北野誠のズバリ

うっとうしい上司が有休の理由を聞いてくる!対処法は?

『北野誠のズバリ』、身近な疑問・質問・お悩みを解決する「ズバリ法律相談室」のコーナー。

3月16日の放送には、「職場の同僚が有休を申請したら、上司が何度も理由を聞いていた。しつこく聞くのは問題なのでは?」と、リスナーAさんからおたよりが寄せられました。

Aさんの疑問に、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が答えます。

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有休の抑制は労基法違反の可能性も

この質問に、「普通に『何するの?』と聞く分には特に問題はない」と原弁護士。

しかし「そんなに休んでどうするの?」と尋ねることは、「有休の抑制」に聞こえるため、問題あり。この場合は、労働基準法違反の可能性も出てくるそうです。

「基本的には、有休を取る時に会社に理由を言わなけれならないんですか?」と尋ねる北野誠に、「労働者は別に理由を言う必要はない」と原弁護士。

一般的には「私用のため」「冠婚葬祭のため」などと理由を述べる場合もあるものの、特に言わなくてよいということです。
 

「私用です」で押し切るべし

北野「ウソの理由はダメですよね?」

原弁護士「ウソはまずいです」

北野「『法事があって実家に戻らなあかん』って言って、めっちゃ焼けてたりするとあかんでしょ?」

原弁護士「(笑)。そうですね、たまにありますけど。有休を取得して、実は遊んでたとか」

北野「でも、どこに行こうと勝手は勝手やと思うんです」

原弁護士「そこは堂々と『休みます』と言ってもらいたい。言わないのも自由なんで、とにかくウソだけはまずいっていうことですね」

休みを取るためにウソを付く必要はなく、あくまでも「私用です」で押し切る方が良いということです。
 

圧をかけてくる上司には?

しかし中には、「なぜ休むのか」と圧をかけてくる上司も存在します。この場合は、どう対処すればよいのでしょうか。

これは有休の申請を事実上抑制しているため、損害賠償の対象になります。上司に「それはちょっと問題ですよ」と発言をして、釘を刺すしかないそうです。

また、労働組合や社内組合に相談をして、認識の甘い上司に問題だと匂わせる必要があるとのことです。

北野「有休を取ると、『こんな忙しい時に急に取られても。周りの心証が悪いよ』っていう人おるでしょ」

原弁護士「それも程度の問題で。確かに取りすぎてたら評価に響くよっていうのは現実あるのかもしれないですけど。ただ権利は権利なので、問題は問題」

有休は労働者の権利。上司が抑制することはどんな場合でも問題であるようです。
 

世界的に低い有休消化率

有給の取得について、損害賠償請求裁判になったことも結構あるといいます。

「『こういう言い方をされた』とか。『ウチは有休はないから』という訳のわからない説明をされたとか。上司の不用意な発言で損害賠償を認めた事案は結構あります」と原弁護士。

北野「例えば『理由を言わないと有休を出せないよ』と言われた場合は、戦えるわけですね」

原弁護士「それは損害賠償が発生しますね。有休を事実上抑制しているので。
取りにくくなりますもんね、事情を説明するということは」

それでも、日本では有休をあまり取れない雰囲気があると原弁護士。
有休消化率は、世界に比べても低いそうです。
 

部下の有休には触れない

北野「有休を取った場合、土産を買ってこないと嫌がらせを受けるんですかね」

原弁護士「それは職場の雰囲気で(笑)。本当はそんなことをしちゃいけないんでしょうけど。『遊びに行ったなら何かお土産を』みたいな文化ですよね」

北野「裁判沙汰にもなってるところをみたら、上司の方も問いたださない方がいいですよね」

上司は、部下の有休について触れないのが一番。

「よっぽど問題がない限りは、受け止めて認めてあげることをしないといけない」というお話でした。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2022年03月16日14時12分~抜粋

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