多くの小学生にとって、漢字や計算などのドリルは苦痛なもの。
親の立場としては積極的に勉強してほしいというニーズがあることから、『うんこ漢字ドリル』(文響社)など工夫を凝らしたドリルが販売されています。
10月17日放送の『北野誠のズバリ』の「松岡亜矢子の地元に聞いちゃうぞ」コーナーでは、愛知県のとある地域で配布されている漢字ドリルを紹介しました。
地元の人なら簡単!?
今回紹介したのは愛知県豊橋市の共和印刷が手がけた漢字ドリルで、その名も『とよかわ愛を漢字るドリル』。
例文や書き取りの漢字が、すべて愛知県豊川市にまつわる地名や文化・歴史などで占められています。
例えば「本宮山の頂上には砥鹿(とが)神社の奥宮がある」や、「迫力の手筒花火が心に響く」「国府駅で特急に乗り換えた方が早い」など。
豊川市以外の人であれば『そもそも砥鹿神社を知らないから書けない」「国府駅を知らない。それどころか国府を『こう』と読むことも知らない」といった文章が続きます。
現在は豊川市以外に豊橋市、田原市バージョンもあり、じわじわと人気を上げてきているそうです。
漢字ドリルを作ったきっかけ
共和印刷の主な仕事は、東三河地域の自治体が発行する広報誌や銀行・農協などの印刷物を印刷したり、伝票などの作成を行ったりすること。
これまで学習ドリルを作成したことはなかったそうですが、漢字ドリルを作ったきっかけは何だったのでしょうか?
営業部主任の山口さんに電話でお話を伺いました。
山口さん「豊川市のマルシェに出店した時に、家族連れが多いイベントだったので、ワークショップのような形で紙に触れてもらおうと。
ちょっと物販もやってみようかとなった時に、基本的にお客様から依頼を受けたものを作っていくので、オリジナル商品がないものですから、共和印刷として売るものがないよねと。
自由帳とかよりは、勉強ができるドリルにしたら面白いんじゃないかということで、地元を感じながら漢字の勉強ができる『漢字るドリル』というのを作ってみたんです」
ドリルは2018年に豊川市版が製作され、その後、毎年マルシェで無料配布していましたが、「面白いので豊川以外も作ってほしい」という声があって、他のバージョンもできていったそうです。
こども以外のニーズも
地元ネタが満載となっている漢字ドリルの問題ですが、実は共和印刷の社員が作っているそうです。
問題を考えることは本業ではないはずですが、どうやってネタを集めたのでしょうか?
山口さん「官公庁の仕事をさせていただいている中で、市の観光や農業、歴史、文化、それぞれいろんなお仕事で自然と情報が身についていたり、普段営業で市内を走り回っているので、結構地名とかを覚えるんですね」
また、この漢字ドリルはもともとこども向けに作られたものですが、予想していなかったニーズがあったのだそう。
ブースにいた介護職員さんから「ドリルをデイサービスのリハビリで使わせてほしい」という話を受けたそうですが、勉強や脳トレ以外の目的もあったようです。
山口さん「使っていただいた施設からは、地元ならではの問題というので昔を思い出す方が結構いらっしゃるみたいで。
小学校の名前が出てきたら『昔、ここ通ってたわ』とか、『ここ行ったことないので、今度行ってみようかしら』とか、コミュニケーションのツールとして結構役立ってるというお話をいただきました」
現在、3バージョンあるというお話でしたが、つい先日、新城市と蒲郡市のバージョンもできたそうですので、地元の方もそうでない方も楽しんでみてはいかがでしょうか。
(岡本)
北野誠のズバリ
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2022年10月17日14時43分~抜粋