北野誠のズバリ

親が認知症になり資産が凍結!「成年後見制度」で解除できる?

身近な疑問・質問・お悩みを解決する『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)のコーナー「ズバリ法律相談室」。

11月30日の放送では、「80歳の認知症の父親の銀行口座が凍結されてしまった」とお悩みのAさん(50歳)から相談が寄せられました。

「友人から『成年後見制度』を使えば解除できるはずと言われました。一体どういう制度なのでしょうか?」と尋ねるAさんに、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が答えます。

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通院費用をおろそうとしたら…

父親の通院費用をおろそうとしたところ、出金することができなくなっていて、口座が凍結されていることに気付いたというAさん。

原弁護士によると、銀行の窓口で様子がおかしかったり、訳のわからないことを話したりした場合、家族に確認をして事実上の「凍結」を行うことはよくあることなんだそう。

この話に、「そうなんや…親にうかつに銀行に行かしたらいかんな」と、自分の母を思い不安になる北野誠。

中にはこどもが勝手にお金を引き出してしまって混乱したり、認知能力が落ちているため自分で引き出したことを忘れてしまったりする方もいるといいます。

「成年後見制度」とは?

「成年後見制度」とは、家庭裁判所の許可を得て「成年後見人」を選任して、認知症の方の代わりに出金したり、大きなものの売却をできるようにする制度のことです。

北野「後見人って身内で選ばれるんですか?」

原弁護士「基本的には身内の方が一番良く知っているので。息子さんとか娘さんとか、夫婦とか。ご親族が多いです」

高額な財産を持っている方には、弁護士や司法書士を「後見監督人」として裁判所で選任して、監督してもらう制度もあります。

北野「見ず知らずの人が後見人になるって不安だと思うんですが、資産の乱用はないんですか?」

原弁護士「裁判所もチェックはしていますし、後見監督人制度で監督はしているんですが、事件はいろいろあるものですから。そういう不安があるので今後もう少し改革していこう、という動きはありますね」

元気なうちに「任意後見契約」を

こうなってしまう前に、なんとか対策を練ることはできないのでしょうか?

それは元気なうちに、誰を後見人に指名するか、その人にどこまで任せるかという「任意後見契約」を結んで用意しておくことです。

北野「元気なうちやないと、あかんのですね。話し合っておかないと」

原弁護士「元気なうちに、何をどうしたい、自分の資産をこう動かしたい、ということを誰かに言っておいてもらわないと。望みがわからないと、みんな困っちゃうので。任意後見契約は、事前にそういう話をして決めておきましょうっていうことなので、いい制度だと思うんですよね」

結果として認知症にならず元気に過ごした場合など、実行されないこともあるので「とりあえず決めておくことが大切」と原弁護士。

事前の準備が大切

北野「元気なうちに決めておくのが大事なんでしょうね」

原弁護士「元気なうちならいくらでも話せるし、伝えることもできるので。5年後に見直すとかでもいいわけですから。そういう事前の準備を大切にしてもらうと、残された人たちは助かると思いますね」

たとえばアパート経営をしている方が認知症になってしまうと、印鑑ひとつ押せないため、修理もなかなかできない状態になってしまいます。

北野「そういう意味では元気なうちにやっておくべきですね」

後見人を付けておくと、何かが起こった時の対応がしやすくなるという話でした。
(minto)
 
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2022年11月30日14時13分~抜粋

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