北野誠のズバリ

再び脚光!「壁ドン」が傷害罪にあたる?

2014年に流行語大賞でランクインして話題になった「壁ドン」。

ドラマの中やイケメンであれば許される行為も、恋心のない相手からされたらただただ恐怖です。

5月11日放送『北野誠のズバリ』の「ズバリ法律相談室」では、「壁ドン」をされた場合は罪に問えるのか、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が解説しました。

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壁ドンの練習を学校教育で!?

最近「壁ドン」がニュースで再び脚光を浴びています。

内閣府が主催する「人生100年時代の結婚と家族に関する研究会」において、恋愛支援に関する教育の一例として「壁ドン・告白・プロポーズの練習」という提案がなされたそうで、これに対しデートDVにつながるなどとして、大きな批判を受けました。

このニュースを受けて、リスナーから法律に関する質問のおたよりが届きました。

「私も壁ドンをくらったことがありますが、正直いい気分はしませんし、むしろ怖いです。
壁ドンは暴行罪などに問えるのでしょうか」(Aさん)

この質問に対し、原先生は「客観的にはなると思いますね」とキッパリ。

その根拠はどこにあるのでしょうか。

原先生「というのも暴行という概念が、一応、法律上は人の身体に対して加えられた不法な有形力の行使っていうことで、直接人に向けて物理的な暴力をするだけではなくて、間接的な行為も含むものですから。
いきなり身体とともに手が向かってくるわけですよね。有形力の行使ということで、暴行罪になり得ると思いますね」

暴力と判断される根拠

直接、壁ドンをされた側の人には触れていないですが、それでも暴力とみなされるというわけです。

原先生「威圧的で身体が動けなくなりますよね、すばやく逃げるっていうのはなかなか難しいと思いますので。

そうすると他人の動きを止めたということと、下手すると当たる可能性があるような状況ですから、間接的な有形力の行使ということになると思いますね」

では、すでに付き合っている恋人から壁ドンをされた場合も、暴行に当たるのでしょうか?

原先生「法律を解釈すると、客観的には暴行行為だけど、仲の良いカップルであれば、壁ドンを受ける方が承諾していたと。

被害者の黙示の承諾っていう構成で、違法性がないので犯罪にならないという解釈になりますね。

問題は『黙示』というのが本当に成り立つ関係なのかどうかということになります」

デートDVという言葉もあるとおり、恋人だからなんでも許されるわけではなく、暴力は暴力とみなされます。

壁ドンはリスクが高い

ただ、壁ドンはイケメンや好意のある相手からされると許される行為。
法律上、どのような人なら許されるのでしょうか。

原先生「やられる方の黙示の承諾で構成すると、『黙っててもこの人だったら受け入れてもいい』というような人じゃなきゃいけないということですから、そんな人はなかなかいないんじゃないかなと」

では、自分に自信があって壁ドンをしてみたところ、された相手が嫌がった場合はどうなるのでしょうか。

原先生「そうするとたぶん、刑法学的には暴行を加える意図はなかった、承諾をもらってると思って誤解して壁ドンをしたということで、『錯誤』という議論になるんです。
好意がなければ(黙示の承諾は)成立しないので」

相手が恋人ではない場合、よっぽど自信がない場合を除いて、壁ドンはやめておきましょう。
(岡本)
 
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2022年05月11日14時12分~抜粋

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