『北野誠のズバリサタデー』、お笑い芸人の工作太朗が気になる場所や人に取材を行う「工作員潜入レポート」のコーナー。
6月26日の放送では、100kg以上の太った人達を1時間2,000円でレンタルできるwebサービス「デブカリ」を取り上げました。
今年スタートしたばかりのこのサービス。どんな人が、どんな用途でレンタルするのか疑問に思った工作は、「デブカリ」を運営しているマイコー社長に電話取材を行いました。
ガッカリさせないデブ
「お客さんはデブに期待感を持っている。ガッカリさせたくないから100kg級のデブをそろえている」とマイコー社長。
そんなマイコー社長のポリシーは「"デブ"という言葉を多用するが、決して揶揄している訳ではなく、ポジティブな思いを込めて使っている」ということ。
自身は痩せ型のマイコー社長ですが、実はデブメンズ服専門店 「QZILLA by Mr.Bliss」の代表取締役社長でもあります。
2016年に立ち上げたこのブランドについて、「僕の周りのデブがすごく優秀なのに、だらしない服装で損をしている感じがあった」とマイコー社長。
「デブ用の服が機能性に特化しすぎていて、デザイン性は優れていない」と気づいたことが、マイコー社長自らデザインも手掛ける「QZILLA by Mr.Bliss」を始めるきっかけとなったそうです。
「カートに入れたら楽しいかも」
洋服をホームページに掲載するためモデルを探していたマイコー社長は、あることに気づきます。
それは「タレント事務所にデブがいない」という事実。さらにテレビ局のスタッフから「デブの出演者誰かいませんか?」と尋ねられたこともあり、デブのニーズを確信します。
「これはニーズがある。自分たちでデブのタレント事務所を立ち上げよう」
当時話題となっていた「レンタルなんもしない人」にヒントを得て、「デブをレンタルできるサービス」を思いついたマイコー社長。
さらに「フリマアプリのようにデブをWEBでカートに入れたら楽しいかも」という発想から、「デブカリ」が生まれました。
ユニークなキャッチコピー
「デブカリ」で最も多いオーダーは、「大盛のご飯を一緒に食べてみたい」というもの。
「1人で行きにくい食べ放題に同行してほしい」「大盛パフェを完食してみたい」「おいしいお店を知ってそうだから教えてほしい」という依頼もあります。
「重いものを持ち上げて、部屋の片づけをしてほしい」という依頼は、「筋肉質なガチムチデブに来ることが多い」とマイコー社長。1時間2,000円なので、引っ越し業者に頼むよりも割安です。
「デブカリ」ホームページの「デブ一覧」には、ずらりと並ぶ写真の下にそれぞれのキャッチコピーが書いてあります。
「友達多い料理人デブ」「プロファイター動けるデブ」といったわかりやすいものから、「山に住んでいるデブ」「中尾彬に『痩せたら綺麗になる』と言われたデブ」「なんにもできないポンコツデブ」のように目的が見えてこないものまでさまざま。
愛知県で検索すると、出てきたのは「ただのデブ」!
これらのキャッチコピーはデブの方がそれぞれ決めているそうです。
トラブル回避のために
現在110人以上のデブの方が登録済み。最近は1日平均1~2人のオファーが来て、大忙しなんだとか。
「耐荷重100㎏の健康器具のCM」「芸人さんの再現VTR」など、タレント事務所としての一面もあります。
運営上のトラブルについて尋ねる工作に、「現在はほぼない」とマイコー社長。以前、スキンシップが多いお客さんに恐怖心を感じたデブの方がいたため、事前にオープンチャットで日時や場所、レンタル目的を聞き、危険と感じた場合はその時点でオファーを断るようにしているそうです。
「デブカリ」に登録しているデブの方は、文句を言わずに感謝してくれる方ばかりで、特にトラブルはないといいます。
「デブカリ」のやりがい
「デブカリのやりがいは?」と尋ねると、「デブにも借主にも感謝されること」とマイコー社長。
「『太っていてもこんなに活躍する場所があるんだ』と、太っている人たちがやりがいを感じることが、僕のやりがい」と話してくれたそうです。
レンタル料は、デブの方にそのまま入る仕組み。マイコー社長には1円も入らず、「ただただ忙しくやっているだけ」なんだとか。
「太っているのはひとつの個性」。「デブカリ」と「QZILLA by Mr.Bliss」を通じて、「デブがかっこいいといわれる世の中にしたい」と語るマイコー社長。
「20歳以上、100㎏以上の方はデブカリにぜひチャレンジしてみてください!」と、世の中のデブの方にアピールした工作でした。
(minto)
北野誠のズバリ
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2021年06月26日11時08分~抜粋