北野誠のズバリ

70年ぶりに復活!愛知県三河地方でわずか4年しか作られなかった幻のウイスキー

世界の5大ウイスキーといえば、世界的なウイスキー生産国として知られている、スコットランド・アイルランド・アメリカ・カナダ、そして日本で作られるウイスキー。

その中でも愛知県で製造されるウイスキーとしては「知多」が有名ですが、実は同じ愛知県の碧南市でも、かつてウイスキーの蒸留所がありました。

しかし、1951年(昭和26年)からわずか4年で製造が終了してしまったそうです。

11月14日放送『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)では、このウイスキーがなんと70年ぶりに復活するという話を、パーソナリティの松岡亜矢子がレポートしました。

[この番組の画像一覧を見る]

4年で姿を消した理由

わずか4年しか製造されなかったという幻のウイスキーは「レインボー・ウイスキー」
という銘柄で、作っていたのは愛知酒精工業という会社。

その後、みりんを製造していた相生味淋、清酒を作っていた相生酒造とともに合併してできた会社が相生ユニビオ。

今回は、相生ユニビオグループマーケティング室長の下倉健人さんに、復活の舞台裏を伺いました。

なぜ碧南市でウイスキーが作られたのかというと、比較的空襲の被害が少なかったことや、戦後からさほど経っていない時期に国からウイスキーの免許がさまざまな地域で下りたからだそうです。

ではなぜ、わずか4年で幕を閉じてしまったのでしょうか?

下倉さん「台風で2回被災を受けてまして、特に2回目がみなさんご存知の『伊勢湾台風』で。

海沿いに蒸留所があるもんですから、堤防が決壊したりして完全に水没してしまい、木の樽や蒸留器自体も海水に浸かってしまって、それ以降は製造を中止したという流れですね」

樽の中には一部残ったものがあり、自社の製造分と海外のものをブレンドして売ることができたものの、自社分がなくなってしまうと製造を止めてしまったそうです。
 

復活のきっかけは?

復活のきっかけとなったのは、会社内で新たに立ち上がった海外輸出部門という部署。

自社製品の中で何か輸出できるものはないのかと思った時、日本のウイスキーは人気が高いということで、白羽の矢が立ちました。

下倉さん「愛知県内で歴史のあるウイスキーメーカーというのがほとんど残ってない。

三河というエリアでもうち1社で、三河のウイスキーがこのまま消えてしまうということで、会社としてもう一度再開しようというきっかけになりました」

ただ、再開するのにあたり、以前の災害で建物や設備だけではなく、造り方に関する資料も失われてしまったため、復活は困難を極めました。

21世紀の新しいウイスキー

しかし、昔の物を再現するという発想ではなく、別のアプローチを試みました。

下倉さん「まずはOBの方に過去の話を聞いたりして、実際、清酒造りや焼酎造りはずっとやってきているので、知見を合わせながら試作して。

ウチのオリジナルのウイスキーという自由な発想で個性的なウイスキーを作ろうということで、わりと華やかで気品のある香りで。
もともと上品な酒質だったので、似たような方向性でできているのかなと思います」

21世紀の新しいレインボーウイスキーということですが、味や香りだけではなく、製造方法も現代風。
環境に配慮して、「麦芽かす」がリサイクルできるようにしているそうです。

2019年に樽詰めを行い、今年初めて出荷することになったウイスキーの名前は「一碧(いっぺき)」。

数量限定販売のうえ、ふるさと納税の返礼品分として先に出荷されるということで、なかなか手に入れにくい一品ですが、どのような出来栄えか楽しみですね。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
この記事をで聴く

2022年11月14日14時42分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報