北野誠のズバリ

放棄してないのに相続が受けられない!どんなケース?

相続を放棄するのは、莫大な借金を抱えたくないケースが一般的ですが、中には自ら放棄しなくても相続権を失ってしまうケースがあるそうです。

その1つは罪を犯した場合だそうですが、いったいどんな罪だとダメなのでしょうか。

『北野誠のズバリ』の「ズバリマネー相談室」コーナーでは毎週、お金にまつわる疑問・質問を取り上げています。

5月24日の放送では、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャルプランナー・徳山誠也さんが、相続できないケースについて解説しました。

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どんな犯罪だと相続できない?

相続放棄以外で相続の権利を失うケースは、「相続欠格」と「相続廃除」の2つ。

このうち、犯罪などで相続の資格を失うのは相続欠格です。

どんな犯罪が対象なのかは民法で定められていて、1つは相続人が被相続人(亡くなった本人)や他の相続人に対して故意に危害を加え、殺人罪や殺人未遂罪の有罪判決が確定したケースです。

遺産を狙うために本人を狙うのはもちろん、取り分を増やそうと他の相続人を狙うのもダメだということです。

なお、被相続人が亡くなってしまい、犯人を知っているにも関わらず隠した場合も、資格を失います。

例えば、兄弟3人で1番上の兄が実行犯で捕まった場合、残り2人が兄が犯人と知っていたにも関わらず、告訴や告発をしなければ、残り2人も資格を失うことになります。

あたり前ですが、遺産狙いの殺人はダメということです。

もう1つは、遺言書を自分に有利な内容にさせたケースです。

詐欺や脅迫で遺言書を書き換えさせたり、逆に遺言書を書き換えたいのに妨害したりした場合。

また、遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿するのもダメですので、相続に直接関わる犯罪が対象というわけです。
 

相続させなくない人が決められる

ここまでは相続欠格に関する説明でしたが、もう1つの相続廃除とは、どんなものなのでしょうか。

これは、今までとは逆に、被相続人が相続させたくない人を決めるケース。

もちろん、好き嫌いで決められると言ったものではなく、一定の条件に基づいて、家庭裁判所が認めた場合です。

例えば、年老いた親を虐待してきた大人の子に対して、親がその子を除外するケースなどが挙げられます。

生きている間に申し立てるだけではなく、遺言書にあらかじめ廃除対象の人を書いておいて、自分が亡くなった後に、遺言執行者に申し立ててもらうという、「遺言廃除」という方法もあるそうです。

ただし、相続廃除ができるのは、あくまでも被相続人本人のみで、家庭裁判所に認められるためのハードルは高いので、できるだけ証拠や記録を集めておく必要があります。

なお、相続欠格は国が相続の権利を奪うものですので、1度決まると復活はできないのですが、相続廃除は後で取り消しが可能とのことです。
 

相続欠格となってもまだ続きが…

相続欠格や相続廃除で注意すべき点ですが、徳山さんがまず挙げたのは、法定相続人が減るということ。

例えば、夫婦とこども2人構成の場合、父親が亡くなると、妻とこどもの3人が法定相続人となります。

しかし、1人のこどもが相続欠格となれば、法定相続人は2人。

ただし、その相続欠格となった人にこどもがいる、つまり亡くなった人から見て孫がいるとなると、「代襲相続」といって孫に引き継がれます。

相続放棄の場合はある程度まで行くと引き継がれないので、そこが違うところです。

めったにないことではありますが、このようなケースもあるということを覚えておいたほうが良さそうです。
(岡本)
 
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2021年05月24日14時12分~抜粋

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