北野誠のズバリ

漢詩で愛欲日記。一休さんは性に奔放だった!?

『北野誠のズバリ』、話題の本の著者にインタビューする「ズバリこの人に聞きたい」のコーナー。

9月4日のゲストは『くそじじいとくそばばあの日本史』( ポプラ新書)の著者で、古典エッセイストの大塚ひかりさん。

著書では、日本の歴史に登場する、したたかにたくましく生きた老人たちにフォーカスし、そのパワフルな生き方の秘訣を古典からわかりやすく読み解いています。
その中には、性に貪欲で奔放な老人たちの姿もありました。

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「日本人は昔からエロい」

今回のテーマは「日本史に見る、高齢者の性」

『くそじじいとくそばばあの日本史』を読了した北野誠の感想は、「人間ってどんなに時代を経ても、エロからは離れられないものなんですね」というもの。

大塚さんは「特に日本人は昔からエロいですからね(笑)」と笑います。

北野が気になったのは、一休さんの話。

77歳の時、20~30代の目が不自由な旅芸人と愛欲に溺れている様子を漢詩に書いていたというのです。

北野「日記を付けてるようなもんでしょ」
大塚さん「美しい日記ですけれどもね」

アニメの「かわいい坊や」のイメージが強い一休さんですが、「美人の婬水を吸う」「玉茎萌ゆる」など、内容はかなり赤裸々だったそうです。
 

観音様に「金と米と美女」をおねだり

仏教界は「ストイック」と思い込んでいたのに「性に奔放」と知って驚いたという北野に、「奔放ですよ!」と大塚さん。

鎌倉時代の本には、むしろ「出家してから自由にしろ」というセリフさえあったといいます。

大塚さん「平安時代に書かれた日本最古の『仏教説話集』でも、観音様に『金と米と美女をたくさんお授けください』と祈ったら、観音様の功徳で授けられたという話もあるんですよ」

日本には昔から「高齢者にも性欲があって当たり前」という考えがあり、万葉集の中でも「白髪頭になってもこんな恋に巡りあうとは」といった老いらくの恋の歌も多いんだそう。
 

「俺、まだまだイケるな」

恋物語として歴史的にもっとも有名な古典は、やはり『源氏物語』。

60歳弱の女性、源典侍(げんのないしのすけ)は、19~20歳の源氏やその親友とセックスに励んでいましたが、昔からの恋人もいました。

彼女には、実在のモデルがいたという説もあるそうです。

小さい頃は「50~60歳になったら、色恋から離れていくものだと思っていた」という北野。

「自分がそういう年齢になったら、そうでもないな」と感じていたものの、「この本を読んだら、『俺、まだまだイケるな』と思いましたね」と、なにやら自信がついた様子。
 

いい老人でいなくてもいい

春画の発掘と研究で知られる白倉敬彦(よしひこ)さんの著書では、70歳を過ぎた老夫婦が工夫してセックスをする様子を描いた春画もあると紹介されているそうです。

「世界中どこにもないのでは」と白倉さんが書いているように、これは「日本特異」なものだといいます。

「自分が60歳になって、自分を元気付けたかった」と大塚さん。

「老人のイメージが悪くなってると思うんですよね、最近。そうじゃなくて、昔からパワフルでしたたかな老人、いわゆるくそばばあ・くそじいいがいたっていうことで。『世の中の期待に答えなくても、いい老人でいなくてもいいんじゃないか』」と、この本を書いたきっかけについて語りました。
 

人間の根源的は変わらない

北野が注目したのは、江戸時代の浮世絵師・歌川国芳(うたがわ くによし)が描いた、6人の老人が集まる絵。

北野「昔から江戸時代にもいた、迷惑じじい6人なんです。現代の“キレる老人”と共通するものがありますね」
大塚さん「“迷惑老人”として描かれてるんですけど。それでもたくましく生きてた人たちが多くいた」

「どれだけ時代が進んで、どれだけネットが発達しても、人間の根源的なところは変わらないっていうのがこれでよくわかりました。非常に面白い本でした」と感想を語った北野でした。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2021年09月04日10時34分~抜粋

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