北野誠のズバリ

価格6倍で出品も…レア日本酒の深刻な転売問題

日本のみならず、最近では外国でも人気が高まってきている日本酒。

その中でも製造量の少ない希少な日本酒のことが「レア日本酒」と呼ばれています。

情報Webサイト「弁護士ドットコムニュース」の記事によりますと、今、転売ヤーがレア日本酒を買い占め、フリマアプリなどに高額で出費していることが問題となっています。

3月27日放送『北野誠のズバリサタデー』では、レア日本酒の転売問題を取材されているライターの国分瑠衣子さんに、お話を伺いました。

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転売ヤーの入手方法

転売されたレア日本酒はフリマアプリだけではなく、ドラッグストアでも販売されているそう。

例えば秋田県の新政酒造で製造されている「No.6(ナンバーシックス)」の限定酒は、有名クリエイターが手がけたとあって人気を呼びましたが、小売価格4,800円(税込)のものが、メルカリで3万円もの価格で販売。

小規模の蔵元の商品が転売の標的となっています。

そんな希少なお酒を転売ヤーはどのようにして入手しているのでしょうか。

国分さんが蔵元に取材したところ、全国の特約店を回って買い占めているそうで、転売ヤーは「飲食店に卸すため」や「自分の会社の設立○周年行事に必要」と嘘をついて、入手しているそうです。
 

転売の本当の問題点

転売目的で買い占め高値で売るというのは、本来欲しい人に行き渡らない、不当に高い値段で買わされてしまうという問題点がありますが、レア日本酒の場合、さらに深刻な問題が含まれています。

国分さんがインタビューした「獺祭」で有名な旭酒造の桜井社長も、「味や香りが落ちてしまい、すごく頭の痛い問題」と語っています。

転売目的で出品されているものは保存状態も悪いことが多く、品質管理が悪くおいしくないお酒が流通すると、ブランド力が低下する恐れがあります。

さらに、そのようなお酒が海外に多く輸出されることで、日本酒の誤ったイメージが広まる危険もあり、日本酒の業界全体に悪影響を及ぼしかねません。

その対策として、旭酒造では一部のお酒にロットナンバーを付ける工夫をしていますが、転売側がわざと削り取って流通させる事例もあるそうです。

一方で、転売を減らすためには特約店を増やすべきという意見もありますが、品質やブランドを守りながら販売していかなければならないため、困難な状況です。
 

転売は禁止できない?

では、フリマアプリでの出品は禁止できないのでしょうか。

個人でお酒を何度も出品していると、お酒の販売免許が必要ということになるのですが、個人で飲む範囲での売買は特に規制されていません。

フリマアプリを運営する「メルカリ」に尋ねたところ、日本酒の転売自体は違法ではないため、禁止できないとの認識。

現在法律で転売が禁止されているチケットや、運営会社が禁止している衛生用品、販売免許が必要な医薬品などに日本酒が含まれていないためです。

ただ、需要に対して供給が少ないと価格が高くなるという市場原理が働いている以上、転売を止められないのが現実。

桜井社長も「せめて冷蔵保存が必要な生酒を転売するのなら、管理をしっかりしてもらいたい」と語られていたそうです。

最後に北野はあらためて、「転売で買わないのが1番」とまとめました。
(岡本)

 
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2021年03月27日09時44分~抜粋

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