北野誠のズバリ

家を購入する時の頭金、どれくらい必要?

一軒家や分譲マンションを購入したい時に悩ましいのが、頭金をどれぐらい用意すべきかという問題。

ローンの返済を考えると、頭金は多いのに越したことはないのですが、中には「むしろ頭金は払わなくても良い」という意見もあり、悩むところです。

7月25日放送『北野誠のズバリ』の「ズバリマネー相談室」コーナーでは、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャル・プランナー針田真吾さんが、頭金はどれぐらいが良いのか解説しました。

[この番組の画像一覧を見る]

頭金の平均ってどれぐらい?

まず世間一般では、だいたいどれぐらいの頭金を払っているのでしょうか。

針田さん「ひと昔前は金利が3%を超えてましたので、頭金は最低3割以上なんていわれてましたが、この10年近く1%切ってますので、あえて借りるという方もたくさんいらっしゃいます」

頭金を払いすぎてあまり貯金がない状況で、あとから急にお金が必要となってお金を借りると、普通は住宅ローンよりも金利が高くなってしまうことも。

そこで、頭金を少なくして住宅ローンを多めに利用するというケースもあるようです。

フラット35を提供する住宅金融支援機構が、2020年度に融資を利用した人に対し、物件ごとの頭金の平均額を調査していて、結果は以下のとおりです。

注文住宅 土地持ち   :購入価格3,532万円 頭金619万円(17%)
注文住宅 土地・建物購入:購入価格4,397万円 頭金440万円(10%)
建売住宅        :購入価格3,495万円 頭金247万円( 7%)
分譲マンション     :購入価格4,500万円 頭金750万円(16%)       

すべてを平均すると、購入価格が3,570万円で頭金は434万円で約12%、頭金として1割強を支払っていることになります。

借りる金額が多いと損する!?

では頭金はなくても良いのかというと、実は融資の条件が不利になるケースもあるそうです。

針田さん「例えばフラット35に関しては、物件価格の1割以上頭金を出すか出さないかで、金利がすごく変わるんですね。

例えば2022年7月だと、1割以上頭金を出すなら35年固定は1.51%、出さないなら1.77%、0.26%も差がついてるんですね」

たかが0.26%とあなどってはいけません。

針田さん「例えば4,000万円借りると毎月5,163円、35年で210万円ぐらい差が出るということになります。

フラット35に限らず、例えば東海圏にある地方銀行でも年収の6倍以上借りるか借りないかで金利が変わるとか。

やっぱり借りるお金が少ないほど、金利は低めになるということはあります」

できるだけ頭金を増やし、借りる金額は少なくした方が良いそうです。

頭金以外にも必要な現金が…

家を買う時に気をつけないといけないのが、家自体の購入費用以外に「諸経費」と呼ばれる費用もかかるということ。

針田さん「だいたい物件価格の5%から10%ぐらいかかるんですね。
一般的には担保に入らないので、現金で用意するのが一般的ですね。

特に注意しないといけないのが、土地から家を買う方ですね。
まず土地を買ってから建物を建てるわけですが、土地を買う時に1割の手付金というのを最初に払わないといけないんです。

融資実行時に後で払い戻しを受けられることもあるんですが、まずは(お金を)出さないといけないので。
フルローンで家は買えるんですけど、貯金0では家は買えないよというところはありますね」

住宅ローン減税制度が変更

頭金が不要と考える理由の1つに、住宅ローン減税の活用があります。

これは住宅ローンの残高が多ければ多いほど、税金が多く返ってくるためですが、この情報には注意が必要です。

針田さん「住宅ローン減税の逆ザヤ状態が終わりました。
去年までは家を建ててから10年間もしくは13年間、毎年のローンの残高の1%まで、所得税や住民税が控除されてたんですが、0.7%に下がったんです。

ということは、今までは1%控除を受けるために、例えば変動金利が0.5%で借りてたら、払う利息よりも控除の方が多かったので、これをよく逆ザヤ状態と言われていたんです。

それが0.7%まで下がったので、お金を多く借りたから住宅ローン控除で得しますよというロジックは、あまり成り立たないんですね」

融資の条件や諸経費にいくらかかるかなどを確認しつつ、頭金の金額を決めた方が良さそうです。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
この記事をで聴く

2022年07月25日14時12分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報