北野誠のズバリ

失明の可能性も!?こどもの「スマホの見過ぎ」に要注意

『北野誠のズバリ』の「中高年よろず相談室」では、健康の悩みなどを解決していきます。

7月8日の放送で紹介された相談は、59歳の男性からの「スマホを凝視するこどもは大丈夫?」です。
確かにこどもや赤ちゃんでさえ、スマホやタブレットを見ている光景をよく見ます。
果たして目にどのような影響があるのでしょうか?

心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生に伺いました。

[この番組の画像一覧を見る]

こどものスマホは大丈夫?

相談の詳しい内容です。

「昨今はスマホやパソコンを見過ぎたことによる視力低下が問題になっています。
特に幼いこどものひまつぶしなのか、親が家事の時間を確保するためなのか、スマホ画面を凝視させている場面が多いようです。
こどもは視覚機能も未熟でしょうし、悪影響だと思いますが、先生にご意見を伺いたいです」

北野「最近小さいこどもにも見せてますからね。これは目への影響が大きいと思いますが」

吉田先生「当然近くのスマホ、パソコンばかり見て近視になるこどもが、いま世界中で猛烈に増えています。

そんなの眼鏡をかければいいじゃないと思っている方が多いですが、最近のこどもの近視はもう近視だけの問題じゃないです。
将来失明する危険性もある、とっても危ない状態になっているこどもがかなり出てきています」

近視から網膜剥離に

失明の可能性には北野も驚きます。

北野「近視が進んで失明する危険性があるんですか?」

吉田先生「あまりに近視が進むと、おとなになった後に網膜剥離をおこす危険性が21.5倍に急増するというデータが出ています。

網膜は目の奥にあるスクリーンの役割をしているもので、ここに移った映像を電気的な刺激に変えて、私たちはものを見ています。

この網膜が剥がれるのが網膜剥離です。スクリーンの役割を果たせなくなるので、最悪の場合、失明してしまいます」

なぜ網膜剥離になる?

北野「なぜ近視が進むと網膜剥離が怒るんですか?」

吉田先生「私たちは近くのものを見るために、目の中にある水晶体というレンズをその周囲にある小さな筋肉を収縮させて、分厚くしてピントを合わせています。

でも長時間近くのものを見ていると、筋肉は使いっぱなしになりすごく疲れる。
だから水晶体を分厚くしなくても網膜にピントが合うように、目玉を前後の向きに成長させて目の奥行きを広げます。これが近視の正体です。

目玉の奥行きがあまりに広がったら、その内側にはりついている網膜がおいつけなくなって剥がれてしまいます」

網膜剥離の兆候

北野「網膜剥離の兆候ってあるんですか?」

吉田先生「剥がれる直前の前兆現象として多いのが、実際には何もないのにもぞもぞと黒い虫みたいなのが見える。これを飛蚊症といいます。

まったく心配しなくていい飛蚊症も多いですが、重度の近視の方がこういうものが頻繁に見えたら、念のため眼科を検診していただきたいです」

緑内障にも注意

北野「網膜剥離の他に、重度の近視で危険な症状ってなんですか」

吉田先生「重度の近視だと緑内障になる頻度が3.3倍です。
緑内障ははじめは視野のごく一部が見えなくなりますが、だんだん広がって、最悪失明することもあります。

強度の近視の場合、目で見た情報を脳に送り届ける視神経が目の奥行きが広がりすぎることでダメージを受け、緑内障になるわけです」

遠くのものを見る

北野「近視予防に効果的なことは何ですか?」

吉田先生「近くを見ること自体が目に良くないのではなくて、近くを見続けて目が近くを見ることに固定化されてしまうのがよくないです。

だからスマホを3分見たら、最低10秒間は遠くのものを見ていただきたい。
窓から外を見られたらいいですが、部屋の中でもスマホより部屋の壁の方が遠いので一定の効果はあります」

近視の予防法

北野「こどもに効果のある近視の予防法はあるんですか?」

吉田先生「基本こどもは外で遊ばせた方がいいです。遠くを見るから近視が予防できますが、それだけではないです。

太陽光線に含まれる波長が380~420ナノメートルの光、これは紫色の光ですが、これが目に入ると近視の進行をおさえる効果があるとわかりました。
これは紫外線(380ナノメートルより波長が短く、目に見えない)とは違います。

最近の窓はこの光を通しにくいものも多いので、窓を開けて直接外を眺めるといいです」

近視の仕組みから、それが進むと失明の可能性が大きくなることまでわかりました。ときどき遠くを見ることが大事です。
(みず)
北野誠のズバリ
この記事をで聴く

2022年07月08日14時13分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報