北野誠のズバリ

現在の心霊番組の原型は女性タレントの体験談だった?

4月29日放送の『北野誠のズバリ』は祝日スペシャルということで、怪談のスペシャリストである「いたこ28号」さんが登場。実話怪談の歴史を語ってくれました。真昼の怪談なのでおどろおどろしくなく、でもひゅっと背筋が寒くなるようなひとときでした。

北野誠とアシスタントの大橋麻美子が思わず聞き入ります。

[この番組の画像一覧を見る]

あなたの知らない世界

日本の怪談の歴史は『風土記』『今昔物語』から始まりますが、私たちが身近に感じられるのは戦後あたりではないでしょうか。
この頃、新たな怪談ブームが生まれます。その大きな要因はテレビ。

その流れである番組が作られます。それが1973年(昭和48年)の『あなたの知らない世界』(日本テレビ)。

北野「これはかじりついて見てました。ちょうど僕が中学生です。一番多感な時にこれが始まりました。昼間です」

北野の述懐どおり、これは『お昼のワイドショー』で夏休みなどに放送された特集コーナーでした。

二つの発明

この番組は印象に残っているだけでなく、後の世に影響を与えたようです。

いたこ28号「これがすごかったのは二つのものを開発しました。ひとつは再現フィルム。もうひとつは芸人さんが怖い話をする。これが新しいエンタメになりました。
安全な場所で恐怖をより味わえるようになったのはテレビだからです」

これがのちに超能力者といわれたユリ・ゲラー、『月刊ムー』、未確認動物の『つちのこ』などのブームにつながったと思われます。

いたこ28号「すべてのオカルトをエンタメにした。この番組はめちゃ面白かったです。
再現ドラマが怖すぎて。これがいろんな怪談映画に影響を与えていきます」

『あなたの知らない世界』は日本のホラー映画にも影響を与えました。

中でも有名になった話のひとつが、俳優の勝野洋夫人で女性タレントのキャシー中島さんの体験談が再現された「おばけトンネル」。
これが怪談で現地に肝試しへ行く人が増えるきっかけとなったと言われます。

「おばけトンネル」

雨の日にケンちゃんという友達と5人で車に乗り、廃墟の肝試しに行きましたがあまり面白くなかったそうです。
するとケンちゃんが「怖いところを知ってるよ。トンネルがあってお化けが出てすごく怖い。行こうよ」と誘います。

トンネルに入ってみたところ、向こうから青白いヒトダマがこちらに向かって飛んできましら。
のままバーンと車に当たって消えた瞬間、フロントガラスに青色の手形がついていました

「早くトンネルを出よう」と出口に向かって走っていくと、今度はドンと天井で音が。
トンネルを出たところで車を停めてみんな走って逃げだし、ガソリンスタンドに逃げ込みます。
するとガソリンスタンドの人が「よくあるんだよ。あなただけじゃないですよ」と言いました。

ふと気づくとケンちゃんがいません。

みんなで戻ったら、ケンちゃんだけ車の後部座席に座っていて、何を話しかけても笑うばかりで反応がありません。
ケンちゃんは今も病院に入院している、という話です。

トンネル怪談

この再現ドラマは、出演者による迫真の演技も手伝い、お昼にもかかわらず日本中を震撼させました。

北野「この話からトンネルというのは常に心霊スポットになったわけです。車にドンドンと音がしたら手形がつく。逃げ遅れた人がちょっと病むという、類型ができました。
トンネルの怪談はこれがもとで一気に広がりました」

いたこ28号「昔から女の幽霊が出る話はありました。そういうのがあったからみんなで見に行った。この事件でいろんな怪談のパターンを作った。これは歴史に残ります」。

北野「僕、今でも普通のトンネルに入るのに緊張しますよ。『お昼のワイドショー』で冷や麦を食べながら真剣に見ていた記憶があります。すっげぇ怖っと思って」

今はハワイアンキルトで有名なキャッシー中島さんですが、現在の心霊番組の原型に大きく貢献していたとは意外です。
(みず)
 
北野誠のズバリ
この記事をで聴く

2022年04月29日14時18分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報