北野誠のズバリ

場合によっては軽犯罪扱い!?盗撮に関する条例がようやく改正へ

日本経済新聞の記事によりますと、スマートフォンによる個人の家やホテルの客室での盗撮が増える中、各地で盗撮に関する防止条例を改正する動きが活発になっているとのことです。

スマホによる盗撮は以前から問題となっていますが、いったいどのような改正が進んでいるのでしょうか。

3月13日放送『北野誠のズバリサタデー』ではこのニュースについて、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が法律の観点から解説しました。

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ホテルでの盗撮は軽犯罪扱い

現在各県で制定されている条例では、規制の対象が実は公共の場所に限られているため、改正によって私的な空間にまで対象を広げようというのが、改正の目的だということです。

普通、盗撮は公共の場所であってもなくても罪に問うべきものだと思うのですが、今までの条例に欠陥があったということなのでしょうか。

原先生「最低限の軽犯罪法は適用されるんですけど、基本的に迷惑防止条例ってもっと重い罪は、公共の場所に限られてたんですね。

ですから電車は公共交通機関ですけど、ホテルとかになると私的なプライベート空間なので、軽犯罪にしか問われない」

軽犯罪の例としては、立小便やしつこいナンパ行為などがあり、罰金や科料は1万円程度と軽いもの。

盗撮がそれと同じぐらいの軽さで扱われるのは、なんかしっくりきませんね。

これが迷惑防止条例の扱いになると、1年以下の懲役か100万円以下の罰金となりますので、大きな違いがあります。
 

同じ盗撮でも罪に大きな違いが

それが今回、迷惑防止条例並みの扱いへ改正しようとする動きがあるのですが、なぜ今のタイミングなのでしょうか。

原先生「スマホであらゆる所で(盗撮ができるとは)想定してなかったので、範囲を(公共空間に)限定するっていう考え方はおかしいんじゃないかということで、どんどん広げて。

盗撮自体は本当は全面的に禁止しようというのもあるんですけど、盗撮の範囲とかが難しくて、条例の規制対象の場所を増やすという形で手当てしてますね」

今は道路などの公共の場所から、ある家に向かって盗撮した場合は迷惑防止条例違反となりますが、ある家の庭に入って盗撮した場合は、プライベートな空間ということで軽犯罪という扱いになるそうです。

同じ盗撮行為でも、撮った側の人間の立ち位置によって罪の重さが大きく変わるという、今の日本の制度に対し、北野や加藤由香アナウンサーも驚き。
 

盗撮かどうか判断は難しい?

ただ、そのリアクションを見た原先生は、逆に「みなさんがそんなに驚くとは思わなかった」と語りました。

もちろん、建造物侵入や不法侵入などの別の罪が加えられるのですが、これがアパートやマンション、ホテルだとある一定の人なら誰でも入れるので、本当に軽犯罪だけを問われる可能性があります。

それを改正するため「公共の場所」という概念をもっと広げようというのが、今回の狙いということです。

ただ、条例は各都道府県で決めるもので、動きはバラバラですので、地域によっても処罰内容は異なります。

そう聞くと、公共の場所の定義を広げるどうこうではなく、そもそも盗撮自体をすべて禁止すれば良いのにと思ってしまいますが……。

原先生「盗撮なのか普通の撮影なのか、言葉の定義がすごく難しいんですね。

撮影を禁止すると表現の自由の問題になるんですよね。

写っているもので処罰するかというと、どうやってチェックするのかという難しい問題もあって」

法律をつくるのにあたり犯罪かどうか、実際に線を引くとなると、私たちが思っている以上に難しいのかもしれません。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2021年03月13日10時52分~抜粋

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