北野誠のズバリ

税金は?社会保険は?大学生アルバイトの収入の壁を解説!

日本学生支援機構のデータによると、大学生の約8割がアルバイトをしているそうです。
しかし稼ぎすぎてしまうと、学生であっても税金を払う必要が生じます。

5月23日放送『北野誠のズバリ』の「ズバリマネー相談室」では、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャル・プランナー伊藤勝啓さんが「大学生のアルバイトと税金」について解説しました。

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大学生が気を付けるべきこと

今回このコーナーには、リスナーAさんから「4月から大学生になったこどもがアルバイトを始めようとしている」というおたよりが寄せられました。

Aさんが気がかりなのはアルバイトの収入のこと。大学生がアルバイトをするにあたって、気を付けるべきはどのようなことなのでしょうか。

大学生の5人に4人がアルバイトをしている現状で、中には自分の収入だけで生計が立てられるほど高収入の人もいるようです。

しかし収入によっては税金や社会保険、親の扶養から外れる・外れないといった部分に影響が出てきます。

とはいえ「学生でこのことまで考えて働いている人は少ないと思う」と伊藤さん。学生は時給や環境の良いアルバイト先をまず考えるといいます。

「勤労学生控除」の適用

収入のポイントは「103万円」と「130万円」。アルバイトの収入が年間103万円を超えると所得税の納税義務が生じます。

この103万円は所得から差し引きできる基礎控除の48万円と、給与所得控除の55万円を足した金額。この103万円を超えなければ所得税はかかりません。

学生の場合はこれに27万円の「勤労学生控除」が適用となるため、103万円に27万円を足した「130万円」が所得税のかからないラインとなります。

仮に月12万円ずつの収入があった場合、年間の収入は144万円。ここから130万円を引いた14万円に対して所得税が発生するという仕組みです。

健康保険料の猶予制度

続いては社会保険について。

学生であっても、一般の人と同じように収入が年間130万円を超えると社会保険の負担が発生します。一般的には親の扶養から外れて国民健康保険に加入することになり、所得金額に応じた保険料を払うことになります。

また、1か月の所定労働日数が正社員の4分の3以上であれば、勤務先の社会保険に加入する必要があります。

学生の場合、保険料の猶予をしてもらえる「学生納付特例制度」が利用できます。

20歳以上の学生で、本人の前年所得が「128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等」。所得がこの基準を超えた場合は特例制度が利用できなくなるため、国民健康保険料を納付する必要があるというわけです。

奨学金の利用にも所定の家計基準があり、これを超える収入があると給付や貸与停止の措置を取られる可能性もあります。

親の収入にも影響が?

大学生のアルバイトは、親の収入にも影響があります。

16歳以上のこどもがいる場合、親の所得から38万円が扶養控除されます。19歳から22歳のこどもの場合は「特定扶養親族」の対象となるので、63万円が扶養控除されるのです。

税金の計算をする際に課税対象額となる金額を減らせるメリットがあるので、こどもが扶養から外れるということはその分親の税金の負担が増えることになります。

納税したり社会保険料を支払ったりすることは、もちろん悪いことではありません。しかし何も知らないまま、あとから思いもよらない請求が来てショックを受けるのは避けたいところです。

税金や社会保険は、生きている以上はずっと付いて回るもの。自分にまつわることについては最低限の知識として押さえておくべき、というお話でした。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2022年05月23日14時12分~抜粋

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