土砂災害や河川氾濫による洪水など、この数年は毎年のように大きな被害を出しています。多くはハザードマップにも示される“起きやすい場所”で起きていると言われますが、中にはハザードマップ外、「まさかここで」という場所で起きることもあります。
全国で起きた災害の場所を詳しく調べると、「まさかここで」の場所に共通点があることがわかってきました。
9月3日放送の『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、「災害の起こる場所」について、静岡大学 防災総合センター教授 牛山素行先生にお話を伺いました。
「まさかここで…!?」ハザードマップ外でも災害は起こる?
警戒区域外でも安全ではない
「土砂災害警戒区域」としてハザードマップに指定されているのは、がけ崩れが起こりやすい斜面の勾配や、土石流が流れやすい谷の勾配などの地形から起こりうるところ、かつ家屋に被害が及ぶ危険性がある場所です。
しかし、ハザードマップに指定されていないところでも、災害が起こる可能性は十分にあります。
自然災害はどこかでピシッと線を引くことは難しいものですが、地図上で示す場合にはどうしても線引きが必要となります。
たとえば「30度以上の勾配」など一定の基準がありますが、それよりもゆるい勾配であれば絶対崩れないのかというと、そうではありません。
「警戒区域から少しでも離れていれば絶対に安全」とはならないのです。
しかし、ハザードマップに指定されていないところでも、災害が起こる可能性は十分にあります。
自然災害はどこかでピシッと線を引くことは難しいものですが、地図上で示す場合にはどうしても線引きが必要となります。
たとえば「30度以上の勾配」など一定の基準がありますが、それよりもゆるい勾配であれば絶対崩れないのかというと、そうではありません。
「警戒区域から少しでも離れていれば絶対に安全」とはならないのです。
山間部が警戒区域にならない理由
ハザードマップに色が塗られているところはもちろん危険性が高い場所ですが、その近くも念のため注意が必要です。
特に注意が必要なのは、地形的に土砂災害が起こりうる場所であっても、そこに人が住んでいない場合は警戒区域にならないということ。典型的なのは、山間部の道路です。
崖沿いや、土石流が流れるような渓流をまたいで通っている道路でも、そこに家がなければハザードマップに示されることはありません。
「色が塗られていないからここは安全な道。ここを通って逃げよう」という考えは間違いで、「山間部の道路は基本的に土砂災害の危険性がある」と思っておいた方がいい、ということです。
特に注意が必要なのは、地形的に土砂災害が起こりうる場所であっても、そこに人が住んでいない場合は警戒区域にならないということ。典型的なのは、山間部の道路です。
崖沿いや、土石流が流れるような渓流をまたいで通っている道路でも、そこに家がなければハザードマップに示されることはありません。
「色が塗られていないからここは安全な道。ここを通って逃げよう」という考えは間違いで、「山間部の道路は基本的に土砂災害の危険性がある」と思っておいた方がいい、ということです。
ハザードマップは引いて見る
近年、短時間に激しく降る雨の回数が増えています。ただ、これまで災害が起こるはずもなかったところで増えているというわけでもありません。
気候の変動があったとしても、ハザードマップに示されている危険な場所の情報が役に立たなくなることはないのです。
とはいえ「ハザードマップは一定の条件下を設けて検査をして色塗りをしているものなので、厳格に読み取ってもらっても困るという部分はある」と牛山先生。
つまり「隣の家は色が塗られているけれど、自分の家は色が塗られていないから大丈夫」というのは読みすぎで、ハザードマップは少し引いて見ることが使い方としては適切ということです。
気候の変動があったとしても、ハザードマップに示されている危険な場所の情報が役に立たなくなることはないのです。
とはいえ「ハザードマップは一定の条件下を設けて検査をして色塗りをしているものなので、厳格に読み取ってもらっても困るという部分はある」と牛山先生。
つまり「隣の家は色が塗られているけれど、自分の家は色が塗られていないから大丈夫」というのは読みすぎで、ハザードマップは少し引いて見ることが使い方としては適切ということです。
小さな川でも洪水の危険
水害は「洪水浸水想定区域」として色が塗られていますが、これも土砂災害と同じくハザードマップに載っていない場所で起こる可能性があります。
特に中小河川の周りでは、洪水浸水想定区域への指定作業が行われていないケースがかなりあります。さらに指定作業が進んでも、本当にごく小さい河川の周りは色が塗られないケースもあるのです。
小さい川だから危険性が低いということではなく、基本的に川のすぐそばは洪水の危険があると思っておくべきです。
「川と同じくらいの高さは、基本的に洪水の可能性があると思っていただきたい」と牛山先生。
この「川と同じ高さ」は、普段の水面の高さではなく、くぼみ始める川の淵やへりと同じ高さのこと。
この場所は、川が土砂を運んできて形成している土地なので、たとえハザードマップに色が塗られていなくても、洪水の可能性は十分にあるというわけです。
特に中小河川の周りでは、洪水浸水想定区域への指定作業が行われていないケースがかなりあります。さらに指定作業が進んでも、本当にごく小さい河川の周りは色が塗られないケースもあるのです。
小さい川だから危険性が低いということではなく、基本的に川のすぐそばは洪水の危険があると思っておくべきです。
「川と同じくらいの高さは、基本的に洪水の可能性があると思っていただきたい」と牛山先生。
この「川と同じ高さ」は、普段の水面の高さではなく、くぼみ始める川の淵やへりと同じ高さのこと。
この場所は、川が土砂を運んできて形成している土地なので、たとえハザードマップに色が塗られていなくても、洪水の可能性は十分にあるというわけです。
流れている水に近づかない!
雨の災害はある程度早めに準備をしたり逃げたりすることができますが、時には急速に雨が発達してしまう場合もあります。
台風のようにかなり前から危険性が予想されているときには、安全な場所に移動することがベスト。しかし、すでに周りが浸水し始めた場合は、やみくもに外に出てしまうのは逆に危険だといいます。
調査結果によると、雨による災害で亡くなる人の約半分は、屋外での行動中に亡くなっています。避難だけでなく、普段通りの行動で亡くなるケースもあるのです。
人も車も簡単に流されてしまうので、何よりも重要なのは「流れている水には近づかない、立ち入らない」ということです。
外に避難する場合も「なるべく移動距離は短く、かつ少しでも高いところに移動する」ことが次善の策ということでした。
(minto)
台風のようにかなり前から危険性が予想されているときには、安全な場所に移動することがベスト。しかし、すでに周りが浸水し始めた場合は、やみくもに外に出てしまうのは逆に危険だといいます。
調査結果によると、雨による災害で亡くなる人の約半分は、屋外での行動中に亡くなっています。避難だけでなく、普段通りの行動で亡くなるケースもあるのです。
人も車も簡単に流されてしまうので、何よりも重要なのは「流れている水には近づかない、立ち入らない」ということです。
外に避難する場合も「なるべく移動距離は短く、かつ少しでも高いところに移動する」ことが次善の策ということでした。
(minto)
関連記事