北野誠のズバリ

4,630万円振込で話題!個人間で誤送金が起きたら取り返せるの?

山口県阿武町に住む24歳の男性に対し、誤って4,630万円が余分に振り込まれた問題。

この男性はすべてネットカジノに使ったため、返金できないと説明しています。

町は返還分と弁護士費用などを合わせて5,100万円あまりの支払いを求める訴えを起こし、18日には男性が警察に電子計算機使用詐欺容疑で逮捕される事態へと発展しています。

5月18日放送『北野誠のズバリ』では、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が、誤送金をめぐる問題について法律的な観点から解説しました。

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そもそもネットカジノは違法?

まず気になるのが、ネットカジノでお金がなくなったということですが、そもそも公営ギャンブルではないインターネットを使ったカジノは、日本では違法ではないのでしょうか。

原先生「一応グレーと言われてて、賭けてることは間違いないので、賭博罪が成立するっていう話もあるんですけど、一方で胴元は処罰されない。

本当は2人がいて成立するものが、一方が処罰されて一方が処罰されないっていうのはおかしいっていう議論があって、なかなか明確に判断できないですね。

結構一般的に利用する人が多くて、あっという間に(財産が)なくなっちゃうんですよね」

では、もし男性が本当にお金を使い切ってしまうと、回収するのは不可能となってしまうのでしょうか。

原先生「民事は(町側が)勝てると思いますけど、回収するっていうのは難しいんじゃないかと。

そうすると刑事罰っていう方なんですけど、刑事罰もなかなか難しくて、お金が勝手に自分のところに入って来ただけだと犯罪じゃないんですね。

じゃ、戻さなきゃいけないのかというと、戻さないとして何の犯罪が成立するのかというと難しいんですね」
(注:この放送後の5月18日夜、男性は電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕されています。)

誤って振り込んでしまったら?

個人間でも誤送金の経験があるというおたよりが、番組宛てに多く届きました。
誤って振り込んだ相手からお金を返してもらうには、どうすれば良いのでしょうか?

原先生「だいたい相手が気づいて『振り込まれてないよ』って言われて、調査すると他のところに(振り込まれていた)ってなるんですけど、銀行は相手の預金者に返してくださいって頼むことはできるけど、それ以上はできませんって言われるんですよ」

民事の内容であり、返してもらうためには銀行ではなく、振り込んだ人が解決に向けて動かなければならないそうです。

まずは振込先を確認し、名前だけで誰かわかるのであれば良いのですが、わからない場合は裁判を起こすなどして銀行に照会をかけ、銀行から相手先を開示してもらいます。

その後、返還請求を起こすことになりますが、相手方がお金を持っていなければ差し押さえとなり、差し押さえる財産がなければ何もできなくなり、返ってこないことになってしまいます。

知らずに受け取って使ったら?

そうすると、誤ってお金が振り込まれたら、使った者勝ちということでしょうか。

原先生「これが非常に難しくて、『何か増えてるけど、自分のものじゃないかな?』と思って引き出したら、それってなんの犯罪かわからないですね。

4,630万円ぐらい大きいとそんなわけないだろうと思うんですけど、例えば5万円入ってたら気づかないことがあるじゃないですか。

それで使っちゃったと言っちゃったら、どこにも故意はないので犯罪が不成立になるんじゃないかと。

今回は(誤送金だと)知って出してるので、銀行に対する詐欺なのか占有離脱物横領なのか、いろいろあるんですけど、ただ彼の供述によっては犯罪が成立するかしないかは、結構難しくなりますね」

ネットバンキングなので簡単に振り込みができる時代ですが、相手先や金額はよく確かめて振り込まないといけないですね。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2022年05月18日13時14分~抜粋

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