北野誠のズバリ

コンビニでトイレだけ利用するのは「建造物侵入」になるの?

1月27日放送の『北野誠のズバリ』「ズバリ法律相談室」のコーナーには、「コンビニのトイレだけの使用も建造物侵入になるの?」という質問が寄せられました。

先日のニュースで「宿泊客ではない男性がホテルの大浴場に侵入し、建造物侵入罪で現行犯逮捕された」という事件を知ったリスナーAさん。

「コンビニやお店でも、トイレ目的で入ってそのまま帰ると同じなのでは?」と気になったというのです。

オリンピア法律事務所の原武之弁護士がこの件に関する見解を語りました。

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そもそも建造物侵入罪とは?

「建造物侵入罪」とは、正当な理由がないのに人の住居や建造物に侵入した場合に成立する犯罪のこと。

3年以下の懲役または10万円以下の罰金という刑事罰が科せられます。

とはいえ、今回ニュースになったホテルの大浴場に無断で侵入して逮捕されたケースについては「よっぽどですよね」と原弁護士。

「1回入ったぐらいではいきなり現行犯逮捕とはならない。なにか前事情があったと思う」と、何かしら裏があるだろうというのです。

例えば、何度も注意をしたのに聞かなかった、暴れた、嫌がらせをしたなどが考えられます。
 

トイレの無断使用に違法性は?

コンビニのトイレ事情は、「ご自由にお使いください」もしくは「利用前に店員にお声かけください」の2パターンに別れます。

これは「管理権者の意志」によるものなので、「声をかけて」と言われているのにもかかわらず無断で使用した場合は、不法侵入と言われても仕方がありません。

しかし客観的に見て刑罰に当たる行為をしたとしても、違法性があるかどうかは次の審査基準。

「お腹が痛かった。急いでいた」と言われてしまうとどうしようもないため、処罰はされにくいというのが原弁護士の見解です。
 

都心のコンビニと田舎のコンビニ

「トイレに行った後、何か買ったらいいですけどね」と語る北野誠に、「そこまでいけばコンビニも文句は言わないと思います」と原弁護士。

北野「『ここにあるの全部もらうわ!』」
原弁護士「それはかっこいいですよね。誰も文句言わないですよね」

北野「『ここの棚にある最中を全部もらうわ!』とか」
原弁護士「『ご自由にお使いください』ですよね」

一方、都心のコンビニではトイレの使用を禁止しているところが多いです。

トイレ以外の用途で使用する人もいるため、犯罪を未然に防ぎたいというコンビニ側の意志の表れだと原弁護士。

これは田舎のコンビニと異なる部分です。
 

宿泊者かどうかチェック

自分が宿泊しているホテルでも、エレベーターに乗るお客さんを「宿泊者かどうか」とホテル側は見ていると北野。

例えばシングルルームに2人で宿泊することは約款違反なので、監視カメラでチェックしているところは多いそうです。

しかし「部屋で打ち合わせをするだけ」「荷物を取りに来ただけ」と言われてしまうと、違反行為を完全に防ぐのは難しくなります。

それでも「一見おかしい人を防ぐために、いろいろとチェックしていると思う」と原弁護士。
 

雨宿りは建造物侵入になる?

建造物侵入罪は「人の庭に勝手に入って来る」といった想定と、「犯罪の前兆を防ぐ」という機能もあります。

空き巣が下調べをしているのも逮捕できるという効果は確かにあるのです。

「本当はそれはいけないというか別件逮捕に近いんですが、事実上はそういう面もある」と原弁護士。

「急な雨が降ってきて、知らない人の敷地内で雨宿りしてたと」と北野が出した例に、「やるやる。ちょっとお借りするときありますよね」と大橋麻美子。

この場合も重要なのは「客観性」。

客観的に見て雨宿りかどうかが大切で、中をチラチラ覗くなどの行為をした場合は違う目的が疑われてしまいます。

原弁護士「雨が降って避けたいという気持ちをアピールしないといけない」
大橋「『あー雨が。あー冷たいわ』とか言って」

とにかく客観的に見て不審な行動はとるべきではないということです。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2021年01月27日14時13分~抜粋

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