北野誠のズバリ

割れないシャボン玉「永遠の泡」ってどんなの?

ふわふわ宙に浮き、すぐに割れてしまうイメージがあるシャボン玉。しかし、こんな常識を覆した研究があります。

フランス・リール大学の研究チームが、1年以上割れないシャボン玉「永遠の泡」の開発に成功し、物理学会をザワつかせています。

2月10日放送の『北野誠のズバリ』では、芸人で日本語学者サンキュータツオさんが、この「研究者が本気で作ったシャボン玉」について語りました。

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砂糖入りのシャボン玉

シャボン玉は、水の表面張力が弱まることで、丸くまとまっている状態。すぐに割れてしまうのは、水の蒸発が原因です。

タツオさんが、シャボン玉を割れにくくする一般的な方法を3つ紹介します。

1つ目は「砂糖を混ぜる」

「これは知ってました」と北野誠。何で知ったかは覚えていないものの、こどもたちが小さい頃、公園で試してみたことがあるんだそう。

砂糖を混ぜることは、こども向けの自由研究でも紹介されている方法。水に粘りをもたらすために砂糖やグラニュー糖、ガムシロップを混ぜることで、割れにくいシャボン玉ができるといいます。
 

シャボン玉は「研究者の腕試し」

2つ目は「グリセリンを混ぜる」。身近なものでいうと化粧水です。化粧水の保湿成分・ヒアルロン酸が水の蒸発を防ぎます。

北野「そうか!なかなか蒸発せえへんから、うるおいを保つんや!」
タツオさん「人の肌だけじゃないんですよね」

3つ目は「温度を調節する」。外気の温度が高いと水は蒸発しにくくなるのため、シャボン玉が長持ちします。

「気温が38度の場合、机の上に落ちても1日は割れないほどの強いシャボン玉ができる」という実験結果を発表している論文があるそうです。

シャボン玉を安定させるのには高度な技術が必要が必要とされるため、「研究者の腕試し」的な要素があります。
 

プラスチック入りのシャボン玉

今年、このシャボン玉実験に新たな展開がありました。アメリカ物理学会が発行する学術雑誌『フィジカル・レビュー』に、「永遠の泡」と題した論文が発表されたのです。

発表したのは、フランスの物理学者アイメリク・ラウックス氏が率いるリール大学の研究チーム。

「彼らが作ったシャボン玉は最長、465日割れなかったんです!」というタツオさんに、氏田朋子は「1年以上ってことですよね?」と驚きを隠せません。

元々「泡の虚弱性」をテーマに研究を続けてきたラウックス氏が目を付けたのは、泡にプラスチックの微粒子を混ぜることで強度を上げた「ガス・マーブル」という素材でした。

つまり「プラスチック入りシャボン玉」です。
 

465日長持ちしたシャボン玉

「ガス・マーブル」は2017年にフランスの物理学者が作り出した新素材。ラウックス氏は、この新素材の強度に注目しました。

持続力を比較したところ、普通のシャボン玉が1分のところ、ガス・マーブル入りのシャボン玉は66分間割れなかったのです。

普通の研究者であれば、ここで研究は終了。しかしラウックス氏は、このガス・マーブルシャボン玉に、蒸発を防ぐグリセリンを少しづつ加え、「どの比率が最も長持ちするか」という実験を行いました。

この実験で「465日長持ちしたシャボン玉」が生まれたのです。
 

大人げない自由研究

この研究チームは、「ガス・マーブル」に含まれる成分の割合を変えることで、新たにピラミッド型に変形した泡の開発にも成功しています。

こちらは1月末の時点で、すでに378日以上持続していると報告されているそうです。

「どう役立つかわかりませんが、知らない間に普及している可能性はあります。“大人げない自由研究”のような実験ですが、バカにできないよという話です」と、まとめたタツオさんでした」
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2022年02月10日14時43分~抜粋

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