北野誠のズバリ

松原タニシ、沖縄で唯一の「遺体管理師」に出会う

遺体を火葬まできれいに保つ「遺体管理師」という職業があります。

12月1日放送の『北野誠のズバリ』では、松原タニシが、沖縄で唯一の遺体管理師・嘉陽 果林(かよう かりん)さんについて語りました。

遺体管理師とは?納棺師(おくりびと)との違いは?
松原が知られざる遺体管理師の仕事に迫ります。

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人は亡くなると管理されなくなる

先月、沖縄を訪れた松原は、(株)おもかげの遺体管理師・嘉陽さんと出会います。

葬儀社からの依頼で、お通夜から火葬までの遺体の状態を管理するのが遺体管理師の仕事。
遺族や参列者が故人と対面できるように、遺体の見栄えを整えるのが主な業務です。

嘉陽さんいわく「人は生きていると管理されてるけれど、亡くなると管理されなくなる」。

火葬されるまで、遺体はそのままの状態で置かれてしまいます。

「遺体の管理」は、遺族の選択肢のひとつとしてあるものです。
 

遺体をいかに美しいままで保つか

嘉陽さんは以前、納棺師(おくりびと)として働いていました。

納棺師は、遺体にメイクを施し、着付けをして、納棺するのが仕事。
遺体管理師は、荼毘にふすまで「遺体が変わらないように管理する」のが仕事です。

納棺師時代、「遺体への着付けをいかに綺麗にできるか」と意識して働いていたという嘉陽さん。

ある時、遺体から流れ出ていた漏液が、ピタッと止まる不思議な現象を目の当たりにし、「メカニズムを知りたいと思った」といいます。

つまり「儀式」としての納棺師の仕事ではなく、「遺体そのもの」に興味が湧いたというのです。

その後、遺体管理学について調べる中で「遺体をいかに美しいままで保たせることができるかを追求したい」という思いが募った嘉陽さん。

遺族との最後の別れの瞬間を大切にしようという意識が芽生えたそうです。
 

遺体の穏やかな顔は安心を生む

ケガで損壊してしまった、病気で痩せてしまった、顔の色が変わってしまったなど、人の死に方はそれぞれ。

そんな遺体を見て遺族ですら怖がることが多く、「これをなんとかできないか」と思ったという嘉陽さん。

顔のシミの薄れ具合を計算して、見栄えをよくしたり、エタノールやホルマリンを配合した薬液の注入で、顔をふくよかにしたり。

エアーブラシで内出血を着色で隠したり、オイルマッサージをして血色をよくしたりなど、遺体が“生前の輝いていた顔”に戻るように独自に研究されてきたといいます。

嘉陽さんが語る「安心できる遺体の3原則」は、「目を閉じている、口を閉じている、肌色である」ということ。

この3つの状態であれば、遺体を見たご遺族が安心できるといいます。

弔問客は遺体の顔を見て「故人は苦しんで死んだんじゃないか」と勝手に決めつけ、勝手に不幸にしてしまいます。

しかし遺体が穏やかな顔であれば、そこに安心が生まれるということに気づいたそうです。

 

遺族に遺体の手を握ってもらう

「亡くなってしまったら、ご遺体は変わらないと思っている人が多い」と嘉陽さん。

しかし遺体は時間の経過とともに予想もしない変貌を遂げます。

12時間ごとに全然違う顔になってしまうので、そこをしっかり管理することに務めているそうです。

嘉陽さんが大切にしているのは、遺族に遺体の手を握ってもらうことで、家族とのつながりを認識してもらうこと。

オイルを塗って遺体に温度を与えることによって、遺族に「温かみ」を感じてもらうのが最後の別れのよい思い出になるといいます。

また、遺体のケアを遺族に手伝ってもらうことで、「最後に何かできてよかった」と思ってもらうことができます。

「あの時、手伝っておけば…」と遺族の心残りになることがないようにと、嘉陽さんは遺族のケアも十分に考えています。
 

遺体にパンツを穿かせたい

他に嘉陽さんが行っているのは、「遺体にパンツを穿かせる」という取り組み。

遺体は通常オムツを穿いていますが、なんとかパンツを穿かせたいと肛門の研究にも取り組んでいるそうです。

遺体の尊厳を守ったまま、荼毘にふすまで管理している嘉陽さん。

「遺体の混沌としたイメージを払拭するのが自分の使命」とのことです。

最後に松原は「事故物件芸人として死者に近しい仕事をしているので、とても参考になりました」と語りました。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2020年12月01日15時16分~抜粋

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