北野誠のズバリ

白羽弥仁監督が描く食育エンターテインメント。映画『あしやのきゅうしょく』

現在、全国公開中の映画『あしやのきゅうしょく』は、自校式給食や、栄養士によるオリジナルメニューの展開といった画期的な取り組みが注目される兵庫県芦屋市を舞台に、新米栄養士の奮闘を描いたヒューマンドラマです。

3月12日放送の『北野誠のズバリサタデーでは、この『あしやのきゅうしょく』の監督を務めた白羽弥仁さんに、「給食と食育」について伺いました。

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220円で「なんで可能なんや?」

2020年、市制施行80周年を迎えた芦屋市。

「記念に何かやりましょう」という提案があり、市長室を訪れた時、白羽さんは『芦屋の給食』というレシピ本を見つけました。「これおもしろいな」というところから、この映画がスタートしたそうです。

芦屋市の給食は、それぞれの学校で給食を作る自校式。さらに栄養士が各校に1人ずつ配属されていて、独自にメニューを決めています。

芦屋市の給食費は250円で、これは全国平均と全く同じ数字です。この内30円は牛乳代のため、実質220円。

「それでなんで可能なんや?」と不思議に思った白羽監督は、早速取材を敢行しました。
 

融通が利く理由

ポイントは、街のサイズにありました。

芦屋市には小学校が7校しかなく、目が届くということ。そして、基本的に地産地消なので、すぐ運べる環境であるということです。

豆腐、肉、野菜もすべて市内で調達しているという距離感。そしてお店の人たちがみな芦屋市内の小学校出身であることから、「多少融通が利く」と白羽監督。

白羽監督「自分の孫が通ってたりすると、そこで儲けようということはないわけですよ」
北野「『これ持って行きーな』の世界があるわけですね」

芦屋の給食は、このように続いてきたといいます。
 

マイ給食でスコッチエッグが登場!

映画を見た北野が最も驚いたのは、給食に「スコッチエッグ」が出てきたこと。芦屋市では、年に1度こどもたちのリクエストに応じる“マイ給食”の制度があるといいます。

「多少、無理な料理を作ってもらうとか。各国ごとの料理の会もあるんですね、『今日はイタリア料理の日』みたいな」と、白羽監督。

『あしやのきゅうしょく』では、芦屋市の小学校に栄養士として配置された松田るかさん演じる主人公が、予算とのはざまで悩む姿を描いています。

芦屋市の給食は11種類のアレルギーに対応していて、映画にも卵アレルギーがある男の子が登場します。

また、「お肉が食べられない」といった宗教問題にも、都度対応しているそうです。
 

食の多様さと大切さを知る

「自分は画一的なものしか食べてなかった」と振り返る北野。「学校給食ではあるけど、食育でもあるわけですね」と、納得です。

「塾通いでひとりで夕食を食べるため、栄養のバランスが悪い。またはファストフードの食べ過ぎで舌が単純になっているこどもがいる」と白羽監督。

「『実は食ってこんなに多用なんだよ』、または『バランス良く栄養を取らないとダメなんだよ』ということを、給食で知ってもらうということでしょうね」と、給食における食育について語ってくれました。
 

給食と食育

「いろいろなお子さんが学校の中にいて。給食という縦軸の中にいろんな問題があるっていうのもあって。観ていておもしろいなと思いました」と、映画の感想を述べる北野。

「給食、懐かしいな」というのとは、まったく異なる視点で観ることができたそうです。

白羽監督「給食って、話題にできるじゃないですか。『あの時ああやった、こうやった』って。映画を観て、そんな話になったらいいなと思います」

北野「『脱脂粉乳があった世代』と『なかった世代』とかありますからね」

この映画が、こどもの頃の給食を思い出すきっかけにもなりそうです。

映画『あしやのきゅうしょく』は、「名演小劇場」「イオンシネマ豊田KiTARA」「ユナイテッド・シネマ豊橋18」で上映中です。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2022年03月12日10時30分~抜粋

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