北野誠のズバリ

「住宅ローンのボーナス払いは避けた方が良い」これだけの理由

コロナ禍でステイホームやテレワークなどにより、家にいることが多くなってきた状況で、あらためてマイホームの購入に注目が集まっています。

『北野誠のズバリ』の「ズバリマネー相談室」コーナーでは毎週、保険や貯蓄、節約など、お金にまつわる疑問・質問を取りあげています。

5月10日の放送では、「住宅ローンでボーナス払いを併用した方が良いのかどうか」という相談に対し、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャルプランナー、伊藤勝啓さんが回答しました。

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ボーナス払いは実は損

ボーナス払いのメリットは月々の支払いを減らせることですが、ボーナスが昔ほど安定的に出なくなってきたからか、伊藤さんによれば、ボーナス払いを利用する人は徐々に減ってきているそうです。

実際のところ、ボーナス払いはおすすめなのでしょうか。

伊藤さん「正直、個人的には利用しない方が良いと思いますね。

前提として、毎月の給料以上にボーナスは勤務先の業績による部分が多いと思いますので、仮に業績が悪くなってボーナスが支給されないとか、想定よりも減額されてしまうことも当然考えられるんですよね」

公務員の方だとボーナスに極端な波がないので、ボーナス払いでも問題はないかもしれません。

また、ボーナス払いを避ける理由は、他にもあるそうです。

伊藤さん「もし、ボーナスが支給されなければ、それをあてにした設定のボーナス返済というのは、約束通りに返済ができなくなる可能性も高くなりますし、毎月返済のみよりも払う利息の総額が増えるということがあリます」

これは、毎月の利息は残高に応じてかかるのですが、ボーナス払いをしない場合と比べて、残高の減るペースが遅くなってしまうため。

ボーナス払いを利用すると、毎月の返済が楽になったような気になってしまいますが、結局トータルで見ると、得をしているというわけではないようです。
 

ボーナス払いをしても良い条件

では、ボーナス払いを選んでも良いのは、どんな場合でしょうか。

伊藤さん「もし利用する場合には、借り手本人さん以外に、世帯でしっかりとした収入がある人がいるとか、仮にボーナスが支給されないことがあっても、問題なく家計が回るという状況があるかどうかを見極めるということが重要になってきますね」

また、最近は働き方改革やリモートワークなどにより、残業を減らしたり、禁止したりする動きが進んでいますので、今後さらに収入が減る可能性があります。

そうすると、今や借り初めの時とかなり計画が狂ってきているという方も少なくないかもしれません。
 

住宅ローンが払えなくなったら

労働環境が将来も不透明な中で、安定的に支給されないボーナスに頼るのは危険なことといえるでしょう。

伊藤さん「(ボーナスが)必ずもらえるものとして住宅ローンの返済計画を立ててしまうと、よほどの貯蓄があるとか、世帯で他に収入がある人がいるなどという状況がないと、返済ができないということになってしまうんですね。

もし本当に返済ができなくて完全にお手上げとなってしまうと、住宅ローンは抵当権という担保がついてまして、その権利が行使されて、最終的にはマイホームを手放さなければいけなくなってしまうことがあります」

また、返済が難しい場合でも、利息だけの支払いに一時的に変更するなど、銀行で対応してくれるケースもありますので、相談するのも1つの手です。

最後に伊藤さんは、「無計画に家を購入してしまうと、結果として不幸を招き入れてしまうこともありますので、十分計画を立てて進めていただきたいですね」とまとめました。
(岡本)
 
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2021年05月10日14時11分~抜粋

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