北野誠のズバリ

生理用品を個室トイレに無料で設置!「OiTr(オイテル)」の仕組みとは?

生理用品の無料配布システム「OiTr(オイテル)」をご存じですか?

これは、個室トイレに生理用品を常備し、無料で提供するシステム。「トイレットペーパー同様に無料で生理用品が常備される世の中にしたい!」という願いから生まれたサービスです。

11月29日放送の『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)、佐藤実絵子の情報コーナー「世界まるみえこ」では、この「OiTr」を取り上げました。

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先進国にも存在する「生理の貧困」

ここのところ「生理の貧困」という言葉が、ニュースで取り上げられることが多くなっています。

これは、女性がさまざまな理由で「生理用品を手にすることができない」状況を示す言葉。元々は途上国の問題とされていましたが、現在では先進国にも存在する問題です。

日本では、コロナ禍でシングルマザーなどの女性の貧困が浮き彫りになり、この「生理の貧困」もクローズアップされました。

例えば東京都では昨年の9月から、都立高校のすべての女子トイレに生理用品を配置する取り組みがスタートしています。

ネグレクトやシングルファザー家庭

ある調査によると、女性の12人に1人がこの問題に直面したことがあるといわれています。

そもそも生理用品を買うお金がないという女性もいますが、少ないお金でやりくりする中で、生理用品をあきらめて化粧品を買ってしまうという若い女性もいます。

さらには「ネグレクト」で、親がこどもに生理用品を与えない場合。

「シングルファザーの家庭」では、父親が娘の生理になかなか気付いてあげられないという現状もあります。

このようにお金だけではなく、さまざまな社会の問題がかかわっています。

新しいビジネスモデル「OiTr」

この問題に取り組んだ新しいビジネスモデルが、「OiTr」です。

生理用品を無料で提供できる理由は、「OiTr」のシステムにあります。個室に人が入ると人感センサーが働き、「OiTr」のモニターに広告が映し出される仕組みです。

企業から入る広告料で、この「OiTr」は成り立っています。

以前は女子トイレの共用部分に、生理用品の自動販売機(有料)が設置されていました。

しかし、人目に付く場所で生理用品を購入するのは恥ずかしいという思いからか、佐藤は実際に購入している人を見かけたことはないといいます。

全国173か所に2,346台設置済み

「OiTr」にはQRコードがあり、その場ですぐにアプリをダウンロードできるようになっています。

アプリを立ち上げ、機械にスマホを近づけると、生理用品が出てくるシステムです。

1枚取り出すと、2時間経過後に再利用が可能に。25日間で最大7枚の生理用品を使うことができます。

いま全国173か所で、2,346台が設置されています。

愛知県では、椙山女学園大学、名古屋学院大学、松坂屋 名古屋店、中部国際空港 セントレアにあります。

「イオンのようなショッピングモールや駅のトイレにも、もっともっと増えてほしいと思う」と佐藤。

トイレットペーパーは無料なのに

オイテル株式会社 社長の小村大一さんは、元々アパレルメーカーの取締役をされていた方。

働く女性が多い中で、女性の生理に関する苦労を見ていたものの、それが“隠されている”事実を感じていた小村さんは、「ジェンダーギャップの解消」をテーマに2016年に起業されました。

「トイレットペーパーはどこのトイレにも常備されているのに、なぜ同じ生理現象である生理のためのナプキンは常備されていないのか?」

「OiTr」は、この着眼点から開発されました。

インタビューによると、今後は小学生・中学生もアクセスできるような環境にすることが目標だそうです。

最新サービス「OiTr」が世の中にさらに広がることを期待します。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2022年11月29日14時47分~抜粋

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