北野誠のズバリ

アレルギーがあるものを無理やり食べさせるのは犯罪?

『北野誠のズバリ』、身近な疑問・質問・お悩みを解決する「ズバリ法律相談室」のコーナー。

2月16日の放送には、リスナーAさんから「小学生の頃、アレルギーがあるにもかかわらず、『食べ物を残してはいけない』と言われ食べさせられた経験がある」というおたよりが寄せられました。

「食べた後、ちょっとかゆみが出た程度でしたが、よくよく考えたら命にかかわることなので、犯罪につながるのではないでしょうか」というAさんの質問に、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が答えます。

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殺人、傷害致死になることも

この質問に、「相手がアレルギーのことを本当に何も知らず、たまたま食べさせてしまったのであれば、ただの善意なので犯罪にはならない」と原弁護士。

アレルギーがあることを知っていた上で食べさせた場合は、「過失があるので、不法行為に基づく損害賠償が生じる」とのことです。

「知っていた場合は絶対ダメですよね?」と尋ねる北野誠に、原弁護士は「知っていたらこれは犯罪」と断言。

場合によっては、殺人や傷害、傷害致死になることもあるそうです。
 

「食べたら治る!」は大問題?

北野「時々、よくわからん持論をお持ちの方が『大丈夫やって!食べたら治るって、慣れていくもんやから』って、根拠のない自信満々に言う人がおるんですけど。あれはどうなんですか?」

原弁護士「昔は、『食べさせれば少しずつ慣れてくるんだ』みたいな都市伝説がありましたけど。詳しくはないですけど、多分違うと思うんですよね」

この行為は「重過失」や「未必の故意」となり、刑事罰を受ける可能性も十分にあるといいます。

症状の出ない少量からアレルギーのある食べ物を摂取し、計画的に少しずつ量を増やしていくという方法はありますが、これは医療行為。
素人が勝手に判断をするのは、あり得ないことです。

「よかれと思っても、犯罪は犯罪だし、過失は過失なんですね」と原弁護士。
 

夜中に救急搬送

先日、ネットで「グルテンフリーをお願いした和食レストランで天丼を食べたら、その夜に救急搬送された」という記事を読んだという北野。

「最初にグルテンフリーって言うてたけど、これはヤバいですよね」と尋ねる北野に、「これは過失はあきらかなので、不法行為が成立するでしょう」と原弁護士。

故意とは思わないので刑事罰ではないものの、過失傷害、不法行為は仕方がないとのことです。

ただ、「難しいんですよね」と原弁護士。

これは、少量でも反応してしまう場合、料理には使用していないが調味料に入っていたり、または同じ鍋で茹でた、同じまな板を使用したという場合も考えられるため。

「どこまで過失なのか」は、非常に難しい判断であるようです。
 

アレルギーを学ぶ時代

このような場合、損害賠償請求はできるのでしょうか。原弁護士の見解は「できます」。

「治療を受けると治療費もかかりますし、重くて入院すれば当然入院の費用とか、慰謝料とかもありますし。後遺症まで残れば逸失利益もあり得る」とのことです。

北野「グルテンフリーって言って、『小麦がダメなんですよ』っていうのが、ちゃんと料理人に伝わってなかったんちゃうかと思うんですよね」

原弁護士「『まさかここに入っているとは』っていう、なんとなく思い込みもあるんじゃないかな」

周囲にアレルギーの人がいる場合は意識が高くなりますが、身近にいないため意識が持ちづらい人もいます。

ホテルやレストランなど食事を提供する側も、アレルギーについて勉強をしなければいけない時代だということです。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2022年02月16日14時11分~抜粋

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