北野誠のズバリ

死の前後30秒の脳波データで「走馬灯」の存在が明らかに?

亡くなる人が死の直前に見るといわれている「走馬灯」。
これまではその存在を証明するデータはありませんでしたが、ある偶然から走馬灯の科学的証拠が得られた可能性があります。

2月10日放送の『北野誠のズバリ』では、「亡くなる前後30秒の脳波」を捉えた最新の研究について、芸人で日本語学者のサンキュータツオさんが解説しました。

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走馬灯の科学的根拠

アメリカ・ルイビル大学の医学研究チームは、てんかん患者の男性が亡くなる前にたまたま付けていた脳スキャン装置から、「死の前後30秒間の脳波」が記録されたと発表しました。

発作の兆候をさぐるために付けていた脳スキャン装置に、偶然走馬灯の脳波が記録できたというのです。

その脳波を調べてみると、夢を見たり、記憶を思い出したり、瞑想したりする時の脳波と同じであることが判明しました。

これが、いわゆる走馬灯の科学的根拠になるのではというニュースです。
 

心停止直前・直後の大きな変化

日本では「走馬灯」ですが、この現象は時代や民族を超えて存在しており、さまざまな国でこれを指し示す言葉があります。

イギリスでは「パノラマ記憶」、世界的には「ライフレビューエクスペリエンス」または
「フラッシュ」と呼ばれています。

この「死の前後30秒間の脳波」のデータを基にした研究は、2022年2月22日発売の科学雑誌『老化神経科学の最前線(Frontiers in Aging Neuroscience)』に論文として発表されました。

脳波を分析した結果、心臓停止の直前と直後で「ガンマ波」と呼ばれる振動帯に大きな変化が見られることが判明したのです。
 

正しくは「測定できたかも?」

脳波の振動の中で最も速いガンマ波は、警戒心と注意力があるときに発生するもの。

夢想、記憶の検索、情報処理をしている時に特に活発になるもので、「記憶のフラッシュバック」とも強く関係していることはすでにわかっています。

目も見えず、口をきく体力もない中、最後の数十秒にこのガンマ波が突発的に活発になるのはなぜか。これがいわゆる「走馬灯」というものではないのか、というのが今回発表されたテーマです。

ただ、これは人類で最初のデータ。すでに脳に腫れがあった人のデータなので、一般化するには時期尚早といえます。

「測定できた!」ではなく、「測定できたかも?」が正しいとのことです。
 

偶然から生まれた電子レンジ

今回のケースは、治療のためにたまたま付けていた装置がもたらした成果。このように偶然が発明や研究に繋がるケースは珍しくありません。

たとえば電子レンジは、アメリカの発明家パーシー・スペンサーが、ポケットの中にチョコレートを入れてしまっていたことがきっかけ。

熱電子管を持っている時にチョコレートが溶けてしまったことから「これを再現できるのでは」と思い付き、誕生しました。
 

コカ・コーラは助手のミスがきっかけ

コカ・コーラは、アメリカの薬剤師ジョン・ペンバートンが痛み止めのシロップを作ろうとしていて偶然にできたものです。

実験は失敗続きでしたが、たまたまおいしい液体が完成。助手に冷たい水を加えるよう指示したものの、助手は間違えて冷たい炭酸水を加えてしまいました。世界的に普及しているコカ・コーラはこうして生まれたのです。

今回の走馬灯の脳波も、偶然がもたらした成果です。

「科学者たちが、失敗を『別のことに使えないかな』という貪欲な発想でリカバーしたことからできたものということ。偶然すらも発見や研究に繋げる、そんな研究者たちの心の在り方がすごいんだという話を伝えたかった」と語ったタツオさんでした。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2022年02月24日13時44分~抜粋

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