北野誠のズバリ

落合監督の実像に迫る。『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』

2021年09月28日(火)

カルチャー

『北野誠のズバリサタデー』、話題の本の著者にインタビューする「ズバリこの人に聞きたい」のコーナー。

9月25日のゲストは『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』(文藝春秋)の著者でフリーライターの鈴木忠平さん。

鈴木さんは日刊スポーツ新聞社に在籍していた当時、番記者として8年間落合さんに密着していました。この本では、12人の球団関係者への取材を通して、新たな落合監督像を浮かび上がらせています。

塩見啓一アナウンサーが話を伺いました。

「面白さに気づいて近寄って行った」

落合監督が中日ドラゴンズで監督を務めた8年間、ドラゴンズはペナントレースですべてAクラスに入り、日本シリーズに5度も進出。2007年には見事日本一に輝きました。

それでも落合監督は、フロントや野球ファン、マスコミから厳しい目線を浴びていたといわれています。

同じ時期に取材をしていたため、塩見と鈴木さんは顔見知り同士。

塩見は鈴木さんについて「落合監督と距離が近く、いつもピッタリ一緒にいる」というイメージを持っていたんだとか。

それでも初めの頃は、鈴木さんにとっても落合監督はやはり近づきがたい存在。「後半はようやく落合さんの面白さに気づけて、自分から近寄って行った」と教えてくれました。
 

『嫌われた監督』なら書ける

「いつか落合博満という人物について、長いものを書いてみよう」と考えてはいたものの、「それは自分が死ぬ間際でもいいと思っていた」と鈴木さん。

「ある人について本を書くということは、『この人はこういう方である』という結論を出さないといけない」

こんなポリシーを持っていた鈴木さんでしたが、落合監督に対してはなかなかそれが見えてこなかったといいます。

「自分が年を取ればそういうものが書けるのでは」と長いスパンで考えていた鈴木さんに、『週刊文春』の編集長から落合監督に関する連載の話が舞い込みます。

「なぜ今なんだ?」と困惑した鈴木さんでしたが、編集長から『嫌われた監督』というタイトルを提示され、「それなら書けるかな」という思いに至ったそうです。

自分が見た、ある人が見た落合さん

「結論めいたものを導き出さなくてもいいんだな、ということをタイトルに教えてもらった。自分の見た落合さんとか、ある人の見た落合さんを書けばいいんだな」と気づいたと話す鈴木さん。

実際この本を読んだ塩見も、「ルポルタージュ、ドキュメンタリー」と感じたといいます。

鈴木さんいわく、この本は「ある場面があって、落合さんとある人がいて、こんなことが起こりました」という内容が中心。

「それがどんな意味かは、読んだ方に受け取っていただければいいかな。そういう書き方をしました」と教えてくれました。

記者の成長物語の一面も

この本について「鈴木さんの成長物語にも見える。一人の記者が成長してく様」と語る塩見。

鈴木さんは当初、12人の選手や球団関係者を通して落合さんを書こうとしていましたが、「どうしても球団内からの視点になってしまう」と気づきます。

落合監督と球場外で接する機会も多く、プライベートな姿を垣間見ることもあった鈴木さんは、「私も落合さんに影響を受けた一記者として、登場人物にしてしまおう」と、自らについても書くことを決めたそうです。

「塩見さんがおっしゃる通り、それが横軸になっている本です」と鈴木さん。

『週刊文春』連載時より、大反響を巻き起こした傑作ノンフィクション『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』

落合監督に影響を受け、真のプロフェッショナルへと変貌をとげた12人の男たちの証言から、監督の実像に迫る本です。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2021年09月25日10時33分~抜粋
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