北野誠のズバリ

酢のものでむせるのは危険なサイン?誤嚥性肺炎を防ぐ簡単な方法

北野誠のズバリ』、健康の悩み、夫婦の悩みなどを解決する「中高年よろず相談室」のコーナー。

10月23日の放送では「最近、酢のものを食べるとむせることが多くなった」というリスナーAさん(64歳・男性)からの相談を取り上げました。

「歳のせいで誤嚥が増えてきたのか」と悩むAさんに、心療内科本郷赤門前クリニック院長で医学博士の吉田たかよし先生がアドバイスを送ります。

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むせるのは“SOSサイン”

「最近どうもむせることが多く、歳のせいかなぁと思っていました。誤嚥性肺炎などの病気も知っているので普段から気を付けていますが、このむせる原因が酢のものを食べた時なんです。

辛いものや他のものでは何も問題はありません。『酢のもので1杯』が大好きなんですが、昔はこんなことありえませんでした。
やはり歳のせいで、誤嚥が増えてきたのでしょうか。教えてください」(Aさん)

「むせる」というのは、食べ物が肺に向かう「器官」に入った時に起こる現象です。

そのまま奥まで吸い込んでしまうと誤嚥性肺炎になってしまうので、吐き出すために咳をするのが「むせる」ということです。

通常は器官の入り口に少し吸い込むだけなので、むせれば問題ありません。

しかし、これを繰り返しているうちに肺の奥の方まで吸い込んで、本物の誤嚥性肺炎になってしまうこともあるといいます。

「むせるというのは“SOSサイン”だと思っていただきたい」と吉田先生。
 

死因の第7位

年齢を重ねると食べ物を飲みこむのが下手になり、肺に吸い込みやすくなってしまいます。
同じ量を吸い込んだ場合でも、高齢者の方がより深刻な炎症になりやすいのです。

先日、作曲家の筒美京平さんも、この誤嚥性肺炎で亡くなられました。

誤嚥性肺炎は、年間4万人の命を奪う恐ろしい肺炎です。

元々、日本人の3大死因は、がん、脳卒中、心臓病でした。

しかし誤嚥性肺炎が増えた影響で、9年前に肺炎の死亡者が脳卒中を上回って3位に浮上し、ニュースになりました。

現在、肺炎は死因の5位に下がっています。
実は誤嚥性肺炎が増えすぎてしまったため、統計上、肺炎から独立させることになったのです。

誤嚥性肺炎という狭い分類にもかかわらず、なんと死因の第7位に入っています。
 

酢は「薄めて」とる

吉田先生によると、酢のものでむせるのは「よくあること」。

他にも梅干しやオレンジジュースなどの酸っぱいものはむせやすく、誤嚥性肺炎にもなりやすいといいます。

酸っぱいものは酸性で、器官や肺の粘膜を刺激しやすいため、入院中の高齢者にすっぱいものを食べさせることは、まずありません。

これは老人ホームでも同じです。

とはいえお酢には「血管の筋肉を柔軟にして、高血圧を防ぐ」という身体によい効果があります。

さらに細胞の中にあるTCA回路を活発にして代謝を高めてくれる効果もあるため、「むしろ、お年寄りには積極的にとっていただきたい成分」と吉田先生。

誤嚥性肺炎を予防しながら酢をとる方法は「薄める」こと。

だし汁に酢を混ぜると、中性に近い弱酸性になります。

結構な量の酢をとることができるため、おすすめなんだそう。
 

ワカメとキュウリは要注意!

誤嚥性肺炎を起こしやすい食べ物についての話題で「酢の物によくあるワカメとキュウリは危なくないんですか?」と尋ねる北野誠に、「これは酸っぱいだけではなく、平べったいから危ない」と吉田先生。

焼きのりも同じで「薄く切りすぎるとよくない」んだそう。

若い頃は唾液がたくさん出るので問題ありません。
しかし歳を取ると口の中が乾いてきて、薄い食べ物は口の奥に一瞬張り付いてしまうことがあるのです。
のどの筋肉が飲み込むタイミングを間違えてしまって、誤嚥性肺炎になってしまうといいます。

「のりは平べったい焼きのりではなく、佃煮を食べる。キュウリは、よく塩でもんで柔らかくなった状態で食べる」のが安全だそうです。
 

誤嚥性肺炎をダブルで予防

誤嚥性肺炎を防ぐおすすめの方法は「歌をうたう」こと。

ニューヨーク大学の研究では、普段から趣味で頻繁に歌をうたっているお年寄りは、誤嚥性肺炎になりにくいというデータが出ました。

80代の方でも、とても少ないといいます。

これは、歌をうたっている時に無意識のうちにのどの筋肉を複雑に使っているから。

のどの筋肉自体も鍛えられるし、筋肉を使いこなす神経も発達するため、誤嚥性肺炎をダブルで予防する効果があるのです。

特にいいのは、お風呂で歌をうたうこと。

のどの粘膜もうるおっていて、血行もよくなっているため、トレーニングの効果が大きくなります。
 

お風呂で滑舌よく歌う!

残念ながら「鼻歌は効果が低い」という実験データが出ています。

歌をうたう時には舌や口を活発に使いますが、連動してのどの筋肉も使っているのです。

最も効果が高かったのは、モーツァルト作曲のオペラ「魔笛」。

口だけではなくのどの筋肉をたくさん使うため、誤嚥性肺炎を予防する効果が高いのでおすすめだということです。

「お風呂の中で滑舌よく歌詞を歌えば、お好きな曲なんでもいいです」と吉田先生。

今宵からぜひ試してみてはいかがでしょうか。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2020年10月23日14時12分~抜粋

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