北野誠のズバリ

おしっこの切れが悪い…尿漏れする…その原因と対策は?

10月21日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』「中高年よろず相談室」では、58歳男性から「おしっこの切れが悪い」との相談が寄せられました。

歳をとると男性の誰もが、尿漏れとともに経験することについて、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が解説します。

[この番組の画像一覧を見る]

おしっこの切れが悪い

まずは詳しい相談内容です。

「トイレに行きおしっこをすると切れが悪いです。下腹部に力を入れてもちょろちょろっと何度か出る形です。糖尿病の薬は服用しています。就寝後も何度かトイレに行くこともあります。
寝ていて起き上がる時、左下腹部が少し痛むことがあります。腎臓、あるいは膀胱が悪いのでしょうか?」(Aさん)

北野「中高年になると、みんなおしっこの切れが悪くなりますよね」

吉田先生「女性でも悪くなりますけど、男性は中高年になると、ほぼ全員おしっこの切れは悪くなります。

原因としてもっとも多いのは、おしっこを溜めておく膀胱の下に『骨盤底筋』という筋肉がありますが、これは老化で衰えると、おしっこの時に膀胱を十分に押せなくなって、一気に全部出し切ることができなくなり、ちょろちょろっといつまでも出続けるわけです」

糖尿病との関係

北野「糖尿病はそれに関係するんですか?」

吉田先生「糖尿病だとさらにおしっこの切れは悪くなります。原因として多いのは自律神経の機能が低下するためです。

おしっこは自分の意志で筋肉を動かすだけではなく、自律神経で自動的に筋肉を動かすことも同時に行っています。

糖尿病で血糖値が高くなると、細い神経から順番に機能が落ちていきます。自律神経はとっても細い神経ですので、早い段階から機能がダウンして、おしっこの切れがさらに悪くなります」

膀胱炎と腎盂腎炎

北野「腎臓や膀胱は関係あるんですか?」

吉田先生「膀胱の病気の可能性は考えられます。膀胱炎はおしっこの出口から膀胱までの距離が短い女性に多いです。男性はペニスの距離があるだけ、病原菌が膀胱に逆流しにくいです。

でも糖尿病だと、ちょっと逆流しただけで糖分がエサになるので、病原菌が繁殖して男性でも膀胱炎になりやすいです。

あと、病原菌が腎臓まで逆流すると腎盂腎炎という病気になることもあります」

前立腺の肥大

北野「他に前立腺はどうですか?」

吉田先生「これも考えられます。もともと男性の場合は中高年になると前立腺が肥大して、おしっこの通り道を圧迫するので、狭くなったところをちょろちょろ流れるしかできないです。

私が心配なのは左の下腹部が痛むということです。
ひょっとしたら前立腺が炎症を起こしているかもしれないし、前立腺がんの可能性も絶対ないとは言えないので、必ず泌尿器科で検査を受けていただきたいです」

ちょい漏れ

北野「おしっこした後、パンツに尿漏れする男性も多いですが」

吉田先生「これ、多いです。おしっこ終わって、チャックを閉めた後に、おしっこがちょろちょろ出てくる。中高年の男性にはすごく多いです。

これは医学では『排尿後尿滴下』といいます。一般的にはちょい漏れと言います。
これは骨盤底筋が衰えると、膀胱の中に溜まったおしっこを全部出し切れないです。それで、おしっこが終わったと思っても、まだ膀胱に残っている尿が後から出てくるのです」

骨盤底筋の筋トレ

吉田先生「女性も中高年になるとちょい漏れをすることが多くなりますが、男性とはまったく状況が違います。
女性は、咳、くしゃみ、笑う、重いものを持つとか、お腹に力を入れた時にちょい漏れしやすいです。これを医学では『腹圧性尿失禁』と言います。

男女でちょい漏れの仕方が違うのは、純粋にペニスがあるかないかの差です。
女性はペニスがないので、膀胱とおしっこの出口が近いです。骨盤底筋が衰えるとお腹の圧力に抵抗できなくて、ちょい漏れしてしまいます。

男女とも骨盤底筋が弱っているのが原因ですので、骨盤底筋の筋トレをすれば予防ができます。
肛門を締めたら、骨盤底筋も締まりますので、1回15秒くらい肛門を締めるのを1セット、10回くらい。これを朝昼夜やってみてください」
(みず)
 
北野誠のズバリ
この記事をで聴く

2022年10月21日14時12分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報