北野誠のズバリ

お色直しならぬ「お色崩し」も…離婚式を行う目的は?

6月はジューンブライド、結婚式のシーズンですが、逆に「離婚式」というものが、日本でもここ数年の間に少しずつ増えてきているそうです。

『北野誠のズバリサタデー』の「工作太朗の工作員潜入レポート」では、東海地方を中心に活動するお笑い芸人の工作太朗が、変わったイベントなどを調査。

6月19日の放送では、離婚式の発案者で、プランナーも務められている寺井広樹さんにお話を伺いました。

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離婚式の流れ

結婚式はともかく、そもそも離婚式は何のために行うものなのでしょうか。

「離婚式オフィシャルサイト」では、「離婚式は、これから離婚をされる御夫婦または、既に離婚をされた旧郎様・旧婦様を対象にしたサービスで、ご家族やご友人の前で『再出発の決意』を誓い合う前向きなセレモニーです」と書かれています。

結婚式では主役の2人を新郎・新婦と呼ぶのに対し、離婚式では「旧郎」、「旧婦」と呼ぶのに妙に感心してしまいましたが、「これからの出発を決意する」という点では、ある意味、結婚式と目的は同じともいえます。

では、実際にどのようなことを行うのでしょうか。

最初に司会者が離婚に至った経緯を説明し、旧郎、旧婦の挨拶、友人代表スピーチと、話す内容は真逆ですが、結婚式の時とほぼ同じ流れです。

そして最後の共同作業で、ケーキへの入刀ではなく、結婚指輪をハンマーで叩き割った後、出席者でご歓談。

「歓」にはならず、ご沈黙になるような気がしますが…。
 

ブーケトスやお色「崩し」も

この中では、特に友人代表スピーチが難しそうですが、どんなことを話すのでしょうか。

寺井さん「未婚の方は難しいかもしれませんので、ご挨拶は離婚経験者の方にやってもらうことが多いです」

離婚式では結婚で失敗した点を問うのではなく、再出発を前向きに捉えるポジティブな会ですので、離婚したことがある人しかアドバイスやスピーチはできなさそうですね。

ちなみに離婚式では、結婚の時の仲人が出席するのではなく、この友人代表の方が裂人(さこうど)という役割になります。

他にもオプションで、菊の花のブーケトス(受け取った人は円満離婚できる)や、顔をパイで白くしてリセットするお色直しならぬ「お色崩し」などがあります。

このお色崩しは、両家に分かれてパイを投げ合うというもの。

お互いに恨みを込めて殺伐とした戦になるのではと思ったのですが、そんな両家の状況であれば、そもそも離婚式は開かないですね。
 

離婚式を開いたきっかけ

結婚式のパロディのようで、不謹慎のように感じられるかもしれませんが、寺井さんが2009年に始めた後、今では700組以上の式を挙げるまでに至りました。

寺井さんが離婚式を計画したきっかけは、昔から「なぜ結婚式はあるのに、離婚式はないのか?」という疑問を抱いていたこと。

ある時、先輩から離婚することを聞いた際に、離婚式を持ちかけたところ、最初は当然断られていたのですが、何度か説得して式を挙げることになりました。

参加者の空気は重苦しい状況が続きましたが、最後の指輪を叩き割ったところで大きな拍手が起きたことで、旧郎・旧婦の2人も晴れやかな顔になり、最終的には良い式になったそうです。
 

離婚式プランナーの苦労

ウェディングプランナーとは違う、離婚式プランナーならではの苦労はどんなものがあるのでしょうか。

離婚式は9割が男性側が行いたいそうですので、女性への説得が最も難しい点。

最終的には「最後の旦那の頼みなら仕方ない」と折れていただくことで式が挙げられるそうですが、式を挙げた後に女性から感謝の手紙なども来るそうで、これが寺井さんのやりがいの1つになっているそうです。

寺井さんがプランナーにあたって大事にしているのは、「感情移入しすぎないこと」。

双方に相手への不満や言い分があるので、どちらかに肩入れすると、どうしてもその感情が式に出てしまうので、うまくいかないのだそうです。

最後に寺井さんは、「日本では離婚はネガティブなものに捉えられがちですけど、もっとポジティブに捉えてもいいんじゃないかなと思うんです」と語りました。
(岡本)
 
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2021年06月19日11時08分~抜粋

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