揚げた和風のお菓子です。
外はカリッとして中のドーナツ生地はふっくらしていて、さらに中はお餅のもっちりとした食感と、3つの食感が味わえるのが特徴です。
和菓子ではありますが、お茶にもコーヒーにもどちらにも合うお菓子です。
復活を望む声が多く
ここでスタジオに温かい凍天が運ばれてきましたが、思ったよりも大きな印象。
穴の空いていないドーナツというとサーターアンダギーを思い出しますが、それよりもかなり大きく、小さな肉まんぐらいの大きさです。
すぐに実食となりましたが、全員「もちもちしていておいしい」と高評価。
この凍天、冒頭に福島のソウルフードというお話がありましたが、凍天処木乃幡さんがオープンしたのが2021年4月。
まだ2年も経っていませんが、実は凍天はかつて消滅の危機にあり、それを復活させたのが凍天処木乃幡さんだったのです。
渡邊さん「もともとはお餅の製造販売をしていた、有限会社木乃幡さんという方が先に作られた商品なんですね。
お客様から『お餅を天ぷらにするとおいしいんだよ』という言葉がヒントになり、開発できたと聞き及んでおりまして、福島名物として人気の商品だったんです。
しかし東日本大震災の影響で、多くのファンの前から1回姿を消してしまったんですよ。
その後も凍天復活を望む声や思い出の味を惜しむ声が絶えず、このまま途絶えさせてはいけないという思いから、凍天を復活させることになったんですね」
お値打ちな価格
復活のためにさまざまな苦労を経て、お餅が好きな年齢が上の方も、ドーナツが好きなお子さまにも幅広く人気のある食べ物として、福島で再び食べられるように。
あらためて北野も「これはめちゃめちゃ受けます!」と太鼓判を押しました。
なお、お値段は1個220円で、北野は「安ない?もうちょっと取っても良さげな。300円ぐらい取っても、さほど疑問に感じへん」と言うほど、手間ひまもかかり、ボリュームも満足な和菓子です。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2023年01月10日14時12分~抜粋