北野誠のズバリ

置き配で他人の荷物が玄関先に。処分したら罪になるの?

コロナ禍の新しいサービスとして「置き配」を選ぶ人が増えています。
しかし、そこには新たなトラブルも発生しているようです。

10月28日放送の『北野誠のズバリ』、法律に関する疑問・質問・お悩みを解決する「ズバリ法律相談室」のコーナーには、リスナーから「他人の家に間違って置き配された荷物を捨てたら罪になるのでしょうか?」という質問が寄せられました。

オリンピア法律事務所の原武之弁護士が、誤配された荷物の扱い方について答えます。

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勝手に置かれたのに「横領」

「最近、宅配サービスで置き配が多くなっていますが、他人の家に配達されてしまい、その家の方にも迷惑をかけることが多くあります。間違って他人の荷物が配達され、本来配達されるべき家がわからず、送り主の配送先もわからず、配送業者にも連絡が取れない場合、
荷物はどのようにしたらよいのでしょうか。処分してしまったら罪になるのでしょうか」(Aさん)

置き配の増加に伴い、やはり増えている誤配。

原弁護士によると、誤配された荷物を勝手に捨ててしまった場合に考えられるのは、刑法の「遺失物横領罪」の罪に問われること。

「いきなり横領になってるわけですか!勝手に置かれてるのに!」と、北野は納得いかない様子。

「他人の物を横領してしまったという疑い」を掛けられてしまう可能性があり、1年以下の懲役または10万円以下の罰金となってしまうといいます。

「クロネコヤマトさんとか佐川急便さんはね、不在票もあって分かるんだけど。アマゾンの置き配を頼むと、どの業者さんが持ってきたか全く分かれへんのよね」と、ボヤく北野。

どこの配送業者が持ってきたのかわからない場合でも、やはり捨ててしまうのはまずいということです。
 

家に置いておいても「横領」

「どうしたらええのやろと思って。家の中に箱を開けないで置いておく」と尋ねる北野に、
「そのまま抱え込んでると『盗った』と思われかねないですよね」と原弁護士。

「盗った」ということになると「横領」になってしまうので、「捨てるとか以前の問題で、盗った状態を解消する必要がある」そうです。

つまり、誤配されてしまった場合の行先は「警察」一択ということになります。

「イメージとしては、落とし物を拾って家に持って帰ったら盗ったことになりますよね」と原弁護士が例を挙げると、「ああーそうか」と納得の北野。

自分の家の玄関先に誤配されていたものだとしても、理屈としては同じことなんだそう。

まずは警察に「誤配されました」と届け出て、「遺失物」として処理してもらうことが大切です。
 

冷えたハンバーガーが玄関に

最近は料理の宅配サービスも増えています。

話題のウーバーイーツについて「よう間違うらしいですよ」と北野。

料理の誤配については宅配サービス会社や、箸袋などでお店の名前を特定して連絡するべきだと原弁護士。

「留守にしてて帰ってきたら、めちゃめちゃ冷えたものが置いてあるんですよね。冷えたハンバーガーとか置いておかれても」と、状況をリアルに想像してみる大橋麻美子。

原弁護士は「そうなんですけど、一応理屈は遺失物なので。がんばって探すか、また警察に言うか」と笑います。

大橋「それも捨てちゃいけないってことですね」
原弁護士「現実そんなに問題になるかっていうとならないと思うんですけど、理屈でいえばなくしたものですからね。勝手に捨てちゃいけない」
 

ドアノブに掛けるのはやめて!

料理の宅配サービスについて「玄関のノブに掛けていくのはやめてほしい」と苦言を呈する北野に、「開けた瞬間にコトンと落ちますもんね!」と同意する大橋。

ピンポンして「玄関先に置いておきます」というパターンはあるものの、注文者が応答しなかった場合でもそのまま置いて帰るのが問題だといいます。

配達員は間違えているとは思っていないため、注文者と連絡がつかなくても料理を置いて行ってしまう。

これについても「そうですけど、やっぱり遺失物ですね」と原弁護士。

やはり誤配されたものが何であれ、勝手に処分してしまうのはまずいということです。
 

ドアをガンと開けたらゴーンと激突!

「置き配で玄関に置いておいて、開けたらぶつかるってことあるやんか。考えろよと思うねん、置くやつも」

置き配のさらなる問題点を指摘する北野。

「あっ来てる!」と思ってドアをガンと開けたら、ゴーンと激突。

アマゾンから届いた荷物が「壊れたんちゃうか?」と心配になってしまった経験があるんだそう。

原弁護士「踏んづけちゃうかもしれないですね。足を踏み出したらあったみたいな」
北野「そうなんですよ。置き配ね、玄関先いうたらドア開けて『ええー?』」

大橋「本当に玄関の“前”でね。ドアの“前”」
北野「ぶつかるよー」
 

「開ける方も気をつけろよ」

確実にぶつかる場所に置かれた荷物を、自分がドアをぶつけて壊してしまった場合について尋ねる北野に、「明らかにぶつかるようなところにあったら、債務不履行ですね。損害賠償の対象にできると思います」と原弁護士。

しかし、これには「過失相殺」という落とし穴があるといいます。

北野「過失相殺って?」
原弁護士「『開ける方も気をつけろよ』。置く方も置く方だけど、開ける方も開ける方ってなると思いますよ(笑)」

写真撮影と報告で保険がきくため、現実としてはそんなに大きくはもめないだろうと原弁護士。

「年がら年中ありますからね、いちいち全部裁判してくださいってわけにいかないので」

聞き取り調査で不自然や、不正な請求が連続していないかを調査されるだろうということです。

とにかく、誤配でどこに連絡すればよいかわからない場合は「警察行ってください」とアドバイスを送った原弁護士でした。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2020年10月28日14時11分~抜粋

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