北野誠のズバリ

須田慎一郎が指摘「熱海の土石流被害」本当の原因

7月3日に静岡県熱海市を襲った土石流の大部分は、実は届け出を大きく上回る量の盛り土が原因であることが判明。

建設残土が持ち込まれたと見られていますが、土石流の中には産業廃棄物も含まれていたそうです。

甚大な被害を及ぼした原因は、どこにあるのでしょうか。

7月17日放送『北野誠のズバリサタデー』では、現地取材も行ったというジャーナリストの須田慎一郎さんが、この問題の本質について解説しました。

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土石流発生の原因は?

届け出を上回る量の盛り土が存在し、さらに産業廃棄物があったということで、須田さんは「業者がやることなすこと全てデタラメ」と指摘。

当初申請していた場所よりも遥かに広範囲、量も多く持ち込み、さらに産業廃棄物、廃車も混入されていて、起こるべくして起こった災害ともいえます。

当然、この業者が最も悪いのですが、須田さんがさらに指摘する問題点は、静岡県や熱海市も、事前に十分知っていたのではないかということ。

行政から業者に対して指摘をしたものの、窓口で業者がごねてその勢いに押され、何となく許してきたのではないかということです。

北野はかつて、産業廃棄物がどんどんと不法処理されていった「豊島(香川県)問題みたいですね」と語りました。

今回は熱海市で問題となりましたが、実は静岡県の他の地域や神奈川県などでも似たような産業廃棄物の違法投棄問題があり、以前から問題視されていました。

そのため、今回の土石流の被害は、行政にも責任があるのではないかというわけです。

熱海だけの問題ではない

産業廃棄物の違法投棄は谷あいで行われることが多いそうですが、この問題は静岡県特有の問題ではありません。

どうやら日本各地でも行われているそうで、須田さんは「自分たちの住んでいる町や村に似たような箇所があるのではないか。そこは早急に検証していく必要があるんじゃないかと私は思いますね」と警告しました。

特にここ10年でゲリラ豪雨と呼ばれる局地的に大量の降水が発生する現象が増えたように感じますが、それをきっかけに違法に投棄された物が、凶器となって襲いかかってきます。

須田さん「違法投棄の場合は、コンクリートの壁もそんなにしっかり作りませんし、なおかつ排水溝などの設備も作りませんし。

実際に熱海の現場は排水溝がないんですよ。
だから、崩れるべくして崩れたという場所なんだろうと思います」
 

行政のチェックが甘かった?

今回の熱海の災害について、天災というよりも人災といった側面が見えてきます。

北野「僕も昔、『噂の!東京マガジン』(TBS系)で不法投棄現場をよく見に行きましたけど、遠くから見てもよくわからずに、森の中で木を採って、そこに穴を掘って、さほどブルーシートも(かけずに)そこにバンバン埋めて、そのまま土や泥をかぶせるだけっていう所、多かったですからね」

須田さん「今回の現場も山あいですから、普通だったら人の目に触れるところじゃないんですよ。

だから、やりたい放題になっていたでしょうし。

ただ、そうはいっても地元の人たちは『おかしいな。何であれだけの大型トラックやダンプがどんどん山奥に入っていくのか』というところで、行政側にいろいろと情報提供していた。

ところが、それに対してちゃんと向き合ってこなかった行政責任は、大きいと思いますね」

行政のチェック機能が働いていなかったことが、被害を拡大させた1つの要因といえそうです。
(岡本)
 
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2021年07月17日10時51分~抜粋

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