北野誠のズバリ

ネット銀行のローン金利はなぜ安い?デメリットはないの?

10月19日放送の『北野誠のズバリ」「ズバリマネー相談室」のコーナーには、「ネット銀行の住宅ローンを検討している」というリスナーAさんから相談が寄せられました。

一般の銀行と比べて金利が安く、手間もかからないイメージがあるネット銀行。しかし、何かデメリットはないのでしょうか。

小宇佐・針田FP事務所のファイナンシャルプランナー 伊藤勝啓さんに「ネット銀行の住宅ローン」について伺いました。

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地代、人件費、広告宣伝費

「最近は、なんでもネットでできるようになって非常に便利だと思っています。私自身、ネットでショッピングをする機会も増えました。
ところで、我が家は近い将来マイホームを購入しようと思っていて、住宅ローンをどうしようか、いろいろ調べています。

その中で、ネット銀行だと金利が安い上に、わざわざ出向く必要もなさそうなので気になっています。ただ、もしなにか気をつけることがあるようでしたら教えてください」(Aさん)

ネット銀行にも、住宅ローンや自動車ローン、教育ローンなど、一般的な銀行が取り扱うものと同じ商品があります。

伊藤さんによると、店舗をかまえている銀行に比べて、ネット銀行は一般的に金利が低い傾向にあるそうです。

ネット銀行は対面ではなく、ネットや電話でやり取りをするため、地代や人件費が削減できます。

さらに、テレビCMを放送する従来の銀行に対して、ネット銀行の広告はネット広告が中心となるため、広告宣伝費に多額のお金をかけずに済みます。

その分利用者に還元することができるため、結果としてネット銀行の金利は安くなるという仕組みです。
 

郵送でのやり取りに時間がかかる

それでは、ネット銀行の住宅ローンに、なにかデメリットはあるのでしょうか。

それは、伊藤さんによると「住宅ローンの審査期間が長い」ということ。

本審査の前の仮審査はオンラインで完結するため比較的早いものの、正式な申し込みや契約は郵送でのやりとりとなるため時間がかかります。

一般の銀行は、目の前で担当者にサポートしてもらいながら手続きをするので早く進みます。
しかし書類だけのやりとりになると、なにか記入ミスがあった場合はその修正手続きに時間がかかってしまうのです。

早急に融資の承認を得らなければならない場合には、不都合が生じてしまうというわけです。
 

表面的な情報のみでの審査

さらに、ネット銀行の審査は厳しく、狭き門となる傾向があります。

一般的な銀行の住宅ローンは、担当者がいろいろとヒアリングをしながら内容を確認して進めますが、ネット銀行は表面的な情報のみで審査の可否を判断します。

表面的に何も問題がない方は比較的スムーズに進みますが、不安材料があると判断されてしまうと、それだけで審査に落ちてしまうこともあるのです。

住宅ローンは多くの人にとって、一生に一度利用するかどうかというもの。
必要書類などをスムーズに揃えられるかという問題もあります。
 

「つなぎ融資」問題

また、ネット銀行の住宅ローンは「つなぎ融資に対応していない」という問題点もあります。

注文住宅の場合、着工金や中間金といった完成前に業者に支払う資金があり、ほとんどの人がこの資金を、完成時に融資が受けられる正式な住宅ローンまでのつなぎとして利用します。

しかし、ネット銀行はこの「つなぎ融資」に対応していないのが一般的。

注文住宅を購入する人は必要なタイミングで受けられない融資が発生してしまうため、ネット銀行の住宅ローンは選択肢から外れてしまうというわけです。

ネット銀行には金利が低いという恩恵はありますが、審査や手続きの負担、希望する融資が受けられるかどうかといった、注意が必要な点もあります。

金利の安さだけで飛びつくのではなく、しっかり内容を理解した上で、総合的に判断する必要があるようです。
(minto)
 
北野誠のズバリ
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2020年10月19日14時12分~抜粋

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