北野誠のズバリ

絶対にやってはいけない!こんな熱中症の対処法

6月24日放送の『北野誠のズバリ』の「中高年よろず相談室」では、熱中症を取り上げました。
今年は夏が暑そうです。マスクの問題もありますし、熱中症には気をつけたいものです。
もし、熱中症になったらどう対処すればいいのでしょうか。

北野が心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生に伺いました。

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熱中症にかかったら?

リスナーからの質問のメールです。

「先日、ひとつ年上のパートナーの調子が悪くなりました。
仕事中も頭痛があり、帰宅後、市販の頭痛薬を飲んだら吐き気も出て、より調子が悪くなり、さらにめまいもあって、立っていられなくなりました。

加えて、顔がほてり、さらなる頭痛とふわふわするとのこと。
部屋を冷やして水分補給をしてもなかなか治らず、完治に数日かかりました。

熱中症かどうかはわからないのですが、熱はなく咳や鼻水もないので風邪ではないようです。
日頃から水分もよくとり、塩分補給もちゃんとして熱中症予防はしている彼ですが、今回はひどい熱中症だったようです。

そこで熱中症になった場合、効果的な対処法と、なった翌日以降どういった点に気をつけたらいいかお伺いしたいです」(Aさん)

頭痛薬は絶対ダメ!

まず今回、頭痛薬を飲んだのはどうだったのでしょうか。

吉田先生「確かに熱中症で頭痛になることはよくありますが、こういう場合に頭痛薬は“絶対”に飲んではいけないです。

熱中症になると体内では水分が不足して血液の量が少なくなり、腎臓に供給される血液も不足しています。
そんな状態で一般的な頭痛薬を飲むと、腎臓の血管をさらに収縮させて、血液が途絶えて腎臓に大きなダメージを与えます。
その後、慢性の腎臓病に長く苦しむ方もいます」

熱中症で頭痛になった場合はどうしたらいいでしょうか?

吉田先生「熱中症で頭が痛くなる理由は、体内で水分が不足し、かつ体温も上がりすぎていて、脳が危ない状態になっていることを本人に教えるために痛みを作っているのです。

病院で処方する頭痛薬の中には腎臓の血管に影響しないものもありますが、それも熱中症になった時には安易に飲んではいけません。

薬で痛みを抑えたら脳に生じている危険性を覆い隠すので危険です。
痛みが消えるだけで、治ってないですからね」

全身に水はダメ!

では、熱中症になったらどう対処したらいいのでしょうか?

吉田先生「熱中症になったら、まず体温を下げて水分補給。これが大事です。

“絶対”やってはいけない体温の下げ方があります。早く体温を下げようと全身に水をぶっかける人がいます。でも、これはとても危険です。

体温があがって、内臓がオーバーヒートするのですが、水をぶっかけると逆に熱が内臓に貯まってしまいます。
なぜか。水をかけたら、皮膚だけ温度が下がって血管が収縮します。内臓の熱を血液で皮膚に運んで体外に捨てるということができず、かえって内臓の温度が上がります」

倒れた人に無理やり水を飲ませない

救急車を呼ぶタイミングはいつですか。

吉田先生「熱中症で倒れた人がいたらまず、呼びかけること。これに反応しない時は、それは意識を失っていることなんで、即救急車です。

自分の力で水分を飲むことができない場合も、意識を失う一歩手前で、しかも点滴ですぐ水分を呼吸しないといけないので、救急車を呼んでください。

自分で飲めない時に、無理やりペットボトルを口につっこんで喉に水を流し込む人もいますが、これも“絶対”やってはいけない。
気を失っているところに口移しで水を飲ませるのも“絶対”だめ。

意識がない状態で無理に飲ませると水は肺の方に流れます。呼吸できなくて、最悪、溺死と同じ状態になります」

脳梗塞や脳出血のおそれも

ところで、質問の方ですけど、これは本当に熱中症だったのでしょうか。

吉田先生「その可能性もありますが、私はたぶん違うと思います。普段から水分塩分を補給していてもこの時期熱中症になることもありますが、それにしては症状が重すぎます。

特に重いめまい、吐き気が数日あった。これ可能性が高いのは脳梗塞や脳出血です。
身体の片方がマヒするとか呂律がまわらないとか、これは大脳新皮質に脳梗塞ができた場合の症状です。

この方の場合は小脳か脳幹の脳梗塞の可能性が高いです。
どちらもバランス感覚に関わっているので、脳梗塞ができるとめまいがします。頭痛がひどいというとその部分の脳出血の可能性もあります。

絶対に脳神経科に行った方がいいです。これは結構再発しますから。
もし違っていても、脳梗塞、脳出血は命にかかわりますから、念のためそれを調べておく。MRIかCTを撮る必要があります」

北野「ありがとうございました」

熱中症は身近にありますが、対処法を間違うと命にかかわります。
正しい知識を身につけましょう。
また、なんでも熱中症と決めつけて、他の重い病気を見逃す恐れもあるようなので、気をつけましょう。
(みず)
北野誠のズバリ
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2022年06月24日14時13分~抜粋

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