北野誠のズバリ

「酒に酔っていたので覚えていない」言い訳は法的に通用する?

今はコロナ禍により、あまり外でお酒は飲めない状況ですが、お酒を飲んで記憶をなくしたという経験はありますでしょうか。

単に寝てしまっただけならまだマシですが、人に暴力をふるったり暴言をはいたりしていたとなれば、迷惑そのもの。

北野誠のズバリ』の「ズバリ法律相談室」コーナーでは、そんな迷惑行為に対し「お酒の席だから許して」で済まされるのかどうかについて、オリンピア法律事務所の原武之弁護士が法律的観点から解説しました。

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記憶をなくすと責任はない?

11月18日の放送で取りあげた、法律に関する質問のおたよりは次のとおりです。

「『酒に酔って覚えていない』という言葉をよくニュースで聞くことがあります。私の周りでも泥酔してしまって、翌日、飲み会の席でのできごとを忘れている人がいます。

お酒に酔い過ぎて、自分をコントロールできない時に起きたできごとに対して、責任や罪が軽くなったりすることはあるのでしょうか」(Aさん)

お酒をあまり飲まない、あるいはお酒で記憶をなくしたことがない人からすれば、罪が軽くなるのは納得できないところですが、日本の法律ではどう判断されるのでしょうか。

原「理屈でいえば、酒に酔っていることで物事の認識能力や判断能力がなくなったということになれば、責任能力がないということで、刑の免除や減刑があり得ますね」

これは刑法39条に規定されていることで、お酒に限らず心神喪失や心神耗弱状態にあれば無罪、あるいは刑が軽くなるというもの。

この法律を題材にした映画『39 刑法第三十九条』が1999年(平成11年)に公開されたこともあり、広く知られるようになりました。
 

責任が問われる「原自行為」とは?

ということは、お酒を飲んでいたら何をしても良いのかというと、実はそんなことはありません。

原「原則はそうでも、理論でちょっと工夫があって。刑法を勉強する学生さんがよく言う『原自行為(原因において自由な行為)』。要は飲んだらそういうことになるのがわかって飲んだのであれば、その責任が問えますと。

自分がお酒に弱くて、酩酊することが簡単に予見できるような状態なのに飲んだということになれば、入口の飲んだ所から責任能力を考えますということで、減刑を認めないという考え方があります」

今やお酒を飲んで暴れるのが許される時代ではないということですが、ただし、一部例外もあるようです。

原「例えば睡眠薬で(記憶がなくなることが)予見できなかったと。お酒を飲んで混ざってよくわかんない状態になっちゃったとか、向精神薬の間違えた服用の仕方で酩酊状態になっちゃったとか。
そういう時は、(責任を問うことが)難しいですね」

ここで北野は、駅で酔っぱらった人が駅員さんに絡んだりすることに対し、お酒のせいにするのは社会的に認められないのではないかと語りました。
原弁護士も「それは認められない」として、たとえ無理やり飲まされたとしても、過失犯になる可能性がある、とクギを刺しました。

そもそも記憶をなくすぐらい飲まないことと、楽しくお酒を飲む心がけが大事ですね。
(岡本)
 
北野誠のズバリ
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2020年11月18日14時13分~抜粋

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