『北野誠のズバリ』、身近な疑問・質問・お悩みを解決する「ズバリ法律相談室」のコーナー。
3月9日の放送には、「お金を払って不用品の廃棄を頼んでいたのに、回収される前に盗まれた」とお嘆きのAさんからおたよりが寄せられました。
「今後どうすればいいですか」というAさんの相談に、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が答えます。
回収を依頼していたゴミが盗まれた!これは「窃盗」になる?
普通にみれば「捨てたもの」
「私の息子が就職に伴って引越しをしました。もう使っていない椅子をこの機に捨てようと思い、住んでいる地域にお金を払ってゴミ収集を依頼しました。
しかし、回収される前に誰かに盗まれてしまいました。これはれっきとした盗難になると思います。
悔しいのですが、今後どうすればよいのでしょうか」(Aさん)
「これは粗大ゴミなんですけど。これが窃盗になるっていうことはあるんですか?」と半信半疑の北野誠に、「ゴミ捨て場に置いてあるということで、普通にみれば捨てたものですから、窃盗はちょっと難しい」と原弁護士。
残念ですが、ゴミとして出していたものである以上、窃盗として扱うことは難しいようです。
しかし、回収される前に誰かに盗まれてしまいました。これはれっきとした盗難になると思います。
悔しいのですが、今後どうすればよいのでしょうか」(Aさん)
「これは粗大ゴミなんですけど。これが窃盗になるっていうことはあるんですか?」と半信半疑の北野誠に、「ゴミ捨て場に置いてあるということで、普通にみれば捨てたものですから、窃盗はちょっと難しい」と原弁護士。
残念ですが、ゴミとして出していたものである以上、窃盗として扱うことは難しいようです。
「市町村に帰属します」
有価物を勝手に持って行かれないようにするため、ゴミ捨て場によっては「市町村に帰属します」と表示してあったり、条例で定められていたりするところがあります。
北野「所有権は市町村にあることになってるわけですね」
原弁護士「そうです。特にアルミ缶とか、紙とか。資源ゴミは結構書かれてますね」
北野「例えばゴミ捨て場に、『無断持ち去り厳禁』と市町村からの貼り紙があったら、それもダメなんですね?」
原弁護士「そうなると所有権は残っていることになるので、そうなると窃盗の可能性もあるし。ゴミとして捨てていない限りは犯罪になります」
ゴミ捨て場に貼り紙があった場合は、犯罪となる可能性もあるようです。
北野「所有権は市町村にあることになってるわけですね」
原弁護士「そうです。特にアルミ缶とか、紙とか。資源ゴミは結構書かれてますね」
北野「例えばゴミ捨て場に、『無断持ち去り厳禁』と市町村からの貼り紙があったら、それもダメなんですね?」
原弁護士「そうなると所有権は残っていることになるので、そうなると窃盗の可能性もあるし。ゴミとして捨てていない限りは犯罪になります」
ゴミ捨て場に貼り紙があった場合は、犯罪となる可能性もあるようです。
昔はゆるかった
以前住んでいた大阪で、4か月に1回くらい「粗大ごみの日」があったという北野。
北野「粗大ごみを置くところに持って行くんですよ。持って行ったら誰かが来て、また誰かが持っていかはるんですよ」
原弁護士「(笑)昔はね、ゆるかったんですよ」
北野「粗大ゴミの日やのに、椅子がひとつポツンと置かれているだけで。物々交換になってたことがあったんですけどね」
原弁護士「昔はいいこと。リサイクルになるし、『使いたきゃ持って帰れば』みたいな話だったと思うんですけど」
おおらかな時代もありました。
北野「粗大ごみを置くところに持って行くんですよ。持って行ったら誰かが来て、また誰かが持っていかはるんですよ」
原弁護士「(笑)昔はね、ゆるかったんですよ」
北野「粗大ゴミの日やのに、椅子がひとつポツンと置かれているだけで。物々交換になってたことがあったんですけどね」
原弁護士「昔はいいこと。リサイクルになるし、『使いたきゃ持って帰れば』みたいな話だったと思うんですけど」
おおらかな時代もありました。
資源ゴミはお金になる
ポイントは、「資源ゴミはお金になる」ということ。
現金化して町内会や団地で使おうとしていたのに、持って行かれてしまっては大問題です。
「粗大ゴミも区別がしにくくなるし、お金を払ってステッカーを貼るっていう形が多くて。とにかく『ゴミ置き場から持って行かないでくださいね』っていうのが普通です」と原弁護士。
北野「マンションの中に入って窃盗をした場合は住居侵入になるんですか?」
原弁護士「より一層そうなんですよ」
地域のゴミ捨て場であれば「わからなかった、ゴミだと思った」で済む場合もあるかもしれませんが、マンションの中まで侵入しているとなると、言い訳のしようがありません。
現金化して町内会や団地で使おうとしていたのに、持って行かれてしまっては大問題です。
「粗大ゴミも区別がしにくくなるし、お金を払ってステッカーを貼るっていう形が多くて。とにかく『ゴミ置き場から持って行かないでくださいね』っていうのが普通です」と原弁護士。
北野「マンションの中に入って窃盗をした場合は住居侵入になるんですか?」
原弁護士「より一層そうなんですよ」
地域のゴミ捨て場であれば「わからなかった、ゴミだと思った」で済む場合もあるかもしれませんが、マンションの中まで侵入しているとなると、言い訳のしようがありません。
あとから価値がわかったら?
北野「わからずに捨てていて、『これ価値あるやん』と思う人が持って行って。儲けが出た場合は、そのお金は戻って来るんですか?」
原弁護士「価値は客観的なものなので。本人が知らずに捨てて、誰か取っていったとわかれば、何らかの形で戻さなきゃいけない。返還請求ができます」
本、絵画、美術品、アンティーク品などは、こういったケースも考えられます。
原弁護士「ただ、いったん取られちゃうとなかなかわからないっていうのが現実」
北野「名前を書いてなかったらわかれへんし。犯人がわからない場合もありますもんね」
原弁護士「価値にあとから気づくのも珍しいし。結構、世の中にはあると思うんですけど。気づかれてないっていうだけで」
理屈では請求できるものの、実際問題として犯人がわかるかどうか、という問題があります。
原弁護士「価値は客観的なものなので。本人が知らずに捨てて、誰か取っていったとわかれば、何らかの形で戻さなきゃいけない。返還請求ができます」
本、絵画、美術品、アンティーク品などは、こういったケースも考えられます。
原弁護士「ただ、いったん取られちゃうとなかなかわからないっていうのが現実」
北野「名前を書いてなかったらわかれへんし。犯人がわからない場合もありますもんね」
原弁護士「価値にあとから気づくのも珍しいし。結構、世の中にはあると思うんですけど。気づかれてないっていうだけで」
理屈では請求できるものの、実際問題として犯人がわかるかどうか、という問題があります。
日本は捨てすぎ
資源ゴミは、「みなさんが思うより、結構な金額になる」と原弁護士。
地域で年間数百万になる場合もあるため、これを町内会費などにあてていた場合は、負担が増えてしまうというわけです。
一方、これで小遣い稼ぎをしている人も存在します。
北野「捨てる方が価値をわかってなくて、取る方が価値をわかってるとそうなりますね」
原弁護士「日本は捨てすぎなんだと思うんですよね。缶や瓶だって本当は資源。リサイクルできるのに、ポンポン捨てちゃうからそういうことになるんでしょうけど」
地域で年間数百万になる場合もあるため、これを町内会費などにあてていた場合は、負担が増えてしまうというわけです。
一方、これで小遣い稼ぎをしている人も存在します。
北野「捨てる方が価値をわかってなくて、取る方が価値をわかってるとそうなりますね」
原弁護士「日本は捨てすぎなんだと思うんですよね。缶や瓶だって本当は資源。リサイクルできるのに、ポンポン捨てちゃうからそういうことになるんでしょうけど」
ユニクロに訴えられる?
資源ゴミを集めるスーパーは多くありますが、ZARAやユニクロでも、着なくなった服の回収を行っています。
「指定したところに自分から持って行くのは全然いいので。そうしていただくのと、安易にゴミだからと取って行かない」と原弁護士。
北野「ユニクロで、誰かが捨てたやつを取っていくのは」
原弁護士「それは間違いなくユニクロに訴えられます(笑)。その場で捕まりますね」
北野「現行犯逮捕。融通きかんね、意外と」
誰かが捨てたもの、いらないと判断したものでも、勝手に取っていくことは犯罪です。気を付けましょう。
(minto)
「指定したところに自分から持って行くのは全然いいので。そうしていただくのと、安易にゴミだからと取って行かない」と原弁護士。
北野「ユニクロで、誰かが捨てたやつを取っていくのは」
原弁護士「それは間違いなくユニクロに訴えられます(笑)。その場で捕まりますね」
北野「現行犯逮捕。融通きかんね、意外と」
誰かが捨てたもの、いらないと判断したものでも、勝手に取っていくことは犯罪です。気を付けましょう。
(minto)
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