北野誠のズバリ

名古屋人が意外と食べない「きしめん」が消滅の危機!?

名古屋名物の麺類といえば、きしめん。平べったい麺の形が特徴的で、かつおだしがきいた逸品。

『北野誠のズバリ』のパーソナリティ北野誠と、ご意見番として登場した浅草キッドの玉袋筋太郎は、新幹線で名古屋に来た時はしょっちゅう、駅のホームにあるきしめん屋さんに寄るといいます。

しかし実は、本場の名古屋人からすると、きしめんを食べる機会が減っているそうです。

6月14日の放送では、松岡亜矢子が「名古屋で手打ちきしめんが消滅の危機!?」という話を聞きつけ、調査してきました。

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きしめんよりも人気の麺類が

名古屋の飲食店では一般的にきしめんだけではなく、うどんやそばも含めて提供しているのですが、最近はきしめんを提供する店がどんどん減ってきているそうです。

一方で観光客にとっては味噌煮込みうどんの方が人気で、こちらの方は増えてきているのだとか。

また、味噌煮込みうどんと比べると、きしめんはチェーン店が少ないというのも、食べる人が少なくなっている理由の1つ。

そこで名古屋のきしめん文化を盛り上げようと、人気うどん店の「手打うどん高砂」と「うどんや太門」がタッグを組み、きしめんがメインの麺食堂「星が丘製麺所」を立ち上げました。

星が丘製麺所の代表、衣笠太門さんに、まずはきしめんの店が少ない理由についてお伺いしたところ、意外と知られていないきしめん作りの難しさが浮かび上がりました。
 

きしめんは実は贅沢品!?

衣笠さん「ただ平たいうどんを作ればいいっていうものではなくて、薄っぺらくてもちゃんと食感があるとか。

また生地がしっかりしないと途中でちぎれてしまったり、穴が開いてしまったりとか起こってきますので、通常のうどんよりは塩をたくさん入れて生地を固くして、薄く伸ばすことに耐えられるように作らなければいけなかったり。

固いと当然、伸ばすのが大変になるんですね。

うどん処は関東にも讃岐にもありますけど、名古屋のきしめんは打つために生地を固くするので、他の地域の職人さんでは伸ばせないぐらい固かったり。

職人さんの体にすごく負担がかかるので、年配になった時には打てなくなったり」

さらにうどんよりも薄く広く伸ばす分、作業場所が広くないといけませんので、うどんよりも1度に作る量が少なくなります。

その割には、うどんとあまり大きな値段差はつけられないため、効率の悪いきしめんよりもうどんを作った方が良いということになります。
 

きしめんをもっと広めたい!

そのような状況で、「おいしいきしめんをたくさん食べてもらいたい」という思いから、星が丘製麺所を出店したとのことですが、実は手打ちではなく製麺であり冷凍なのですが、きしめん文化を普及するため、あえてそうしているそうです。

衣笠さん「当たり前においしい、自分たちの思うおいしいきしめんをたくさんの人に届けなければいけないので、その方法をいろいろ考えていた時に、急速冷凍技術に出会って。

『冷凍にすれば1か所で作れる。自分たちの納得いく冷凍麺さえ作れてしまえば全国、ゆくゆくは世界でも流通させることが可能なので、冷凍麺がベストなのでは」

手打ちきしめんがいくらおいしくても、値段が高いとハードルが高く、たくさんの人には広まりません。

まずはお求めやすい価格で提供することが大事というわけです。

松岡も実際に食べてみたところ、「冷凍麺」といわれなければ、わからないほど。

また、昔の名古屋の公設市場にあった麺類の店では、いろんな麺類を混ぜて売っていたケースもあったそうです。

衣笠さんは最後に、「できればいろんな麺を自分で好きにカスタマイズして、つゆも自分で好きなものを選んで、トッピングも選んで、そういう遊びができるようなお店にしたいですね」として、「お店を通じて名古屋の面白い麺文化を伝えたい」と語りました。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2021年06月14日14時43分~抜粋

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