北野誠のズバリ

安いデカ盛り料理を出す店を美談にする番組。本当にそれでいいの?

昨今のグルメバラエティ番組では、超大盛いわゆる「デカ盛り」の料理を、驚くような安い値段で提供する飲食店を紹介することがあります。

「お客さんの喜ぶ顔が見たいから」といいつつ、実際には赤字の飲食店も。赤字分を副業で補ったり、貯金を取り崩したりして経営しているケースもあるようです。

テレビでは「お客さんのためにエライ!」と美談にしがちですが、本当にそれでよいのでしょうか。

9月21日放送の『北野誠のズバリ』ではウェブメディア『オトナンサー』の記事から、このデカ盛り問題を取り上げました。

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赤字ならセンスゼロ

リポーターが「えっ!どうしてこんなに安いんですか?赤字なんじゃないですか?」と聞いて、店主が「いやいや、お客さんの喜ぶ顔がみたいから。ほとんど利益はないけど大丈夫ですよ」と答える。

グルメバラエティ番組でよく目にするやり取りです。

このデカ盛り問題について、「前から思っていた」と北野誠。「本当に赤字なら、経営者はセンスゼロ」と指摘します。

北野いわく、「居酒屋や食堂は、飲み物を頼んでもらわないと利益が出ない」。原価率の良いお酒で利益を上げないかぎり、料理で挽回するのは非常に難しいことだというのです。

「酒も出さない店でデカ盛りやってるところでは、本当に何のためにやってるのだろう」と、不思議でしかたがないと語る北野。
 

「お得だから」でフードロス

さらに北野は、「デカ盛りを頼む人は全部食べきれるのかが不思議」と首をひねります。

「エビフライを山のように積んでみたとか。1回で食べきれるのか。食べられるのならいいけど、食べきらないような人が出てきて」と、フードロスの問題も大きいと批判する北野。

北野の友人のラーメン店は、野菜大盛りのラーメンが売り。しかし「大人限定」です。

理由を尋ねる北野に、「『こどもにもこれを食べさせてくれ』という人がいるけど、絶対食べられない」と友人。

「こちらの方がお得だから」と、こどもにも同じラーメンを注文するものの、結局麺に行きつかないまま終了してしまうことも。

「残してもいい、途中まで食べられればいい」と、フードロスのことは全く考えないお客さんもいるんだそう。
 

「バズりたいだけでしょ?」

「収録終わった後ちゃんと食べてくれるのかな、と思いますよね」
デカ盛りの番組を見てると、その後が気になってしまうという山内彩加アウンサー。

松原タニシは「お客さんの喜ぶ顔が見たい」という、店主のお決まりのコメントにも違和感があるといいます。

「今の時代、その定番のメッキはもう剥がれてるじゃないですか。『そんな訳ないやん』って視聴者は思いだしてる」と松原。

松原「『バズりたいだけでしょ?』みたいな」
北野「見てる側もそう見ちゃうしね」
 

デカ盛りの負のサイクル

松原が長くアルバイトをしていた「金龍ラーメン」は、ラーメンを頼むとご飯とキムチは食べ放題。

「いましたね。そのおっちゃんが来たらすぐにご飯を炊かないと間に合わんっていう」、と“山盛りジジイ”と呼ばれていたおじさんについて語ります。

「『ヤバいぞ! あのおっちゃん来た!』ってなるんですけど。あの人はほんまに食べますからね」

ちゃんと食べられる人にとって、デカ盛りは天国。問題は、テレビで見て「食べられないだろうな」と思いながらも、チャレンジしに行ってしまう人たちです。

「『あー無理やったわ、捨てないかん』は、すごいもったいないサイクルだと思うので」と北野。

デカ盛りにお客さんが殺到すると、店は赤字になり、フードロスも増えるなど、いいことがありません。

「デカ盛り料理はテレビで取り上げてほしくない」と主張した北野でした。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2021年09月21日13時17分~抜粋

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