北野誠のズバリ

『炎上回避マニュアル』の著者に聞く。謝罪の際に言ってはいけないフレーズとは

CBCラジオ『北野誠のズバリサタデー』、話題の本の著者にインタビューする「ズバリこの人に聞きたい」のコーナー。

12月17日の放送では、『炎上回避マニュアル』(徳間書店)の著者で働き方改革総合研究所の代表取締役、ブラック企業アナリストの新田 龍(りょう)さんに話を伺いました。

新田さんは著書で、企業と人が炎上した問題発言の数々をSNS、広告、宣伝、発言、サービスからピックアップし、「なぜ炎上したのか」「なにがいけなかったのか」を徹底的に分析。炎上しないためにできる予防策、火消し方法までわかりやすく解説しています。

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2段階で炎上する理由

新田さんによると炎上の原因は大きく2段階。

最初の原因は、企業の不祥事やスキャンダル、有名人の失言、一般人の非常識な振る舞いや違法な行為など。
ここで謝罪をしていればことが大きくならない場合も多いのですが、問題は開き直ってしまった場合。

そして自分たちに原因があるのに、批判を「誹謗中傷を受けている」と被害者ぶってしまった場合。

また、社員や秘書が「勝手にやったこと」と責任を転嫁した場合も、さらなる炎上を引き起こすことが多くあるといいます。

「何も言わない」はどう?

「どうなんですか?何も言わない。通り過ぎるのを待つ。CBCのお得意体質なんですが、これはくすぶるんですかね?やっぱり」と尋ねる北野に、「特に最近はSNSなどネットのサイトで、あることないこと書かれてしまうリスクがある」と新田さん。

それを見た人の中で「この会社は怪しいんじゃないか」「“隠ぺい体質”があるのでは」という疑念が拡大して、ついには昔のことまでほじくり返されてしまい、勝手に暴走してしまうこともあるといいます。

お詫びの仕方を間違うと…

北野がこの本を読んで面白かったと思った部分は「お詫びの仕方を間違うと炎上してしまう」ということ。

新田さんによると、謝罪の時に言ってはいけないフレーズが3つあるそうです。

1つ目は「我々のやったことが、もし皆さま方に不快な気持ちを抱かせてしまったら」というもの。

新田さん「炎上してる時点で、すでに不快な思いをしている方がいっぱいいるので。そんなことを言ったら他人事みたいに聞こえてしまう」

北野「『俺は悪くないけど、君らは不快に思ってるからでしょ』って言い方に聞こえますもんね」

ファン離れにつながる言葉

2つ目は、政府の答弁でもよく耳にする「遺憾です」という言葉。

新田さん「もともと言葉の意味では『期待通りにならなくて不満である』という意味なので、謝罪で使う言葉では本来ないんですね」

つまり「自分たちは正しい」と言っているようなもの。やはり炎上の一因となります。

3つ目は「誤解を招いてしまいました」という表現。

新田さん「相手に対して誤解をしていると言っているも同然なので、『あなた方は間違って認識してるんですよ』と非難しているように聞こえてしまう」

こういったことが、結果としてファン離れにつながることもあるといいます。

早めの謝罪とその後の対応

炎上が起きてしまった場合の対処としては、まずは「落ち着いて現状を把握する」こと。

慌てていると余計なことを言ってしまうこともあるので、「いまどういう批判が集まっているのか」「何が怒られているポイントなのか」「事実としてどういうことが起こっているのか」を分析して、「どこをどう謝ったら許してもらえそうか」と準備する必要があるといいます。

大切なのは、まずは「世間を騒がせたことについて」の早めの謝罪と、その後の早い対応。

「この業界ならこれは当たり前なんですけど」などの言い訳をしてしまうと、これも炎上の元になってしまいます。

第三者委員会は有効?

新田さん「外部の弁護士さんに入ってもらって、『これはおかしいんだよ』と言ってもらって、文書にして出してもらうと、批判している方からも納得してもらえることにつながります」

北野「『第三者委員会を置きます』と言ったら、いっぺん追及の手は止まりますよね」

新田さん「会社がちゃんと向き合おうとしているんだ、という姿勢を示すことにつながりますので。これは非常におすすめしたいやり方です」

この場合の期間は3~6か月。自分たちの会社に都合が悪い情報であってもすべての事実をオープンにして「この機会に見直そうと思ってますので」と説明した方がよいとのことです。

あとからバラされるリスク

新田さん「最近はネットが発達してますので、誰かどこかで情報を知っている人がいて『会社はこう言ってるけど実はこうなんだよ』とバラされたりすることがあとから起こったりすることがよくあるんですよね」

こうなるとさらに信頼が下がってしまうため、最初から全部を話してしまって怒られる方がいいという話です。

北野「そうできないのは、会社の上の人たちが自分らが責任を取ってやめないと、ということから始まるんですかね」

新田さん「保身というか。自分たちの責任を追及されるのが嫌だというのもありますし。短期的な見方でいうと、『不祥事を起こした会社』と見られて自分たちのブランド価値が下がってしまうのを嫌がるところもあります」

「ちょっとしたルール違反」に注意

炎上の予防方法として必要なのは「組織の中でのルール作り」。

コンプライアンスを文書にしてまとめて、経営者からアルバイトまで「こういうのは許しません」「処分が下ります」としっかりと研修などで伝えることが大事だといいます。

よくあるのは「ちょっとしたルール違反」を見逃してしまう、ということ。

「これぐらいいいだろう」と考える方が増えてしまうリスクもあるので、ちょっとした不祥事が起こらない仕組みを改善していくことが必要とのことです。

この本を読んで、「本当に世の中っていっぱい炎上してんねんな」と驚いたという北野。

北野「人生が終わってたり大激変したりする話もいっぱいあるんやなと思いました」

炎上しやすいこのご時世においては、「いかに炎上を回避するか」を考えることが重要です。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2022年12月17日09時29分~抜粋

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