北野誠のズバリ

視覚だけじゃない!片頭痛の原因と対策法は?

5月27日放送の『北野誠のズバリ』「中高年よろず相談室」では、Aさん(55歳男性)からの「太陽やスマホ、電球の光で頭痛が」という相談を取り上げました。
頭痛はどのような原因から起こり、どう対策したらいいのでしょうか。

北野が心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生に伺いました。

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片頭痛が起こるわけ

まず相談の内容を詳しくみてみましょう。

「うちの47歳の嫁は、最近、太陽やスマホ、電球などの光を見ると頭痛がするそうです。いったい何が考えられますか。ちなみに週に3回テニスをするほど元気です」(Aさん)

光を見ると頭痛がするというのはいわゆる片頭痛ですか?

吉田先生「これはとてもよくあることです。ご相談者は片頭痛だと思います」

なんで光を見ると頭痛が怒るのでしょう?

吉田先生「片頭痛は、そもそも脳のどこかが壊れて片頭痛になるのではないです。逆です。環境の変化に敏感すぎる。脳がよくできすぎている感じです。

明るい光を見ると周囲で何か異変が起こったと脳が判断して、危険かもしれないから、ボケっとしていたらダメですよ、と本人に注意をうながすために、脳はわざと痛みを作っているのです」

光の点滅に要注意

光にもいろいろありますが、片頭痛が起こりやすいものは何でしょうか。

吉田先生「特にきっかけになりやすいのは、光が点滅して目がちかちかする場合です。
パソコンやテレビの画面がチラチラするとすごく起きやすいです。

なぜかというと、自然界ではめったに起きないからです。脳が過敏だと、これは大変だと判断して、頭を痛くさせやすいです」

緑色がいい

頭痛が起きやすい色というものがあるそうです。

吉田先生「アメリカの大学で色と頭痛の関係を調べました。
特に頭痛を起こしやすいのは赤と青です。大自然の中で赤はだいたい怖いことが多いです。青は自然界だと毒物の可能性が高いです。
だから赤、青の危険に対して警戒心を持つため、わざと脳は片頭痛を起こしています」

反対に起きにくい色もあるとのこと。

吉田先生「頭痛が出にくくなるという色は緑です。緑の植物が生い茂っていると食料が手に入り、人間が生きやすい環境です。そういうところだと心配しなくていいので、痛みが出にくいです。

片頭痛に悩まされている人は自宅のカーテンの色を緑にしたり、スマホの待ち受け画面を山の風景や植物の緑にするといいです」

ニオイが問題

頭痛になるきっかけは光以外にあるのでしょうか?

吉田先生「実は光より片頭痛のきっかけになりやすいのはニオイです。
片頭痛の最大70%がニオイで起きるというデータが出ています。

普段と違うニオイがするのは、周囲で何か環境に異変が起きているということで、これはSOSサインになります。
もともと哺乳類は夜行性の動物で、ニオイによって周囲の異変を感じて生き残ってきたのです。

問題なのはくさいニオイだけではないです。香水のニオイが特に片頭痛の原因になりやすいです。

ニオイが周囲の人に迷惑になるスメルハラスメント、これは臭いだけでありません。いい匂いでも、それで片頭痛を起こすことはよくあることです。
特に香水のニオイは自然界ではあるものでありません。だからいいものであればあるほど、脳は普段と違うと判断してしまいます」

歳をとると治る?

片頭痛は遺伝するものでしょうか。

吉田先生「お母さんから片頭痛の体質を受け継ぐことが多いです。お母さんが片頭痛だと、こどもは70%くらいが片頭痛の体質になるというデータがあります。

ただ、いまの片頭痛の薬は非常によくなっています。頭痛外来も増えていますから、ぜひ診療をうけていただきたいです。

ただ歳をとると片頭痛は勝手に治ることが多いです。
もともと脳が環境の変化を敏感に感じ取って頭が痛くなるから、歳をとって良くも悪くも脳が老化したら、脳の敏感さがちょうどいいくらいになるのですね」

北野は「ちょっとうれしいような、複雑ですけど」と、感想をもらしました。
(みず)
北野誠のズバリ
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2022年05月27日14時12分~抜粋

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