北野誠のズバリ

冬にひざが痛くなる…これは病気なの?

11月25日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』の「中高年よろず相談室」、テーマは「冬になるとひざが痛くなる」です。

北野誠が心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生に伺いました。

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中高年ならこの病気を疑え

朝晩冷え込むようになってきましたが、この時期ひざが痛むという方がいます。

吉田先生「中高年になって膝が慢性的に痛くなってきた場合は、ほとんど変形性膝関節症です。ひざの関節にあるクッションの役割をしている軟骨がすり減って炎症が起きて痛くなります。
さらに悪化すると骨と骨が直接こすれて関節が破壊され変形していくわけです。

ごくごく軽い人まで含めたら50歳以上の男性では54%、女性では75%の人になんらかの症状が出ているという調査もあります」

冬に痛くなる理由

質問者が尋ねたように、冷えると痛みがひどくなるのはなぜでしょうか?

吉田先生「冷えると血液循環が悪くなります。ひざの軟骨に供給される栄養素が不足します。
もうひとつ、ひざの関節は太ももの筋肉に支えられていますが、冷えると筋肉も血液の循環が悪くなってこわばってしまいます。膝関節の負担はさらに増えます」

これについて「温めるのはいいですか?」と尋ねる北野誠。

吉田先生「そうです。温めて血液循環を良くするのは痛みの予防に効果的です」

温めるのはひざとどこ?

しかし、痛むひざだけ温めでもダメだそうです。
もう1か所温めるべき場所があるという吉田先生。

吉田先生「首です。ひざから下の足の部分は血液循環が首と連動しているとわかってきました。

人間にとって一番大事なのは脳です。首から脳に血液が流れているので、首が冷えると脳も冷えるかもしれないと、足の血液循環を犠牲にして上半身の体温を維持するのに集中させるという仕組みがあります。

だから逆に首を温めたら、脳は大丈夫。だったら足の血液循環も良くしようということになります。ひざの痛い人も足の指が冷える人も、その場所だけでなく、マフラーなどで首も温めることが大事です」
 

運動で血液循環を

変形性膝関節症の場合、運動することは問題ないのでしょうか?

吉田先生「運動も大事です。ひざの関節はとても複雑な構造です。ただ温めるだけでは十分血液が行き届かないところがでてきます。

運動すると血管が周囲の筋肉にぎゅっと押されて血液循環がよくなります。あと振動が加わることもあります。

寒いとひざが痛くなるのは、血液循環だけでなくて、外を歩く時間が減って、運動不足になって、ひざの痛みが強くなる側面もあります。
真冬にかけて無理なく運動することを心がけていただきたいです」

無理なく動かす

運動に効果があるなら、どれくらいが理想的でしょうか?

吉田先生「整形外科で検査を受けると、どういう運動をどの程度やればいいか、はっきりわかります。
ぜひ主治医に相談していただきたいですが、大雑把にいうと、痛みが出ない範囲でできるだけひざを動かす。

例えば変形性膝関節症の人は激しい運動はダメ。ゆっくり歩くのが大丈夫な人はゆっくり歩けばいい。ゆっくり歩くのも痛いのであれば、イスに座った状態で膝を曲げたり伸ばしたりするといいです」

予防には縄跳び

変形性膝関節症を予防する方法はあるのでしょうか?

吉田先生「現在ひざはまったく大丈夫という人は、ぜひ縄跳びをやっていただきたいです。飛ぶ時にひざの関節の運動になります。
それに加えて、着地する時に骨に衝撃が加わることによってオステオカルシンという物質が生まれます。
これがしなやかな若い血管を増やす作用があるので、膝関節の老化を抑えてくれます。

オステオカルシンは記憶力を高める作用もあるので、縄跳びは認知症の予防にも役立ちます」

ただし、すでにひざが痛い人は絶対やめてほしいとのことです。

風呂+炭酸

北野「温めるのにお風呂はいいですか?」

吉田先生「いいです。38度~39度くらいのぬるいお湯に浸かった方がひざの血液循環にいいです。
それに加えて炭酸水がいいです。炭酸は血管を拡張させる性質があって、だから入浴剤には炭酸がよく入っています。
節約したい方は、浴槽に重曹を大さじ3杯、クエン酸を大さじ2杯加えると、適度な炭酸水になります。

炭酸水を飲むのもいいです。内側からも炭酸を供給したらダブルで全身がポカポカします」

これからの寒い冬、ひざの痛みが緩和されるよう無理なく努力しましょう。
(みず)
 
北野誠のズバリ
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2022年11月25日14時13分~抜粋

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