北野誠のズバリ

魔女の一撃! ぎっくり腰を予防するには?

『北野誠のズバリ』、健康の悩み、夫婦の悩みなどを解決する「中高年よろず相談室」のコーナー。

5月7日の放送には、年に1~2度、朝起き上がれないほどのぎっくり腰になってしまうというAさん(48歳女性)から相談が寄せられました。仕事柄、立ちっぱなしや中腰の姿勢が多いため、コルセットを巻いて予防しているといいます。

「ぎっくり腰のくせを直したい」というAさんのお悩みに、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生が答えます。

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まずはMRI検査を

ぎっくり腰、またの名を「魔女の一撃」。このとき、腰では何が起きているのでしょうか。

「これほど大勢の方が苦しんでいるのに、痛みが出る具体的な説明を聞いたことがない方が大半だと思う」と吉田先生。

なぜなら、ぎっくり腰を医学的に説明することは「嘘」だから。実はぎっくり腰の痛みについて、明確なことはまだわかっていないのです。

吉田先生によると、病院での検査はMRIがおすすめ。これは椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症といった、しっかりとした治療を必要とする他の病気の可能性を消すため。

初めからぎっくり腰と決めつけてしまうのは大変危険なことで、他の病気でないことを確認するためにMRI検査が必要なのです。
 

ぎっくり腰は「病気の総称」

ぎっくり腰の場合、一般的なMRI検査を行っても、はっきりとした変化は見つかりません。

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の場合、治療をすぐ始める必要があり、またその治療にも効果があります。

しかしぎっくり腰は、特別な治療をしなくても1~2週間で勝手に治る一過性の炎症。ぎっくり腰とわかったとしても、回復を早める効果はあまり期待ができないのです。

ぎっくり腰は、腰の関節の靭帯、筋肉、神経に原因がある場合に起こるもの。これは人によってさまざまです。

つまりぎっくり腰とは、「病気の総称みたいなもの」と吉田先生。
 

腰を守るインナーマッスル

ここで北野誠が、「体幹を鍛えていないと腰を痛めると聞いていたのに、自分がぎっくり腰をやってしまったのは、体幹を鍛えている時だった」と吉田先生に疑問をぶつけます。

「インナーマッスルが腰周りの関節や神経を守ってくれているので、体幹を鍛えることはすごく大事」と吉田先生。

中腰などの不自然な姿勢を取ると、どんなに注意しても腰への負担がゼロというわけにはいきません。そんなときに、インナーマッスルが腰を守ってくれているのです。

しかし、いくらインナーマッスルを鍛えていても、それ以上の負担が腰にかかるとやはりぎっくり腰になってしまうそうです。
 

「あっ、俺は必要ないんだ」

最初のぎっくり腰があまりにもひどかったため、コルセットを巻いていたという北野。しかし、お医者さんから「使いすぎも良くない」と言われてしまったといいます。

「もちろん猛烈に痛い時は、コルセットを付けないとやってられないので必要」と吉田先生。しかし「治ったあとも使い続けるのはまずい」そうです。

不自然な姿勢を外からガードしてくれるコルセットは、インナーマッスルを同じ働きをしています。しかしずっと使い続けていると、インナーマッスルは「あっ、俺は必要ないんだ」と感じ、どんどん衰えてやせ細ってしまうんだとか。

つまり長い目で見ると、コルセットに頼りきることは「ぎっくり腰になりやすい体質」を作ってしまうということになってしまうのです。
 

朝の洗面台に注意!

大きなぎっくり腰を2回やってしまった経験から、「ぎっくり腰には予兆がある」と北野。吉田先生によると、実際ぎっくり腰にはほとんどの方になんらかの前兆があるそうです。

そもそも、その部分が凝り固まっていたり、血液の流れが悪く柔軟性が失われていたりするところに、不自然な姿勢で最後の一撃を与えてしまった結果が、ぎっくり腰です。

吉田先生によると、気を付ける必要があるのは朝の洗面台。実は北野も、1回目のぎっくり腰は洗面台でやってしまったといいます。

顔を洗う時は腰を曲げざるをえません。このときに気を付けることは、「膝を少し曲げる」ということです。

膝を曲げることで、腰だけに集中していた体重の力が膝と背中に分散します。

人体は、膝と背中が連動して無意識にバランスの取り方を変えるため、ほんの少しだけ膝を曲げるだけでも腰への負担が変わってくるのです。
 

ベッドで胎児の姿勢

朝は特にぎっくり腰になりやすい時間帯。夜寝ている時は寝返りを打つ以外の運動はしないため、腰回りが固まってきてしまうのです。

「朝、目が覚めて起き上がる瞬間にぎっくり腰になる人もすごく多い」と吉田先生。

朝のぎっくり腰を予防するには、起き上がる前にベッドで胎児のように丸まる姿勢を取ること。この姿勢で血流が良くなり、ぎっくり腰のリスクが減るそうです。

コロナ禍におけるデスクワークの増加に伴い、ぎっくり腰も増加しています。

「1時間以上座りっぱなしは大変危険なので、1時間に1回は部屋の中でウロウロ歩き回ってください」とリスナーにアドバイスを送った吉田先生でした。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2021年05月08日14時12分~抜粋

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