北野誠のズバリ

恐怖!昭和40年代のうどん屋にタイムスリップした男の話

『北野誠のズバリ』、今週は「お盆特別企画 怪談てんこ盛り」と題して、日替わりで怪談師をゲストに招きます。

8月10日の放送には、オカルトコレクターの田中俊行さんが、事故物件住みます芸人の松原タニシと共に「怪談会の最強タッグ」で登場。

田中さんは、知り合いの骨とう品屋のオーナーが体験した、摩訶不思議な話を披露してくれました。

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大量の日記から怪談話を発見

田中さんが通う骨とう品屋は、かわいいものやレトロなもので溢れているものの、お店の奥は「呪われたもの」でいっぱい。

その中で田中さんが気になったのは、オーナーが海外にいるお兄さんに向けて書いた大量の日記のコピーでした。

そこには、いくつかの怪談話が書いてあったといいます。

今から30年ほど前、東京の文京区で暮らしていたオーナー。まだ骨とう品屋はやっておらず、海外の美術画を売る仕事をしていました。

7月始めの午前11時頃。茗荷谷駅から取引先の「B商会」を目指して歩いていたオーナーは、通り沿いにあるうどん屋さんのダシのいい香りに引き寄せられたのです。
 

ぬるい水、古い扇風機、白黒テレビ

デコラ調のレトロなテーブルが気になりつつお品書きを見ると、うどん・そばがそれぞれ120円。天ぷらそばでも180円と破格です。

驚きつつ天ぷらうどんをオーダーすると、おばちゃんがお水を持ってきてくれました。汗だくだったので一気飲みしたものの、それは氷も入っていないぬるいお水。

「失敗したな」と思って周囲を見渡すと、エアコンはなく、羽根が鉄でできた古い扇風機がカラカラ回っているだけでした。

厨房の上にあるテレビから流れる白黒の時代劇を見ていると、天ぷらうどんが到着。それは、「とてつもなくウマい」天ぷらうどんだったといいます。

「当たりや!」と一気にすすったオーナー。汁も全部飲み干して「もう1杯頼もうかな」と思ったものの、店内の暑さには勝てません。

商談をすませてから、帰りにもう一度寄ろうと決めてお会計をしました。
 

500円札と旧硬貨のおつり

オーナーが出した千円札をジロジロ眺めるおばちゃんに、思わず「ニセ札ちゃうで」と言ったオーナー。

返ってきた860円のおつりは、なんと500円札と100円玉と10円玉。その100円玉も、裏に稲が書いてある、旧硬貨だったのです。

「なおさらいいお店だな」と気に入ったオーナーは、その足で「B商会」との商談に向かいました。

「B商会」の担当・Iさんとそのうどん屋の話になり、「今から行きましょう」と2人で向かうことに。しかし「うちの社員も行ってますわ」というIさんが入ったうどん屋さんは、エアコンが効いた全く別のお店でした。

「ここじゃないですよ」というオーナーに、「でもここしかないよ」とIさん。

そのお店でうどんを食べて出たものの、どうしても納得できないオーナーは、周囲を2往復して探します。

しかし、午前中に入ったうどん屋さんは見つからなかったのです。
 

狐の妖怪「澤蔵司」の存在

「ここにあったはずなのに」というところから出てきたおばちゃんにうどん屋さんについて尋ねると、「大昔にあった。だいぶ前に引っ越したよ」と返ってきました。

その場所は、すでにレンガ造りのビルになっていたのです……

この不思議な話に、「タイムスリップしたんやな。一瞬だけ、昭和のうどん屋に入ったんやろな」と北野誠。

田中さんはオーナーから、実際にお釣りでもらったコインを見せてもらったそうです。

実際に、文京区に足を運んでみた田中さんは、その近くにいる「澤蔵司(たくぞうす)」という狐の妖怪の存在を知ります。

この澤蔵司は、近所の「萬盛」という蕎麦屋に通っていたというのです。
 

狐狸妖怪話

田中さん「うどんと蕎麦でちょっと違うけど、化かす話は昔からあるんです」
北野「いわゆる日本の『狐狸(こり)妖怪』の話やね。“化かす”という」

田中さん「怖くはないけど、結構好きな話で」
北野「珍しい話やね」

180円という天ぷらうどんの価格を考えると「昭和40年代だろう」と推測する北野。

北野「その時だけ一瞬、昭和40年代のうどん屋に入ったんやね」
田中「実際あったらしいんで。タイムスリップっすよね」

狐に化かされたのか、はたまた一瞬だけ昭和40年の世界にタイムスリップしたのか。

骨とう品屋のオーナーが30年前に体験した、奇々怪々な話でした。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2021年08月10日13時10分~抜粋

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