北野誠のズバリ

生命保険が相続対策に使える?その理由とは

自分が歳を取ってくると、気になるのが相続税。

資産家でなくても、こどもに少しでもお金や不動産を残してあげたいのが親心ですが、相続税によってせっかくの家を売ることにもなりかねません。

2月21日放送『北野誠のズバリ』の「ズバリマネー相談室」コーナーでは、「生命保険が相続対策になるのは本当か?」という疑問に対し、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャルプランナー、徳山誠也さんが回答しました。

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生命保険の受取人は重要

今回、番組で取り上げた相談のおたよりは次のとおりです。

「よく相続税対策で生命保険を活用するという言葉を目にしますが、具体的にどのような保険に入れば良いか、よくわかりません。

私自身の相続を考えると、家や土地と他の財産を合わせると、相続税は必ずかかるであろうという金額になります。
妻と2人のこどもが相続人となるので、分け方や税金の面でどのような保険に入っておけば役に立つのか、教えていただけないでしょうか」(Aさん)

ここでいう生命保険とは、死亡保障のことを指すのですが、これが相続税対策とどのような関係があるのでしょうか。

まず、生命保険に加入する時は保険金の受取人を設定しますが、相続税対策の1つが、受取人を配偶者などの相続人にすることです。

保険金の受取は効力が強く、必ず指定した受取人が受け取るルールとなっているため、相続放棄をしたとしても死亡保険金は受け取れます。

また、保険金は遺産の分割の計算から除外されますので、別個に渡すことができます。

なお、受取人は複数に設定できますし、受取人が先に亡くなった場合は、民法における法定相続人が受け取れるようになっているとのことです。
 

相続税がかかるのは遺産が何円以上?

ここで、生命保険が相続対策になるという話なら、相続税はかからないのかと誤解をしそうですが、みなし相続財産として扱われ、普通に相続税はかかります。

ただし、この保険金には非課税枠があり、500万円×法定相続人の人数分の金額には相続税はかかりません。

Aさんの場合、保険金が1,500万円以下の分については、相続税はかからないことになります。

ちなみに、相続税自体は「3,000万円+600万円×法定相続人」以上の遺産にかかります。

仮にAさんが6,000万円の財産を持っていた場合、4,800万円を超える1,200万円分の遺産に対し相続税がかかりますが、この1,200万円がもし生前、現金を保険金に置き換えていれば、(1,500万円を下回っているため)すべて非課税枠の扱いとなり、理屈上は税金がかからないことになります。
 

一時払終身保険とは?

ここで気になるのが、「現金を保険金に置き換える」とは、どういう意味なのでしょうか。

徳山さん「条件はありますけど、よく使うのが一時払終身保険といって、まとまった保険料をポンと入れると、ほぼ同額の保障になるんですね。

1,200万円払って1,200万円の保険に入る。

普通に考えたら(払った額と受け取る額が同じなので)メリットはないですけど、さっきの非課税枠が使えたり、あとは受取人に必ず渡せるので、お金に名前を付けるわけじゃないですけど(確実に渡せる)」

一般的な生命保険だと年齢制限がありますが、一時払終身保険の場合は加入年齢がかなり幅広いですので、遺産が気になる方は検討してみてはいかがでしょうか。

最後に徳山さんは一時払終身保険に加入する場合の注意点として、「自分の財産の総額に対して、保険金が過剰に多すぎないようにすること」を挙げました。

徳山さん「例えば5,000万円しか持っていないのに、4,000万円を一時払終身保険にして、こどもさんがいるのに1人だけに渡そうとすると、裁判になって、否認されたりするんですね。

どこまでっていう決まりはないんですけど、判例もあるので。適度な金額でということですね」

自分の財産総額と相続税がかかる下限を確認しつつ、判断したほうが良さそうです。
(岡本)
 
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2022年02月21日14時12分~抜粋

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